1.大家側のデメリットを把握しておく
人だけが居住する家よりも、ペットも暮らす住宅の方が施設が消耗します。よって賃貸物件を「ペット可」にすると、大家さんにとってリスクが生じるのです。
中でも猫は、大家さんからデメリットが多いと認識されている動物です。爪とぎによる壁紙や床材の破損に、糞尿のニオイやそのゴミ、「夜の運動会」や発情期の音や声によるトラブルが想定されますからね。
猫を飼える賃貸物件を探すなら、まず「貸す側にデメリットがあること」を把握しておくのがおすすめ。そうすることで物件の条件に納得ができ、譲歩と必須条件の取捨選択がしやすくなりますよ。
なお「ペット可」といっても、「犬だけOK」「猫2匹は不可」など、細かい条件があるのでご注意ください。大家さんによって条件はそれぞれなので、事前にしっかり細かく確認しておきましょう。
2.築年数や立地条件
物件には基本的な立地条件があり、駅に近い、新築、生活環境や街のイメージなどが人気を左右します。条件が整っていて人気の高い賃貸物件は、何もしなくても常に満室であることが多いというわけです。
そのことから、猫の居住を許可している物件は「人気のない物件」であることも考えられます。たとえば築年数が古かったり、駅から遠かったり…。「猫の飼育可能」という付加価値をつけることで、需要を高めているのです。
猫と暮らすためなら古くても、駅から遠くても大丈夫という人もいますが、住まいは生活の拠点。実際に何度も歩いて、雨天の移動も体験するとよいでしょう。猫砂やドライフードの購入先や、お店からの移動などの動線のほか、動物病院との距離や日当たりのチェックもお忘れ無く。
ただし、猫を受け入れているすべての物件が、人気のない条件とは限りません。最近では「猫と暮らせる」ことをメインコンセプトにした賃貸も登場していますよ。
3.賃料や敷金・礼金の金額
ペット可能の物件は一般的な物件よりも、費用がかかることが多いので、金銭的な確認は重要です。
たとえば、住宅の回復費用や不払いなどに備える「敷金」。猫を受け入れ可能としている賃貸物件は、一般的な敷金に1ヶ月分の家賃が加算されることが多いです。猫がいると、部屋の傷や汚れやニオイなどが懸念されるため、修繕や清掃作業に費用がかかりますからね。
家賃についても、周辺相場よりも割高な家賃設定になっていることもあります。金銭面で生活することが可能か否かを、冷静に考えてから契約しましょう。
また、一旦人間のみで住み始めた後に、しばらくしてから猫を飼うことになったときも要注意。「この賃貸はペットOKだから大丈夫」と安易に考えずに、不動産や大家さんに事前に報告をしましょう。ペットを連れ込むことで発生する費用もあるため、契約違反で損害賠償請求されないようご注意を。
4.猫の生活環境
立地条件や金銭的な課題がクリアになったら、次は猫の目線で賃貸物件をチェックしていきましょう。
最近の賃貸の中には、「猫専用物件」があり、キャットタワーやつめとぎ壁などの猫家具が設置されている部屋もあります。ただし、そうでない物件もまだまだたくさんあるので、猫が安全に暮らせるかの事前確認が必須です。
たとえば、猫が脱走しやすい場所でもある「玄関」ですが、柵の取り付けの可否を確認しましょう。また猫が飛び出していかないよう、リビングドアの有無も重要です。
他にも、ベランダのレイアウトや猫トイレの置きスペースの有無、全室の窓のつくりなども確認しましょう。
基本的に、猫が脱走しにくい物件であること、またその対策が簡単であることが大切です。これに加えて、日当たりや高い場所の確保など、猫が暮らしやすい雰囲気が想像できればよりよいですね。
5.共有部分のチェック
集合住宅であるアパートやマンションには「共有部分」があります。エントランスホールや通路など、集合住宅の入居者全員で使う部分がそれです。
エントランスは清潔に保たれているか、ゴミ出しスペースや通路に、猫砂や衛生用品が散らばっていないかなど、利用状況もチェックしましょう。また近隣住宅とトラブルが発生していないかも気になるところ。猫への苦情の紙が貼られていなかを見ておきましょう。
いくら猫OKの賃貸物件で条件が良くても、集合住宅の入居者のマナーやモラルが悪いと、気持ちよく生活できません。猫との幸せな暮らしのために、入念にチェックしましょう。
まとめ
猫と生活できる賃貸物件が見つかったら、猫と快適に暮らすために事前準備をぬかりなく。
ふすまがあるなら、ふすまや障子は外しておくのがベスト。畳やフローリングの上にはカーペットを敷き、壁には壁紙を保護するシートを貼るなど、事前に対策をしておくと良いですよ。
賃貸物件は、人からお借りしている家ですが、猫にはそんなことは理解できません。飼い主さんが前もって対策をして、トラブルにならない環境作りをしておくと良いでしょう。