1.エリザベスカラーを着ける
猫が傷口を舐めすぎてしまうときの対策として有効なのが、「エリザベスカラー」です。襟巻きとかげのような大きな襟を、首回りに装着することで傷に口が届きにくくなるため、舐め壊しを防ぎます。
こちらはかなり確実な方法ではありますが、猫が思うように毛づくろいができずにストレスを感じてしまう可能性や、首周りの違和感によって摂食や排泄等の日常的な行動が取れなくなる可能性があるため、どうしても必要なときにのみ使用するが良いようです。
なお、エリザベスカラーの素材はいろいろ選べるので、なるべく愛猫に合った素材のエリザベスカラーを選んであげましょう。
(猫にストレスを感じさせてしまうのなら、着けない方がよいのでは…?)と思うかもしれませんが、傷口を舐め壊してしまい、いつまでも治らない方が猫に辛い思いをさせてしまいます。傷がしっかりと治るまで、しばらくは猫も飼い主さんも我慢が必要のようです。
2.術後服を着せる
不妊手術やその他の要因でできた傷口などを保護するための「術後服」もあります。
首と四肢、しっぽは出ていますが胴体はすっぽりと覆うデザインになっているため、傷が確実に保護できるようになっているのです。市販の術後服もありますし、手作りをする飼い主さんもいます。
エリザベスカラーとどちらがよいか、というと、術後服の方が自由に動けるため、猫のストレスは軽いようです。ただ、術後服は傷口を噛んでしまう可能性があるのと、服を嫌がる猫には向いていない、というデメリットがあります。いずれにするかは、愛猫の性格を鑑みて選ぶと良いでしょう。
3.かかりつけ医に相談する
愛猫がどうしても傷口を舐めてしまう場合は、かかりつけの獣医師に相談してみるのもひとつの方法です。
傷の状態によっては、「エリザベスカラーなどを着けなくても大丈夫」と診察で判断されることがあるでしょう。しかしそれでも、猫は気になってずっと舐めてしまう、というケースもあるのです。
そのようななときは、改めてかかりつけの獣医師に相談してみるとよいでしょう。
4.ネックカラーを着ける
ネックカラーとは、幅の広い首輪のことです。エリザベスカラーと併用します。エリザベスカラーを着けた状態で首の根本に、ネックカラーを着けて可動域を制限するのです。
このネックカラーは、実は段ボールや厚紙などを使用して作ることもできます。猫にはストレスを感じさせてしまうかもしれませんが、かなり鉄壁の防御ができるでしょう。
傷口が足先にあるときは、エリザベスカラーをしていても猫の口先が届いてしまう場合があるため、そのようなときはこの合わせ技が有効です。
しかし、上手に外して破壊をして誤食してしまうなどの危険性もあるため、その子の性格や普段の行動を見ながら使用を検討すると良いと思います。
猫が傷口を舐めすぎてしまうと?
実は唾液には傷口を消毒する成分が含まれており、舐めると傷の治りが早くなる、という実験結果があります。大抵の動物はこれに当てはまるのですが、残念ながら猫の場合は、当てはまらないのです。
なぜなら、舌がザラザラしているから。猫が傷口を舐めるとそのザラザラにより、更に傷が深くなってしまう可能性があるのです。また、せっかくのもふもふな被毛も、舐めることで禿げてしまうかもしれません。
また、猫の口腔内には多くの雑菌が存在します。傷口から細菌が感染を起こして化膿してしまう危険性があります。
そのため、猫が傷口を舐めるのを防ぐ必要があるのです。
まとめ
猫は体の部分で気になることがあると、とにかく舐めて解消しようとする傾向があります。飼い主さんが止めても、見えないところでこっそりと舐める場合もあるでしょう。
そのため、傷の状態の悪化を防ぐためにも、適切な対処が必要です。
かかりつけ医と相談しつつ、愛猫に合った方法を見つけてあげてください。