猫にもある社会性
人間と一緒に暮らしている伴侶動物の代表格は、犬と猫です。その歴史は長く、犬は外に繋がれて、猫は家の中と外を自由に出入りして暮らしていましたが、共に家の中で暮らすように、その生活スタイルも変化してきています。
その中で、猫は犬とは異なり、あまり社会性を持たず、飼い主さんともクールな関係であると考えられてきました。猫はもともと単独で生活する動物だったためです。
しかし最近の動物行動学関連の研究により、猫にも社会性があること、そして犬と同じように、飼い主さんとの間に母子間の愛情と同じような絆を結べることが分かってきました。
そのため、飼い主さんが忙しくてあまりかまってもらえない時間が長くなると、猫は飼い主さんと一緒に過ごす楽しい時間を待ち望みながら過ごしている場合も。
このように、一般的にマイペースでクールな印象が強い猫ですが、実はその社会性によって、日々の生活の中でわくわく胸をときめかせながら「待ち望んでいる時間」がいくつか存在しているようです。
猫が「待ち望んでいる時間」とは
それではここからは、猫が「待ち望んでいる時間」について考えてみましょう。
1.ご飯の時間
猫たちにとって、毎日の食事は大きな楽しみの一つです。
いつまでも寝ている飼い主さんのことを手を変え品を変え起こそうとするのは、ご飯を待ちくたびれた証かもしれません。
栄養バランスの取れた総合栄養食だからといっていつも同じフードばかりではなく、時々別の風味のフードとローテーションをしながら、おいしい食事を楽しませてあげましょう。
2.狩りごっこ遊びの時間
自力で獲物を捕まえる必要のない飼い猫たちにとっても、狩りごっこをして遊ぶ時間はとても大切です。
五感を研ぎ澄ませ、知恵を絞り、身体能力のすべてを引き出して行う狩りごっこは、猫にとっての生きがいだと言っても言い過ぎではないでしょう。
1回の遊び時間は15分程度で構わないので、必ず毎日愛猫と一緒に狩りごっこをして遊ぶ時間を作ってあげましょう。
3.飼い主さんの帰宅時間
自分の縄張りを単独で守りながら暮らすことが当たり前の猫ですが、飼い猫にとっての飼い主さんは母親同然の存在です。そのため、猫は何歳になっても子猫気分を失うことがありません。
飼い主さんの姿が見え、気配を感じられる状況にいることで、猫は安心感を覚えます。
留守番中は、きっと「早く帰ってこないかなぁ」と待ちわびているはずです。
4.飼い主さんとまったり寛げる時間
飼い主さんとのふれあいは、子猫気分を満喫できるため、猫にとって心からリラックスできる時間です。
飼い主さんが忙しくて他のことに気が向きっぱなしの時間が長くなると、(早く飼い主さんとふれあいながらまったりと寛ぎたい)と、その時間を心待ちにしながら飼い主さんをじっと見つめていることでしょう。
5.安心して熟睡できる時間
猫は、1日の大半を寝て過ごしているように見えます。しかし、実際には熟睡している時間はわずかで、何か気配を感じるとすぐに目覚められるような状態が長いのです。
そのため、飼い主さんが不在中の睡眠は、常に気を張ったような状態でいると考えられます。同じ寝心地の良い寝床でも、飼い主さんがすぐ側にいて安心できる状況で熟睡できる時間を待ち望んでいるはずです。
また、猫の由来は「寝子」とも言われている程、そもそも猫にとって睡眠はとても重要な時間です。つい人間が構いすぎてしまった後等には、人間に邪魔されることなく、静かにぐっすり熟睡できる時間を待ち望んでいるかもしれません。
まとめ
今回は、猫が「待ち望んでいる時間」を解説しました。
猫にとっては、飼い主さんとの時間も、ご飯の時間も遊びの時間も、いずれもとても大切な時間です。
その「待ち望んでいる時間」を邪魔することなく喜んでもらえるように、飼い主としてしっかり環境を整えてあげたいですね。