猫好きな人ほど猫に懐かれない!?
元々人によく懐いており、不特定多数の人と交流できる猫が相手なら別ですが、一般的には、猫好きな人はなかなか猫に懐かれず、不慣れでも猫に興味がない人ほどすぐに懐かれる傾向が見られます。
我が家に遊びに来た幼い甥は、一緒に遊びたくて猫を追いかけ回した挙げ句、威嚇され嫌われてしまいました。その甥が成人して同じ猫と再会した際、甥を覚えていた猫は会った途端に威嚇して身を隠し、帰るまで姿を現しませんでした。あの時の甥の悲しそうな顔は、今でも忘れられません。
頻繁に我が家に来ていた両親の場合、猫と遊びたがってちょっかいをかけてばかりいた父にはなかなか懐かず、猫に何の興味も示さなかった母にはすぐに懐きました。自分から母に身を寄せていった猫を見て、父がやきもちを焼いたことも忘れられません。
猫が人に懐かない原因をきちんと理解できれば、懐いてもらうための秘訣が分かるに違いありません。猫が人に懐かない原因と懐いてもらうための秘訣を探っていきましょう。
「気まぐれな猫」が懐く秘訣
ここからは、「きまぐれな猫」が自然と懐いてくれるための秘訣を探っていきましょう。
1.警戒心が解けるまでは無関心を装う
どんなに警戒心が強い猫でも、場所や人には少しずつ慣れていきます。安全な場所、自分に危害を加えない人だと分かれば、警戒心も解いてくれます。
ただししっかりと慣れてくれるまでは、必要最低限のお世話にとどめ、できるだけ猫に対して無関心を装いましょう。
2.いつでも沈着冷静に振る舞う
感情に流されて乱暴な振る舞いを見せないよう、猫の前ではいつでも沈着冷静に振る舞うことが大事です。
普段からオーバーリアクション気味の方や地声が大きい方は、特に注意が必要です。ドアを勢いよく閉めるなどの大きな音を立てる行動も控え、早く環境に慣れさせましょう。
3.猫が嫌うニオイは身に着けない
猫が嫌うニオイは遠ざけましょう。人にも強いと感じられる程の香水や、タバコのニオイが染み付いているような人は、猫から嫌われやすいといわれています。
なお、タバコは猫に対する発がんリスクを高める成分を撒き散らしますので、これを機に禁煙することをおすすめします。
4.嫌がるお手入れは少しずつ行う
まだ懐いてくれないうちは、嫌がるお手入れは少しずつ行いましょう。例えば爪切りや歯磨きは、1日に1本ずつ行うことで、少しずつ複数日をかけて100%を目指します。こうすることで、猫へのダメージを抑えながらお手入れできます。
5.警戒心が解けたら積極的に遊びに誘う
猫の警戒心が解けてきたら、積極的に一緒に遊びましょう。猫じゃらしなどを上手に操り、獲物に見立てて狩りをさせます。1回15分程度で構いません。
この遊びは猫の好奇心を刺激しながら狩猟欲求も満たし、猫のストレスを発散させながら飼い主さんとの絆を深めます。
6.懐かれた後もしつこくしない
猫がどうにか懐き始め、甘えに来たときには速やかにそれに応えましょう。そして、懐いてくれた気持ちを持続させ、さらに絆を深めるために重要なのが「しつこくしない」ことです。
気持ち良さそうに撫でられていたのに、突然シャーッと威嚇して逃げ出したりするため、猫は気まぐれだといわれています。恐らく猫は「もうやめて」のサインを既に出しています。それに気づかなかったので威嚇されてしまったのでしょう。
猫の「やめてスイッチ」を瞬時に察知できるようになることが、気まぐれに見える猫と上手に付き合う秘訣です。
7.嫌な記憶は良い記憶で書き換える
一度嫌な思いをすると、猫はそのことをいつまでも忘れません。それが、危険から身を守る処世術なのです。
しかし、嫌な記憶は良い記憶で上書きできます。嫌な事を我慢できたらすぐにご褒美を上げましょう。動物病院や嫌いなお手入れなど、いろいろなことに応用できます。
8.猫のボディランゲージを学ぶ
猫に懐かれる秘訣は、嫌な思いをさせずに上手に付き合えるようになることです。そのためには、猫の仕草や様子などから気持ちを読み取れるようになることです。猫の行動や習性を解説している書籍を読んだり普段から愛猫をよく観察したりして、努力を続けましょう。
「きまぐれな猫」が懐いてくれない原因
きまぐれな猫が懐く秘訣がわかったところで、懐いてくれない場合の原因も確認しておきましょう。
警戒心が強い猫の性格
猫は名ハンターであると同時に、自らも狙われて餌食になってしまう可能性のある小さな動物です。そのため、とても警戒心が強く臆病です。見知らぬ人や、まだよく知らない人にはなかなか警戒心を解きません。
猫が脅威に感じる振る舞いをしている
臆病な猫は、人の何気ない仕草も脅威として受け止めてしまいます。人は猫の十数倍も体が大きいため、当然かもしれません。
日頃からオーバーリアクション気味の人や、太くて大きい地声の人などは、普通に過ごしているだけで恐れられてしまう可能性があります。
猫の繊細な嗅覚
猫には、ニオイを感じるための細胞が人の二倍あり、微妙なニオイを嗅ぎ分ける能力は人の数万倍以上だともいわれています。そのため、人には心地良く感じられても、猫には刺激が強すぎることがあります。
また人にとっては良い香りでも、猫には不快な場合もあります。
嫌なことをされたトラウマがある
相手に悪意があろうがなかろうが、嫌なことをする人に対して嫌悪感を抱くのは、人も猫も同じです。
まだ信頼していない人にしつこく構われたり、爪切りなどの嫌いなお手入れをされたり、動物病院に連れて行かれて痛いことをされたりすれば、敬遠されるでしょう。
まとめ
猫が好きだ、仲良くなりたいという自分の気持ちを押し出しすぎれば、猫からは嫌われます。そんな自分本意な行動をする人は、猫にとってはストーカーと同じです。
猫の気持ちを優先して行動できれば、臆病で気まぐれな猫も気を許し、信頼してくれるようになるでしょう。