1.声
「猫は呼んでも来ない」といわれますが、飼い主さんの声はちゃんと記憶しています。声を聞けば飼い主さんなのか、違う人なのかを判別することができるのです。そしてその『声の記憶は数年続く』といわれています。
一方、猫の名前を呼んでも、一切振り向いてくれないことはよくあります。ただし、知らない人に呼ばれたときは無反応でも、飼い主さんが呼んだときは耳やしっぽを動かして反応を見せていることが少なくありません。
我が家の猫が入院して面会に行ったとき、看護師さんに抱っこされて診察室に緊張した様子で入ってきた愛猫に声をかけると、表情がパッとなりたくさん鳴いてくれたことがありました。そのとき私はマスクを付けていましたが、声で分かるんだなとうれしくなりました。
2.足音など動作の音
人によって歩き方やドアの開け方など違いがあり、猫はそれを聞いて飼い主さんかどうか判別しています。
猫の聴力はとても優れていて、人間の8倍、犬の2倍といわれています。20m離れた場所にいるネズミの足音も聞こえるそうです。
飼い主さんが帰宅して玄関を開けたら猫がお出迎えしてくれるのも、飼い主さんが歩く音などが聞こえているためにしている行動なのです。
3.ニオイ
猫にとってニオイは、コミュニケーションをとるために欠かせないものです。
猫の嗅覚は人間の数万倍以上といわれています。ニオイを嗅ぐことで飼い主さんを見分けることができるのです。
また、猫同士でも、相手のニオイから仲間かどうか判断しています。
4.見た目
猫の視力は人間に例えると0.1~0.2程度でぼやけた状態で見えているそうです。そのため、人を見分けるときは視力よりも聴力や嗅覚を使って判断しています。
つまり、飼い主さんがマスクをしていようがしていまいが、猫にとって人の顔を見て判別すること自体、そもそも難しいのです。判別できるとすれば、シルエットくらいの情報しかないようです。
猫の中には飼い主さんがマスクをしているのを見て警戒する子もいますが、聴覚や嗅覚を使ってすぐに飼い主さんであると認識できるでしょう。
猫の視界は、普段はぼやけて見えている程度ですが、広範囲を見渡すことができる、動くものを見る動体視力が良い、暗い場所でも少しの光があればよく見えるなど、人間とは違った優れた点もあります。
まとめ
飼い主さんがマスクをつけていても、猫は飼い主さんであると分かっています。猫が人を見分けるとき、見た目よりも聴覚や嗅覚を使っているからです。猫の聴覚や嗅覚は人間よりもとても優れています。
しかしもし、飼い主さんのマスク姿に愛猫が警戒してしまったら、話しかけたり指のニオイを嗅がせてあげたりしましょう。すぐに飼い主さんだと分かってくれるはずです。