夏に増える猫の「食中毒」の症状とは
食中毒の中でも細菌による食中毒は、人と同じく猫でも発生するリスクが高温多湿な夏に高まる食中毒です。
猫の食中毒でよくみられる症状は、以下の3つです。
1.嘔吐や下痢
細菌による食中毒では、食品中で増えた細菌や細菌が産生した毒素によってお腹を壊すことで起きる、嘔吐や下痢などの消化器症状がよく見られます。血便が見られることもあります。
健康な猫でもフードの吐き戻しをすることは珍しくありませんが、継続的に吐いたり、回数が多かったり、下痢もしているなどの場合は、食中毒を含めた消化器系の異常が起こっている可能性を疑いましょう。
2.元気がなくなる
下痢や嘔吐によって体の水分が過剰に排出されてしまうと脱水を起こし、元気もなくなっていきます。暑い季節は、脱水していると熱中症にもかかりやすくなりますのでより注意が必要です。
3.体の熱が高い
細菌による食中毒を起こすと、猫の体温が高くなることがあります。
普段から猫の耳を触っていつもどの位の熱さなのかを把握しておき、猫の体調に異変を感じた時には普段より熱くないかどうか確かめられるようにしておくといいですね。
食中毒の原因と対処法は?
細菌による食中毒には、「サルモネラ菌」「ブドウ球菌」「大腸菌」などによるものがあります。また食中毒ではなくても、細菌によって腐敗したフードを食べて消化器症状を起こしたり、カビが生えたフードを食べてカビ毒による中毒を起こす可能性も考えられます。
「ウェットフード」よりも水分の少ない「ドライフード」のほうが傷みにくいですが、高温多湿な時期はドライフードにも注意が必要です。置き餌をしている場合、猫が一部を口にしたフードを長時間置きっぱなしにしていると食中毒や腐敗の危険性が高まります。
猫を食中毒から守るための対策としては、「残ったフードを置きっぱなしにしない」「食器はこまめに洗う」を守りましょう。ウェットフードは置いてから30分程度、ドライフードは1日経ったら片付けてしまいます。
また、新鮮なフードを猫に与えていても、食器に付着して増えた細菌が食中毒の原因となることもあります。食器は、フードを与える度に毎回きちんと洗剤を使って洗いましょう。
お手入れのしやすさや傷のつきにくさを考えると、汚れが落ちやすく熱湯消毒も可能な陶器素材の食器を使うのがオススメです。
飲み水も細菌によって汚染されます。継ぎ足したりせずに、こまめに取り替えてあげましょう。そして、お水用の食器も洗剤を使って、最低でも1日に1回は洗いましょう。
まとめ
たとえフードが腐っていないとしても、猫も細菌による食中毒を起こす可能性があります。「まだ食べられそうだから」「フードが残っているから」と安易に置きっぱなしにしたフードや適切に保存されなかったフードを食べさせてしまうと、食中毒を起こしてしまうかもしれません。
夏のような高温多湿な季節はそのような危険性が高まりますので、いつも以上にフードの保管場所や与え方、食器のお手入れに配慮し、猫の衛生的な食事環境を維持してあげたいですね。