猫が「雨の日」によく寝る理由
『猫は雨の日によく眠る』という説がありますよね。これは本当です。「確かに!」と思った飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回は、猫が雨の日によく寝る理由について解説いたします。
1.狩りができないから(体力の温存)
雨の日は、猫の生命線ともいえる狩りができません。次に狩りができる機会がいつ訪れるかが分からない状態で、あちこち動き回るのは猫には危険すぎます。そのため、なるべく動かずに寝ることで体力を温存するのです。
これは、リビアヤマネコとして生きてきた時代から染み付いた本能的な行動です。
現在の家猫は、昔と違って生きていくための狩りをする必要はなくなりましたが、それでも本能的な行動として、雨の日は静かに過ごすことが多くなります。
2.日差しが弱く眠たくなる
人間や猫を含む動物の体は、日光を浴びることで覚醒(メラトニンの分泌を抑制)します。逆に雨の日は、メラトニンが放出された状態が続きやすいので、眠りに誘われてしまうのです。
「雨の日は何となく眠いなぁ」と感じる理由が、まさにこれです。猫の体にも同様のことが起きています。
3.低気圧による体調不良
気圧の変化に敏感な体質を持っている人がいるように、猫も気圧の影響を受けることがあります。雨の日は気圧が下がるので、コンデションが悪くなりやすいのです。
低気圧の日はただ眠たくなるだけではなく、体が重だるくなります。猫の場合は、「そういう時はおとなしく過ごすのが安全」と考え、活動を控えるのです。
4.酸欠になりやすい
低気圧が原因で酸欠を招くこともあります。酸欠になると、貧血のように疲れやすさを感じやすくなります。
猫の場合は、やはり本能に基づいて無理をしない選択をするのです。
5.ヒゲのセンサー能力が低下する
猫のヒゲにはセンサーの役割があります。しかし、雨によって湿度が上がるとその能力が低下します。
実は、猫が顔を洗うと雨が降るというのも本当で、繊細なヒゲが湿度を高まりをキャッチしているのです。
センサーの働きが弱まるということは、身に迫り来る危険を回避できない恐れがあるので、安全な場所でのんびり過ごすように心がけています。
まとめ
猫が雨の日に寝て過ごすという習慣は、実在するものでした。
その理由は、眠りに誘われる要素があったり、コンデションが悪くなりやすいなどの条件が揃ったりすることに起因しています。
天候の回復と共に普段の愛猫に戻るのであれば、特に心配する必要はありません。むしろ、雨天の時にゆったりと寛げる環境を整えてあげてください。