1.隠れて寝る
暗い場所や狭い場所に隠れて眠るときは、具合が悪い可能性があります。猫は、敵から見えない場所で回復しようとする本能があるためです。
普段からこのような場所を好んで寝ているのなら問題ありませんが、急に寝る場所を変えた場合は気を付けてください。
加えて、寝姿以外にも変化がないかチェックしましょう。例えば、嘔吐や食欲低下が見られる場合は、消化器系の病気が疑われます。
また人目に付かない場所で体を舐める姿が見られたら、ケガや皮膚疾患があるかもしれません。確認できた変化をメモして、動物病院へ行きましょう。
一方、病気ではないものの、ストレスで一時的に寝る場所を変えていることも。室温や騒音、飼い主とのコミュニケーションなど、猫にとって不快な原因がないか探ってみてください。
とくに猫は変化を嫌う動物なので、変化によるストレスで隠れて寝ている場合があります。
2.うずくまって寝る
足を地面に付けてうずくまって寝る場合、痛みを感じている可能性があります。痛みに耐えつつ、いつでも逃げられるような体勢を取っているわけです。体調良好でリラックスしているときは、体の横側を地面に付けてゴロンと寝ることが多いです。
この寝姿は、俗に「ごめん寝」と呼ばれることもあります。好んでこの体勢で寝る猫もいるので一概に病気だとは言えませんが、妙に周りを警戒している様子なら異変の可能性も。まずは体に傷がないかチェックしてみましょう。
ただし、単に部屋が寒いためにうずくまって寝ていることもあります。猫は13℃を下回るとお腹を出さずに寝るという実験結果もあるようなので、猫にとって部屋が寒すぎないか確かめましょう。
3.壁に頭を付けている
壁に頭をくっつけたままじっとしていることを、「ヘッドプレッシング」と言います。こちらも「ごめん寝」に似ていて可愛らしいのですが、神経系の病気が潜んでいる可能性があります。
平衡感覚の異常や認知機能の異常なども考えられるため、受診を検討しましょう。
ただし、いわゆる「マーキング」の場合にも、家具や壁に頭を擦りつけることがあります。
見分け方が難しいと感じるかもしれませんが、ヘッドプレッシングの場合は、マーキングのようにニャーニャー鳴きながら歩き回ることはありません。どちらかというと「痛くて押し付けている」状態なので、実際に見るとすぐに判断できるはずです。
4.眠りが浅い
なんだか眠りが浅い、すぐに起きてしまう…そんなときも、具合が悪いサインかもしれません。猫は人間よりも浅い眠り(レム睡眠)が長い動物ではありますが、他に気になる症状がある場合は要注意です。
例えば呼吸が浅い場合、呼吸器系や循環器系の病気が考えられます。息が苦しいために、寝たくても寝られないという状態です。
また「いびき」をかいている場合、鼻腔狭窄や鼻炎、呼吸器の異常などが考えられます。
眠れずにトイレばかり行っている、そのわりに尿が出ていないという場合は、泌尿器系トラブルの可能性が高いでしょう。
甲状腺機能亢進症を発症していると、興奮して走り回る傾向があります。また、認知症で眠れなくなったり徘徊する老猫も多いです。
眠りが浅くなる原因として考えられるものはさまざまなのですが、いずれの場合も飼い主が思っている以上に症状が進行していることもあるので、なるべく早めに動物病院へ連れていきましょう。
まとめ
猫の寝姿は、「いつもと違う」という点が一番のチェックポイントです。例えばいびきをかいていると言っても、短頭種のようにもともといびきをかきやすい猫もいます。
また、とくに具合が悪いわけではないのに隠れて寝るのが好きな猫もいるでしょう。
普段から愛猫の寝姿を観察していれば、変化したときに気が付きやすくなります。愛猫からの無言のサインを見逃さないよう、どこでどのような姿勢で寝るのが好きなのかチェックしておくといいですね。