猫に『ハッカ油』は猛毒!2つのNG行為と理由を解説

猫に『ハッカ油』は猛毒!2つのNG行為と理由を解説

私たちの身近に「ハッカ」という名前をよく見かけますよね。アロマの一種としてとりあげられることもある「ハッカ油」ですが、実は猫にとって大変に危険なモノなのです。今回は、猫には猛毒である「ハッカ油」でのNG行為とその理由を解説します。

SupervisorImage

記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

️1.アロマオイル(精油)として焚くのはNG

焚いているディフューザと猫

アロマオイルの精油は通常の何倍もの濃度に凝縮されています。そのため、精油類の代謝が得意でない猫にとっては、少量であっても問題が出てしまいます。それは「ハッカ油」も同様です。

人間と猫では体重が10倍以上異なります。人間には問題がない量でも、猫にとっては10倍以上の影響を及ぼすのです。

その上、呼吸だけではなく、グルーミングによっても被毛に付着した高濃度の成分を体内に取り入れてしまいます。通常でも多い量を、より多く取り込んでしまうのです。

️2.薬として使うのはNG

ハッカとハッカ油の瓶

さまざまな薬効があるハッカ油ですが、猫と暮らしている場合は使ってはいけません。

純度の高いハッカ油は、人間の皮膚に直接触れれば炎症を起こさせるほど強い力を出します。少し濃度を薄くしても、猫には劇薬濃度であることは間違いありません。揮発した成分だけではなく、人間の皮膚を舐めた時に体内に取り込んでしまいかねません。

️猫にとって「ハッカ油」が危険な理由

診察される猫

猫は植物全般の代謝、とくにハッカ油に含まれている成分の解毒が苦手です。

猫は、人や犬のような雑食動物ではなく、実は完全肉食動物です。雑食動物と肉食動物では代謝機能が異なるため、猫は植物の代謝が苦手とされています。そのため、必要最小限の植物しか体内に取り込みません。

また、シソ科ハッカ属植物の茎や葉で作られたハッカ油は、リモネンと似た構造であるモノテルペンを持つメントールが含まれています。猫はこのモノテルペンを解毒処理して体外排出する事がほぼできません。そのため体内に有毒成分を溜めてしまい、中毒症状を起こしてしまう可能性があるのです。

モノテルペン自体はマタタビや針葉樹など他の植物からも検出されており、全ての植物で必ずしも中毒を起こすとは限りませんが、ミント類の中でもハッカは特に含有量が多いことから、猫のいる家庭での使用は避けるべきでしょう。

もしハッカ油を含んだ製品を使用した結果、猫によだれ・嘔吐・下痢・食欲がなくなる・元気がなくなる・皮膚の炎症などのような中毒症状が見られたら、時間をおかずにすぐに病院を受診してください。

なお、ハッカ油のせいで必ずしも中毒を起こすとは限りませんが、必ず病院を受診して原因を突き止めた方が良いでしょう。また、猫によって発症期間に差があるようなので、一見大丈夫そうでも危険な場合がありますので、まずは猫のいる場所で「ハッカ油」の使用は避けた方が良いでしょう。

️まとめ

ハッカの向こうにいる猫

猫に『ハッカ油』は猛毒!2つのNG行為と理由を解説についてお伝えいたしました。

今回の内容で、ハッカ油は猫にとって非常に猛毒だということをご理解いただけたでしょうか。

いずれにせよ愛猫の健康を守れるのは一緒に暮らしている私たちだけです。

今回のハッカ油のように、人間にとって快適なものでも猫にとっては猛毒の場合もありますので、日頃から細心の注意を払って暮らしていかなければなりませんね。

スポンサーリンク