大型猫の魅力
猫は、犬とは異なり猫種が違ってもあまり大きさには違いがありません。しかし、まるで中型犬のような存在感を持つ大型の猫種もいます。
太くて大きな足を持ち、がっしりとした骨格と筋肉質な体をしています。体と比べて顔やそのパーツが大きく、まるでライオンのような風格すら感じます。また昔からいる土着の大型猫種は寒冷地原産が多く、長毛種が多いのも大型猫種の特徴です。
猫を体の大きさで分類する基準はありませんが、一般的には体重が3kg程度の猫を小型、4kg程度を中型、5kg以上を大型と呼ぶことが多いようです。大型猫の中には、体長が100cmを越え、体重も10kg以上と、中型猫の倍以上の大きさになる子もいます。
このように、大きくてがっしりした体格の見た目に反して、とても穏やかで優しい性格の猫種が多いのも、大型猫の魅力の一つです。さらに、1年もすればすっかりおとなの体格になる中小型猫に比べ、2〜3年にも及ぶ子猫時代を持つことも、大型猫の魅力の一つです。
では、代表的な大型猫種をご紹介します。
大型の猫種
1. メインクーン
大型猫の代表ともいえるのがメインクーンで、世界一大きいイエネコとしてギネスブックに認定されている猫も、メインクーンです。
北アメリカのメイン州原産で、100年以上の歴史を持つ猫種です。平均体重は4〜8kgですが、10kgを超えるケースもあります。体長も100cm程にまで成長し、広い肩幅で骨格も筋肉もがっしりとし、ボディと同じくらいの長さの尾を持っています。
長毛種ですが部位によって長さが異なり、首の前面の毛はふさふさ、肩の上の毛は短く、背中から後半身へいくほど長くなり、臀部と腹部はむくむく、尾はふさふさした毛に覆われています。多彩な毛色やタビーパターンが認められています。
野性味にあふれており、堂々とした風格を漂わせていますが、性格はとても温和で優しく、人にも良くなつきます。賢くて外交的でもあり、好奇心が旺盛な子も多いです。
2. サイベリアン
やはり古い歴史を持つ猫で、ロシア原産の猫種です。サイベリアンは"Siberian"と書き、シベリア地域が由来だといわれています。猫が生息している地域の北限といわれる寒冷地域のためか、とてもたくましくて忍耐強く、日本でも北海道や東北地方でも飼育できる猫種です。
見た目はがっしりしており、平均体重は6〜10kgです。毛色やタビーパターンも多彩です。特に毛量の多さは大きな特徴の一つで、換毛期の抜け毛量は非常に多いものの、猫アレルギーの原因となるタンパク質が少ないため、猫アレルギーを発症しづらい猫種だともいわれています。性格はとてもおっとりしています。
3. ラグドール
アメリカが原産の猫種です。多くの猫種が関わった複雑な混血の結果、1960年代の後半にカリフォルニアで人為的に作出された猫種だといわれています。
名前のラグドールとはぬいぐるみという意味で、とてもおとなしく、膝の上で飼い主さんに撫でられている様子が名前の由来になっています。セミ・ロングでさわり心地の良い被毛を持ち、特に首周りがふさふさとしています。
平均体重は4〜8kgですが、10kgになるケースも多いです。性格も見た目通りに堂々としていて、怖いもの知らずといった風情を感じさせます。しかし飼い主さんの言うことをよく聞き、鳴き声もとても静かで、小さな子供にもかなり寛容に対応できます。
4. ノルウェージャンフォレストキャット
北欧の神話に登場するほど歴史の古い猫で、スカンジナビアでネズミ退治のために人に戸外で飼われていた、たくましい猫です。体は大きいですが、身のこなしは素早く、木登りも得意です。
平均体重は4〜8kgほどで、顔つき、毛や目の色などはメインクーンとよく似ています。落ち着いた性格で賢くて勇気があり、いつも飼い主さんの後をついて歩くくらい人が大好きです。呼びかけにもよく反応し、飼い主さんに愛情を示します。
通常の大型猫種は2〜3年かけておとなの体へと成長しますが、ノルウェージャンフォレストキャットは、おとなの体になるのに5年は必要だといわれています。
大型猫の飼い方
大型猫は成長速度が遅く、かわいらしい子猫時代が長いことが魅力の一つですが、それはしっかりとケアをしなければならない時期が長いということでもあります。体が作られる子猫時代は病気にもかかりやすいため、栄養管理や健康管理をしっかりと行う必要があります。
大きな体格に合わせて、広い飼育スペースと、トイレ、ケージ、キャリーバッグなども大きいものを用意しなければなりません。キャットタワーも、大型猫が飛び乗っても倒れないようなものを用意し、安全で快適に過ごせる環境づくりに工夫が必要です。
通院などで猫を連れ出す時や看病や介護の際の飼い主さんの負担は重く、それなりの体力が必要です。さらに長毛種が多いため、こまめなブラッシングはもちろん、シャンプーが必要になる場合もあります。
基本的には、中小型猫の飼い方と大きな違いはありません。しかし、こういった事情をよく考慮した上で、ご自身の住環境や生活スタイル、体力などを含めて飼育できるかどうかをよく検討してから、迎え入れる必要があるでしょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:りりちゃんとあーちゃん♀ / 3歳
大型猫には大型ならではの魅力があります。大きな体格とライオンを思わせるような存在感、長くて美しい毛並み、見た目からは想像できないくらい穏やかで親しみやすい性格などです。
しかし、手厚いケアが必要な子猫時代が長いこと、大きな体に合わせた住環境が必要なことなど、迎えるために必要な条件は厳しいです。飼育可否をしっかりと検討をしてから迎え入れるようにしましょう。