愛猫とのさよならが近いサイン?死を悟った猫が「姿を隠す理由」と飼い主ができること

愛猫とのさよならが近いサイン?死を悟った猫が「姿を隠す理由」と飼い主ができること

猫は自分の死を悟ると姿を隠すと言われていますが、なぜなのでしょうか。そもそも、猫は自分の死を理解しているのでしょうか。そしてお別れのときが近づいている愛猫を私たち飼い主はどのようにサポートするべきなのでしょうか。それぞれの疑問についてお答えしていきます。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫が死ぬ前に姿を隠す本当の理由

隠れる猫

猫は死ぬ間際になると姿を消すという話はよく知られています。でも本当のところは少し違うようです。

野良猫など外で暮らす猫にとって、ケガや病気による体調不良は命にかかわります。体が弱っているところを敵に襲われでもしたら逃げることも反撃することもままなりません。

そのため体調が回復するまでのあいだ、一時的にほかの動物に見つからない場所に身を隠すのです。

体力のある猫なら隠れているうちに元気を取り戻せるでしょうが、ケガや病気が重かったり、年老いた猫の場合は回復しないまま命を落としてしまうことも少なくありません。

そういった猫のなきがらが偶然見つかって、猫は死を悟ると姿を消すという話が広まったのではないかと言われています。

ようは生きるために身を隠すだけなのに、人間が勝手に勘違いしていただけだったりするのです。

猫は「死」という概念を理解していない

寝ころんでいる猫

そもそも猫は死という概念を持っていないそうです。

イギリスの動物行動学者デズモンド・モリス博士は「猫は自分自身に対して死という概念を持っていないため、自分の死を予測できない」としています。

猫は自分の体調不良を見えない敵から危害を加えられているからだと感じ、危険から身を隠すのだと言います。

そして隠れ家から外に出るとより大きな苦痛や外敵が待っているかもしれないと考え、その場所から動かなくなって、そのまま死を迎えるとしています。

死期が近づいたとき室内飼いの猫はどうする?

ベッドでくつろぐ猫

室内飼いの猫も体調を回復させるために静かな場所で休もうと姿を隠すことがあります。猫は飼い主さんであっても弱った姿を見せまいとします。

そのため飼い主さんが気づいたときには、すでに亡くなっていたということも。これも猫は死を悟ると姿を隠すと言われている理由でしょう。

一方で死期が近づくと、大きな声で鳴いたり、飼い主さんに甘えたりする猫もいます。なぜこのような行動をとるのかは科学的には解明されていませんが、なんらかの不安を感じているのではないかとも言われています。

愛猫への最後の贈り物は「いつも通りの毎日」

ベッドでくつろぐ人と猫

猫と暮らしていればいつかは必ずやってくるお別れ。そのとき愛猫のためになにができるのでしょうか。

猫は習慣を大切にする動物ですから、いつものように部屋のなかを見回って、大好きなおやつを食べて、ひなたぼっこをすることを望むかもしれません。

あなたが飼い主としてできることは、そんな愛猫のサポートをすることです。

愛猫にとって安心できる縄張りである自宅で、信頼できる家族に囲まれて過ごす「いつも通りの毎日」は最高の贈り物になるでしょう。

まとめ

箱に入っている猫

猫は死を悟ると姿を隠すと言われています。

その一方で、弱っている姿を敵に見せると命の危険があるため、回復するまでのあいだ身を隠しているだけだとも言われています。

さらに猫は「死」という概念を持っておらず、姿を隠すのは見えない敵から逃れるためだという説もあります。

猫が死の間際に姿を隠すのは間違いないようですが、真実はまだ解明されていないと考えるのが正しいのかもしれませんね。

今までの愛猫との生活や、愛猫の性格を考えて、どんな最後の時を一緒に過ごしたいか、生前から考えておくことも大切と言えるでしょう。

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