猫を振り回して「応援」?
テイラー・スウィフトのファンたちの行為が、動物保護団体から批判されています。
というのも、ヒット曲「オーガスト」にのせてペットを空中でグルグルと振り回すビデオ映像が、ネット上に数多く投稿されているからです。
彼女の最新ツアーのチケットは、すべて売り切れるほどの爆発的人気です。これと同時にソーシャルメディア「TikTok」上では、世界中のファンたちが猫を使った応援を始めたのです。猫好きな彼女の大ヒット曲にあわせ、飼い猫の前足をつかみ空中で振り回すビデオ映像が次々に投稿されています。
しかも猫だけではありません。振り回す対象は、ブルドッグやカメにまで及んでいるのです。気の毒なのは、小道具にされるペットたちですね。
動物から見ると「虐待」になる
動物保護団体「キャッツ・プロテクション」(Cats Protection)では、ペットへの悪影響を心配しています。同団体のダニエル・ワレンークミングズさんは「人間の楽しみのために、動物に不必要な恐怖や不安、ストレスを与えたり、痛い思いをさせたりする行為」と批判的です。
「とくに猫は、振り回されることで強烈なストレスを感じやすいし、ケガをすることだってあるのです。投稿された映像を見ると、猫たちは明らかにいやがっています。ところが自称『愛猫家』の人々は、その姿を『かわいい』とか『おもしろい』などとコメントしているのですから、困ったものです」と彼はいいます。
「動物が人間と同じように感じたり行動したりするのではない、という事実を投稿者が理解していないのは明らかです。猫たちの苦痛は相当なものでしょう。たとえ短時間でも、こうした行為は倫理に反するし、やめるべきです」
「英国では、2006年動物福祉法に定める『不必要な虐待行為』に相当するため違法です。決して行わないでください」とダニエルさんは警告しています。
子猫やアライグマも対象に
ヒット曲「オーガスト」は、スウィフトのアルバム「フォークロア」に収録されたもの。彼女は大の猫好きなので、猫を振り回すというファンのアイデアも、そこから生まれたのは確かです。
ファンたちはおでこにスマホを貼り付け、ペットを持ち上げて振り回す様子を撮影しています。なかには「流行っているから。ぶっちゃけで、やっちゃったよ」というキャプション入りで幼い白猫を振り回している映像もあります。
これに対して「どうやってうちのイングリッシュ・ブルドッグを振り回そうかな」とコメントする人や、「子猫だとわかって、叫んでしまいました」という人、「ハハハ。小さな足がブラブラするのがいいね」と笑う人までいます。
ペットのアライグマを持ち上げて、ダンスする人まで現れました。ビデオでは、ケージからつかみ出されたアライグマが、前足から下を振り回されています。コメント欄には「これまでに82匹の猫、6頭の犬、カメ1匹とニワトリ1羽、人間ひとり、そして今回はアライグマの振り回し映像を見たわ」との感想までありました。
「やり過ぎビデオ」には困ったものですね。
※編注:このような行為は猫にとって苦痛になるものです。決して真似しないでください