『麦わら猫』って知ってる?3つの特徴や性格、飼い方などを徹底解説!

『麦わら猫』って知ってる?3つの特徴や性格、飼い方などを徹底解説!

猫には多種多様な色柄があり、この色柄が猫の魅力だと感じている猫好きさんも多いようです。猫の色柄の中でも特に珍しいといわれている「麦わら猫」をご存知でしょうか。さまざまな色柄の中でも特に出現率の低い色柄の猫なので、出会いたくてもなかなか出会えません。麦わら猫の特徴や性格、飼い方などをご紹介します。

「麦わら猫」とは

仲良く眠るキジブチ猫と茶猫

猫の色柄にはさまざまな種類がありますが、それらの呼び方についてもさまざまな名称が使われています。

例えば、黒い色の比率が多い黒二毛猫を「サビ猫」と呼んだり、茶色の比率が多い黒二毛猫を「べっ甲猫」と呼んだりすることがあります。

そのような呼び名の中に、「麦わら猫」と呼ばれる猫がいます。

麦わら猫とは、英語で『Brown Patched Tabby(ブラウンパッチドタビー)』と言い、縞模様が出ているキジトラにパッチワークのように茶色(オレンジ)が入っている猫です。なかなか見られない珍しい模様のため、好んで麦わら猫を探される愛好家もいらっしゃるようです。

「麦わら猫」の特徴

サビ猫

「麦わら猫」を日本に多い猫の色柄に当てはめてみると、『キジ二毛』に該当します。この場合、縞模様はキジの部分に出ていることがポイントになります。

東京都の猫で調べたあるレポートでは、キジ二毛の割合はたったの3.2%でしたので、かなり珍しい模様だといえるでしょう。

ではここからは、この「麦わら猫」の特徴を性格、飼い方などと合わせて解説します。

1.黒と茶の両方が出ている

麦わら猫に関してよく言われているのが、『キジ猫と麦わら猫を間違えることが多い』ということです。

キジ猫の毛はすべて先端から根元にかけて黒、茶、黒のしま模様であるいわゆる「アグチ毛」なので、厳密に言えば黒と茶があります。

しかし、遺伝子的には茶色の毛を発現する優性のO遺伝子を持っていません。キジ模様の部位だけではなく、しっかりと茶色い毛の部位もあることが、麦わら猫の特徴になります。

2.キジの部分に縞模様が出ている

麦わら猫の特徴の一つが、黒い縞模様です。ただし、茶色の部分ではなくキジの部分に縞模様が出ていることが、麦わら猫の条件になります。

したがって、サビ猫やべっ甲猫と呼ばれる黒二毛猫は、黒い部分に縞模様が出ないため麦わら猫には該当しません。

3.基本的に全てメス猫である

以下でも説明しますが、基本的に麦わら猫はすべてメスです。ただし、性染色体異常で生まれた見かけ上オスの麦わら猫が、稀に存在します。

「麦わら猫」の性格や飼い方

餌をもらう子猫

一般的に、麦わら猫は警戒心が強くて慎重であり、臆病ゆえに気が強く見えるような行動を取るもものの、普段は落ち着いている猫だといわれています。

ただし、猫の性格は遺伝だけで決まるものではなく、子猫時代の過ごし方やその後の経験などで大きく変わってきますので、あまり先入観を持たずに素直な気持ちで向き合う方が良いでしょう。

また、麦わら猫だからという理由で、特別な飼い方が必要になるということはありません。普通の猫たちと同じように、毎日必要なお世話をしながら、適度な距離感を保った上で信頼関係を深めていくようなスキンシップを積み重ねていけば、良い関係を構築できるでしょう。

ただし、オスの麦わら猫には生殖能力がありませんので、繁殖目的での飼育はできません。

日本に多い猫の色柄のさまざまな種類について

さまざまな模様の猫

では最後に、日本に多い猫のさまざまな色柄の種類について確認しておきましょう。こちらについて理解できれば、麦わら猫も上手に見分けることができるかもしれません。

毛色の違い

猫の毛を1本ずつ細かく観察してみると、あることに気付くと思います。

それは、1色だけの毛と、1本の毛が黒・茶・黒の3層になっている毛があるということです。この3層になっている毛を「アグチ毛」といいます。

「白猫」「黒猫」「茶猫」の毛は、すべて1本の毛が1色ですが、「キジ猫」の毛は、全てがアグチ毛です。

トラ猫、ブチ猫

キジ猫や茶猫は、体に背骨から直角方向への縞模様が出現することが多いです。このような縞模様の猫は「トラ猫」と呼ばれることが多く、キジ猫はキジトラ、茶猫は茶トラと呼ばれることもあります。

また、体の一部に白い色が出ている猫は「ブチ猫」と呼ばれ、黒と白は「黒ブチ」、茶と白は「茶ブチ」、キジと白は「キジブチ」と呼ばれます。

複数色の猫

黒と茶、キジと茶が同時に出ている猫は「二毛」と呼ばれ、「黒二毛」「キジ二毛」と呼ばれます。

また、二毛に白い色が入っている猫は「三毛」と呼ばれ、「黒三毛」「キジ三毛」と呼ばれます。

色と柄を決める遺伝子

猫の色と柄は、細胞の中の染色体にある遺伝子で決まります。猫は19対(38本)の常染色体と、1対(2本)の性染色体を持っています。染色体は、父親と母親のそれぞれから受け継がれるため、必ずペアで存在するのです。

猫の毛色や柄にはたくさんの遺伝子が関わっていますが、その殆どが常染色体に存在しています。しかし1つ、性染色体に存在している遺伝子があります。それは、毛の色を茶色(オレンジ)にするO遺伝子です。

オスの性染色体はX染色体とY染色体が1本ずつで構成され、メスの性染色体は2本のX染色体で構成されていますが、O遺伝子はX染色体に存在しています。そのため、オスはO遺伝子を1つしか持ちませんが、メスはO遺伝子を2つ持つことになります。

O遺伝子がO(オス)またはOO(メス)の場合は優性となり毛の色が茶色になりますが、o(オス)またはoo(メス)の場合は劣性となり、毛の色は常染色体にある他の遺伝子によって黒、キジ、白、黒ブチ、キジブチになります。そしてOo(メス)の場合は、体のある部位にはO(茶)が、別の部位にはo(黒またはキジ)が出るのです。

このため、同時に黒やキジと茶の色が出ている二毛や三毛の猫は、すべてメスになります。ただし性染色体異常により、二毛や三毛なのに体の作りはオスという猫も、稀に生まれます。ただし、彼らには生殖能力がないといわれています。

まとめ

麦わら猫

犬と比べると猫は品種数が少なく、また品種間の違いも犬ほど大きくありません。しかし、何と言っても猫の色と柄の多彩さは、魅力の一つだといえるでしょう。

中には「三毛猫好き」や「茶トラ猫と暮らしたい」など、パートナーとなる猫を色柄で選ぶ方もおられます。

もし「珍しい色柄の猫に会いたい」のであれば、麦わら猫を探してみるのも楽しいかもしれません。

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