猫が死んでしまう『危険植物』5選 誤飲・誤食してしまったときの対処法

猫が死んでしまう『危険植物』5選 誤飲・誤食してしまったときの対処法

猫にとって危険な植物と言えばネギ類が有名ですが、他にも猫の命に関わるような「危険植物」が存在します。そこで今回は、猫が死んでしまう「危険植物」の中でも、家に飾りやすい植物をご紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

️1.デルフィニウム

デルフィニウム

キンポウゲ科のデルフィニウムは、猫にとって危険な植物です。

デルフィニウムは花束にもよく使われる植物で、切り花でもドライでも人気のある青い花弁の美しい花です。

しかし猫が誤って食べてしまうと、含まれるアルカロイドにより、嘔吐・神経麻痺・痙攣などの中毒症状を引き起こし、食べてしまった量や個体の感受性によっては死に至る危険性があります。

花、茎、根など全てに毒を持っています。人間も危険ですが、猫の方が事故としては多いようです。

️2.ツツジ・シャクナゲ

シャクナゲを見る猫

ツツジ・アザレア・シャクナゲなどツツジ科の植物は、猫にとって危険です。

ツツジ科特有の成分である、ジテルペンのグラヤノトキシン類が中毒症状を起こします。誤って口にすると、嘔吐・下痢・流涎やけいれんなど、程度がひどい場合はを引き起こし死に至る危険性が高いです。

切り花としても鉢植えとしても家に飾りたくなりますが、猫のいるご家庭では絶対に飾ってはいけません。

️3.ホオズキ

鉢植えのホオズキ

ナス科のホオズキも、猫にとって危険な植物です。

美しいホオズキですが、猫が口に含むと嘔吐・下痢・腹痛・呼吸困難だけでなく麻痺やけいれんなどを引き起こす可能性があり、命の危険に関わります。

特に、しっかりと成熟していない状態の果実や葉に、α型ーソラニンやアトロピンなどの有毒成分が含まれています。

️4.ランタナ

自生するランタナ

クマツヅラ科のランタナも、猫にとって危険な植物です。

温暖化が進み、あちらこちらに野生化して自生しているランタナで見ることも多いでしょう。

ランタナの緑色の未熟な果実と葉っぱには、有毒成分ランタデンA、B、Cが含まれています。これらによって嘔吐・下痢・視覚障害・呼吸困難・昏睡を引き起こし、死に至ることがあります。

️5.ユリ類

ユリの匂いを嗅ぐ猫

ユリ科の植物は、とくに猫にとって危険です。

ユリは全体、特に葉が危険と言われています。しかし、有毒成分がはっきりとしていません。ユリを活けていた花瓶の水でも中毒を起こす危険性があると言われているため、注意が必要です。

誤って口にすると、嘔吐・食欲不振・腎不全を引き起こし、死に至る危険性が高いです。

花束としても重宝されるユリですから、プレゼントとしていただく機会も多いでしょう。しかし、ユリは毒性だけではなく花粉も落ちやすく匂いも強いため、注意が必要です。

️猫が「危険植物」を誤飲・誤食してしまったら?

病院で診察を受ける猫

今回紹介したような猫にとっての「危険植物」を、猫が少しでも口に含んだ場合は、すぐに病院を受診してください。

猫は消化できる機能が人間とは異なります。うっかり様子見をしてしまうと、猫が死に至る危険性が高まります。

たとえなにも症状が出なくても、必ず動物病院に連れていき、獣医師の診断を仰ぎましょう。

️まとめ

鉢植えの匂いを嗅ぐ猫

猫が死んでしまう『危険植物』についてお伝えいたしました。

猫は完全肉食動物です。雑食動物や草食動物とは異なり、そもそも植物を消化する機能が強くありません。そのため、毒性のない植物以外は、絶対に家の中へ持ち込まない方が良いです。人間にとって毒性のある植物も、勿論のこと猫にとっても危険と思ってください。

毒性のない植物も、大量に食べたり、硬いものだったりすると消化器へ大きな負担を与えて、消化器トラブルにつながることも多いです。誤食を招く可能性のあるものは、愛猫の行動管理や配置の工夫をしてトラブルを予防する必要があります。

猫の健康は、一緒に暮らす人間がしっかりと管理しなければなりません。実物の家への持ち込みは危険と思われるものは、写真・本・インターネットなどでのみ楽しむ事にしましょう!

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