猫の『サマーカット』のメリット3選 注意すべきデメリットと必要な猫種も解説

猫の『サマーカット』のメリット3選 注意すべきデメリットと必要な猫種も解説

犬がよく行っているサマーカットは、猫にもすることができます。暑さ対策として、どのように有効なのでしょうか?またデメリットはあるのでしょうか?じっくりと見ていきましょう。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

️️1.被毛内の通気性が良くなる

サマーカットをした猫

サマーカットをすると被毛内の通気性がよくなり、暑さと湿気がこもりにくくなります。

猫は肉球など身体の一部分にしか汗をかけないため、皮膚での体温調節はほとんどできません。暑い時は、できるだけ涼しい場所で過ごそうとします。しかし豊かな被毛によって熱がこもりやすい場合、サマーカットで通気性をよくしてあげる必要があるかもしれません。

また、豊かな被毛内に湿気がこもると皮膚病につながることがありますが、サマーカットをすることでそれも防げるでしょう。

️2.皮膚トラブルを見つけやすい

かゆそうな猫

被毛によって隠れている皮膚トラブルは、サマーカットによって予防できるだけではなく見つけやすくなります。

猫は我慢強く弱みを見せたくないと考えるため、痛みを人間に見せずに隠そうとします。猫に触れようとして威嚇をされるので調べてみて、初めてトラブルや痛みに気がつく、ということもあります。

いつもはフワフワの被毛に覆われている猫も、サマーカットにすることで、ちょっとした怪我や皮膚炎を見つけやすくなります。

️3.長毛種の毛球症予防になる

抜けた多量の被毛

サマーカットは、猫がグルーミングで体内に取り入れてしまう被毛量を少なくする効果があります。

長毛種も短毛種も、抜ける被毛の量にはあまり変わりはありません。しかし、被毛が長い分、長毛種は短毛種よりもお腹の中で毛球が作られやすくなります。

毛球症の予防は一般的にブラッシングによって行うことができますが、サマーカットも毛球症予防に有効な方法でしょう。

️猫の「サマーカット」で注意すべきデメリット

バリカンでカットされる猫

ここまで猫の「サマーカット」のメリットをご紹介しましたが、もちろんデメリットも存在します。

被毛が薄くなれば直接紫外線の影響を受けやすくなりますので、暑い時期の強い日射しには注意が必要です。

さらに、サマーカットを施した後、猫自身が今までと異なる被毛に戸惑うかもしれません。猫がサマーカットされた自分の被毛に慣れることができず、ストレスを溜めてしまう場合もあるそうです。

また毛を短く刈ると、毛質が変わったりなかなか新しい毛が生えてこなくなることもあります。また、サマーカットにする処置自体が猫のストレスになることもあるでしょう。

暑いから、とサマーカットを検討する場合はまず、室温調節で猫が快適に過ごせるようにしてあげましょう。毛球症予防のためにサマーカットを検討する場合は、ブラッシングで死毛除去を行うなどの対策をした上で、それでも効果が不十分ならサマーカットをするかしないかを検討した方が良いでしょう。

猫の性格や体質によってもどの程度メリット・デメリットがあるかは変わってきますので、特に初めてサマーカットにする場合はいろいろな点を含めて検討してあげる必要があるでしょう。

️「サマーカット」をする猫種とは

ブラッシンをする猫

サマーカットが必要になるのは、長毛種の猫でしょう。短毛種でも暑い時期に毛を短く刈ることがありますが、暑さや抜け毛対策などにはまずブラッシングを行い、一般的にはそれでもダメな場合にのみサマーカットを検討することになるでしょう。

️まとめ

木に登るサマーカットした猫

猫も『サマーカット』すべき?3つのメリット・デメリットと必要な猫種についてお伝えいたしました。

猫の「サマーカット」は、「可愛いから」などの理由で行うことはオススメできません。

あくまでも猫の暑さや毛玉対策や皮膚トラブルの予防・早期発見のために行うもので、ブラッシングだけでは不十分な場合に検討します。また、サマーカットにする処置自体も猫に無理のない範囲で行う必要があります。

また、よほど慣れていておとなしくやらせてくれる猫以外は、カットは自宅で行わず、トリマーなどのプロの手に委ねる方が良いでしょう。

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