猫に『マイクロチップ』って必要?気になる装着方法や3つのメリットをご紹介!

猫に『マイクロチップ』って必要?気になる装着方法や3つのメリットをご紹介!

猫に装着する「マイクロチップ」とは、一体どのような物なのでしょうか。詳細やメリットを理解できなければ取り入れることは難しいですよね。今回は、猫に「マイクロチップ」を装着するメリットについて解説します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

️マイクロチップとは?

マイクロチップを持つ指

猫に装着する「マイクロチップ」は、円筒状で大きさが直径1~2mm、長さが8〜12mmの電子標識器具です。各々のマイクロチップには15桁の識別番号が決められています。

マイクロチップを装着して指定登録機関に登録手続きを行うと、猫と飼い主の情報がその機関に登録されます。すると、専用機器によって猫の体内にあるマイクロチップの識別番号を読み取った時、データベース上にある情報とスムーズに照合することができます。

猫のマイクロチップは世界的に広く普及しており、義務付けられている国もいくつかあります。

現在は日本でも、国内のペットショップやブリーダーから販売される猫には、マイクロチップ装着が義務付けられています。

️️装着する手順は?

注射器で施術中の猫

マイクロチップの装着は医療行為のため、獣医師もしくは獣医師の指示の下で愛玩動物看護師が行います。マイクロチップは猫の皮下に埋め込まれるため、装着の手順は予防注射を打つ時と同じです。専用の注射器で、首の背中側の皮下に埋め込みます。

副作用が極力起きないように、表面には動物の体に適合する材質が使われています。正しく装着すれば装着時の痛みは少なく、その後の身体への負担もありません。

マイクロチップを装着した部位での腫瘍の発生やマイクロチップによる脊髄の損傷などの報告がありますが、マイクロチップとの因果関係は断定できなかったり、有資格者ではない人による不適切な装着が原因だったりしている例が多いようです。

生まれてから4週齢くらいから埋め込みをすることができますが、あまりに体が小さい場合にはもう少し待った方が良いでしょう。動物病院での装着にかかる費用は、マイクロチップ代金を含め、およそ数千円から一万円以内です。

マイクロチップを装着した後は、30日以内に指定登録機関へ飼い主情報の登録を行います。装着だけしても登録を行わなければ、猫や飼い主の情報はデータベース上にのらずマイクロチップのメリットを活かすことができません。

令和4年6月1日より、環境省の制度として、購入した猫や新たにマイクロチップを装着した猫のマイクロチップ情報の登録が義務となりましたが、これは以前より行われていた民間団体(日本獣医師会など)によるマイクロチップ登録事業とは異なります。どこにどのように登録すれば良いのか、装着した動物病院に確認してください。

なお、飼い主が変わった時や引っ越しで住所が変わった時、猫の死亡時などには届け出をしなければなりません。万が一のときにマイクロチップが役立つよう、このような登録情報に変更があった際は必ず届出をしましょう。

所有者変更時は、前所有者が持っている登録証明書が必要なため、現所有者は証明書を紛失しないように、新所有者は必ず証明書を受け取るように気を付けましょう。

️「マイクロチップ」のメリットとは

情報から身分が分かる猫

マイクロチップ装着にはメリットがたくさんあるため、猫にもマイクロチップは必要と言えます。では、「マイクロチップ」を装着するメリットには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

1.災害時や逃げてしまった時に見つけやすい

猫が保護施設に収容されたり迷い猫として動物病院に連れて行かれたりすると、必ずマイクロチップの装着を確認されます。

そのような施設には必ず専用リーダーがあり、マイクロチップが装着されていればその番号とデータベース上の登録情報を照合し、身元を特定することができます。登録情報が現状と一致していれば、必ず飼い主を特定できるのがマイクロチップ装着の最大のメリットでしょう。

2.一度の装着で身分証明証は一生

マイクロチップは体内に埋め込まれているため、落としたり無くしたりすることはありません。

首輪も猫の個体識別に役立つことがありますが、猫の安全を守るために首輪がどこかに引っ掛かった時には外れるように作られているものが多くあります。安全性を優先すると、首輪はいざという時に落ちてしまい無くなる可能性が高いのです。

しかし、マイクロチップは落とす危険性がありません。一度の装着で一生涯使うことができます。

3.保険料の割引がある場合も

全ての保険会社ではありませんが、マイクロチップを装着していれば、保険料を割り引いてくれるペット保険の会社もあります。

割引適用が長くなれば、割り引かれた分の保険料がマイクロチップの装着費用と同額かそれ以上になるかもしれませんね。

️まとめ

マイクロチップを取り付けられる猫

猫に『マイクロチップ』って必要?気になる装着方法や3つのメリットをご紹介!をテーマにお伝えいたしました。

装着時の費用負担やマイクロチップの情報を読み取る専用リーダーが必要など、身元特定の方法としてのマイクロチップ装着にはデメリットもあります。しかしメリットも多く、きちんと登録や変更の届出をしておけば、万が一愛猫と離れ離れになってしまった時、愛猫が保護された場合には絶対に飼い主を特定することができます。

物事には良い面と悪い面が両方存在します。猫に対して何をしてあげるのかを選択するのは一緒に暮らす人間です。現在は、販売される猫にはマイクロチップ装着は義務ですが、以前から飼われていてマイクロチップが装着されていない猫に新しく装着するかどうかは飼い主が決めることができます。

マイクロチップの装着方法やメリットを知った上で、取り入れるか取り入れないかを考えてくださいね。

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