猫がいる部屋は臭う?原因別『消臭対策』5つ!

猫がいる部屋は臭う?原因別『消臭対策』5つ!

ご自宅に知人を招くのに、猫のニオイが気になるという飼い主さんは少なくないようです。猫と一緒に暮らしているとそのニオイに慣れてしまうと思いますが、家族以外の第三者には感じる独特のニオイがあるようです。そこで今回は、原因別の「消臭対策」について解説いたします。

猫は人間よりも体臭が少ない

毛づくろいをする猫

実は、猫は体臭が少ない動物だといわれています。人間ですら体臭を気にする方が多いのに、本当に猫は体臭が少ないのでしょうか。まずは分かりやすい、人間の体臭の原因をみていきましょう。

私たち人間は、暑い日や運動をした後などに、よく汗をかきます。そして時間が経つと自分でも気になるほど強烈なニオイがしてきます。汗を分泌する汗腺には、全身にあるエクリン腺と、脇の下に多いアポクリン腺があります。

エクリン腺から分泌されるのは無色無臭の水のような汗で、体温調節に役立ちます。アポクリン腺から分泌されるのは乳白色で、ニオイの元となるタンパク質や脂質が多く含まれている汗です。さらに皮膚には、皮膚の潤いに欠かせない皮脂を分泌する、皮脂腺もあります。

これらの汗や皮脂は、それ自体にニオイがあるわけではなく、皮膚の常在菌が、アポクリン腺の汗や皮脂の中で増殖することで、独特の体臭を発するのです。

猫の皮膚にもエクリン腺、アポクリン腺、皮脂腺があります。ただし、エクリン腺は鼻先や肉球にしかありません。アポクリン腺は全身にありますが、犬での発汗量は少なく、猫に至っては発汗作用そのものがないといわれています。

そのため猫の体臭は、主に口の周りや耳、肛門周囲などに多く存在している皮脂腺から分泌された皮脂に増殖した常在菌が発する臭いだということになります。

ただし猫は、自分の身を隠して獲物を待ち伏せるハンティングスタイルを得意としているため、健康な猫は常に全身をセルフグルーミングすることで皮膚の衛生状態を保ち、ほとんど体臭を出しません。

このように猫自身は体臭が少ないですが、飼い主さんが知人を招く時には猫を飼っている家独特のさまざまな猫関連のニオイについて対策する必要があります。

そこで今回は、原因別の「消臭対策」について解説します。来客の予定がある方は、自分では大丈夫と思っていても、ぜひ事前に念の為に対策しておくことをおすすめします。

猫がいる部屋の原因別「消臭対策」

トイレ掃除の様子を眺める猫

ではここからは、猫がいる部屋の原因別の「消臭対策」について解説します。

1.「排泄物」に対する消臭対策

猫がいる部屋の気になるニオイの多くは、排泄物が原因であることが多いです。実は、猫の糞は犬の糞よりもくさいといわれています。完全肉食性の猫の糞は、雑食性に移行した犬よりも高タンパク質な食事をとるため、タンパク質の腐敗臭が強くなるのです。

また猫の腎臓では、コーキシンというタンパク質が作られます。コーキシンが生成したフェリニンという物質が空気に触れると、チオールという物質に変化して強いニオイを発します。尿の中にこのコーキシンとフェリニンがあるのは猫だけで、これが猫の尿のきついニオイの原因だということが分かっています。

猫はすぐにトイレを覚えますが、汚れたトイレでの排泄を嫌がりわざと違う場所で排泄することがあります。加齢で足腰が弱まると、トイレまで間に合わないことも増えるでしょう。清潔で使いやすいトイレを適正な数だけ用意し、適切な場所に設置することが大切です。

こまめにトイレ掃除をし、排泄物を放置しないことが基本です。トイレの表面についた傷に入り込んだ排泄物が、ニオイの元になることもあります。月に1度はトイレ本体を丸洗いし、猫砂を入れ替えましょう。トイレ周辺の床や壁の拭き掃除も大切です。

未去勢のオスは、マーキングの一環として少量できついニオイの尿を室内に撒き散らします。繁殖目的での飼育でないのなら、去勢手術も猫の消臭対策になります。

2.「食べ残しフード」に対する消臭対策

猫は、食べるフードの量を自分で調節しながら食事をするため、外出中の食事を置き餌にされる飼い主さんも多いです。

しかし、食べ残されたり出しっぱなしにされたフードのニオイは、異臭の原因になることがあります。特にウェットフードは傷みやすく、高温多湿になる夏場のウェットフードの取り扱いには、ニオイだけでなく衛生面でも注意が必要です。

置き餌をする場合は、必ずドライフードにしましょう。ウェットフードを残した場合は、すぐに下げましょう。

食事が終わったら周辺の床もきれいに拭き、食べこぼしを放置しないようにしましょう。

3.「体臭」に対する消臭対策

前述の通り、健康な猫には体臭がほとんどありません。しかし体調を崩した猫は、不快な体臭を発することがあります。

口腔内の病気や内臓系の病気は、口臭をきつくします。外耳炎などの耳の病気は耳から異臭を発します。皮膚病による異臭もあります。関節炎などの体の痛みが原因で、セルフグルーミングを十分に行えなくなると、体臭も出てきます。

そのため、日々の健康管理をしっかりと行い、愛猫の健康状態を維持することも大切な消臭対策です。

4.「季節」に関する注意事項

高温多湿が特徴の日本の夏は、雑菌の増殖が促進されるので異臭の発生につながります。さらに、多湿な環境で鼻の粘膜が潤うと、ニオイを敏感に感じやすくなります。

四季の中でも特に夏は、消臭対策に力を入れるべきでしょう。

5.原因によらない消臭対策

ニオイを室内にこもらせないことは、消臭対策の基本です。こまめに換気しましょう。

なお、窓を開ける際は愛猫の脱走に注意し、換気扇なども上手に利用しましょう。

トイレの設置場所は空気の通り道を考慮し、猫に安全な成分の消臭剤や空気清浄機などの活用もおすすめです。

まとめ

食べ残したフードの脇で寝る猫

猫がいる部屋のニオイが気になる場合、その原因として排泄物、食べ残しのフード、猫の体臭といった要素が挙げられます。特に大きな要因となりやすいのが排泄物です。長時間放置せず、月に1度はトイレの丸洗いや猫砂の入れ替えを行いましょう。

長時間同じニオイに接していると、鼻が慣れて感じなくなることが多いです。少しでも異臭が気になったら、ニオイの原因を探り、それぞれに適した対策を実施しましょう。

スポンサーリンク