猫の『活動量が減少』する要因4つ 受診すべき危険ラインとは

猫の『活動量が減少』する要因4つ 受診すべき危険ラインとは

猫の活動量は元気を測る指標です。活動量が減少するときは何らかの要因があり、問題のないものもあれば危険なケースもあります。愛猫の健康を守るために、その代表的な要因と危険の有無を確認しましょう。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.老化

シニア期の猫

子猫から成猫になると、猫の見た目は大きい変化がなくなります。一般的に猫は7才を過ぎたら中高年期に入るものの、容姿はまだまだ若い雰囲気。12才ころまでは外的変化もほとんどないため、老化の判断がしにくいものです。

そんな猫の老化のサインのひとつが、活動量の減少。爪とぎや運動をする時間が少なくなり、おもちゃへの関心も薄くなるなど、以前より活動量が減ってくるのです。シニア期になると、人間と同じで猫も食欲減退や筋肉も衰退します。そしてそれに伴い、活動量が減ります。

加齢による活動量の変化は生理的な変化として一般的に起こることですが、愛猫が中高齢であるのであれば一度動物病院で健康チェックをするのがおすすめです。これをきっかけに、定期的に健診を受けるとよいでしょう。

2.病気やケガ

ケガをしている猫

猫は、体調が悪いときにも活動量が減ります。大好きなオモチャやおやつを見せても目を輝かせない場合は、病気がケガを疑ってみましょう。

たとえば活動量の減少につながる病気は、腎臓の病気、消化器系の病気、腫瘍、貧血などの全身性の疾患等様々なものが考えられ、ケガの場合は、噛み傷やひっかき傷が化膿している場合もあります。

また意外にも、猫は捻挫もします。高いところからとびおりたときに捻挫もしくは骨折することがあるため、歩き方を見て様子がおかしい場合は、動物病院に連れていきましょう。

3.誤飲や中毒症

吐きそうな猫

猫は誤飲が多い動物です。そのため、誤飲によって体調が悪くなったときも、活動量が減ります。

たとえば猫の好奇心をそそるような「輪ゴム」や「糸」、「ビニールの切れ端」は、猫の誤飲ランキングでは常に上位に位置しています。胃で消化できないものの場合、腸閉塞につながるおそれがあるため、最悪の場合手術で取り出すことがあります。もし活動量が急降下した場合は、誤飲も疑ってみましょう。

また「猫にとって中毒性のある食べ物」を誤食している場合も活動量が減ります。たとえばチョコレートや玉ねぎ、ブドウなどが該当しますが、中毒を起こし得る物質はたくさんあります。

人間にとっては美味しくても、猫には毒である食べ物がこれら以外にもたくさんあり、中には命に危険がおよぶケースもあります。中毒物質と気付かずに口にしてしまうケースも多い為、疑わしい場合は速やかな受診が必要です。

猫の活動量が急に減少し、かつヨダレや嘔吐などが確認された場合は、このような食べ物を口にしてしまった可能性も考慮し、早急に動物病院に連れていきましょう。

4.ストレス

覇気のない猫

猫は環境の変化に敏感なので、引っ越しや新入り猫の加入などでも、ストレスを感じます。

猫のストレスサインの中には眠り続けることや食欲不振などの活動量の減少も見られることがあります。そのため、猫の元気のない場合は、その原因として猫がストレスを感じている可能性についても疑ってみましょう。

ストレスが長引くと、猫の体に病気や体調不良を招いてしまいます。もし嘔吐や下痢、食欲不振など体への悪影響が見られたときには、一度、獣医師に相談することをおすすめします。

まとめ

ぐったりする猫

猫の活動量が減少したとしても、その現象の仕方が急降下したのか、またはゆるやかに減ったのかで判断が変わります。

心配なのは、活動量が急激に減ったケース。前日と明らかに違うときには、病気やケガを疑ってみましょう。長期に渡って減少したままであることや、あわせて食欲減少や排泄の変化、体重減少があった時も要注意です。

一方、飼い主さんが気づかないほどの徐々な活動量減少ならば、急を要するほどではありません。

ただし、ストレスか加齢でジワジワ病気になっていることも考えられるので、食欲不振、嘔吐、下痢や寝たきりなど、少しでも気になる症状がみられる場合は、動物病院に連れていくのが安心ですよ。

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