猫同士の「親愛サイン」とは
感情表現がそんなに激しくない印象の猫ですが、実は愛情深い動物であることもよく知られています。では猫の「親愛サイン」には、どのようなものがあるのでしょうか。
1.毛づくろいし合う
仲良しの猫の顔や体をなめることで、自分のにおいや相手の猫のにおいを感じて安心できると言われています。
特に、親愛サインとして顔を毛づくろいしてあげることが多いです。自分でなめることができない顔を毛づくろいしてもらうのは、猫にとってとても気持ちがいいのです。そのため、顔を舐めてもらうことで相手の猫のことを好きになるようです。
また、親愛の毛づくろいは年上の猫が年下の猫にしてあげることが多く、毛づくろいされる猫はなめている猫が舌を動かしやすいように体勢を調整しています。
ただ、毛づくろいをしてもらうのは気持ちがいいのですが、まれにケンカになってしまうことも。毛づくろいをしてもらっている猫が「もういい」と嫌がっていることに気がづかず、ひたすらなめ続けてしまうことが原因で怒らせてしまうのです。
2.体をこすりつけ合う
相手の猫に体をこすりつけることで、自分のにおいをつけて親愛の気持ちを伝えています。この動作は、地位の低い猫から高い猫へのあいさつでもあります。
特に、顔周りにはにおいが出る臭腺が多く集まっているため、顔を相手の猫の体にこすりつけて絆を深めたり幸せな気持ちを伝えたりしているのです。
力強いスリスリをする猫は、うっかり頭突きになってしまうこともあります。
3.しっぽを絡ませる
しっぽを絡ませるのは、親子猫やきょうだい猫などでよく見られる親愛のサインです。
猫のしっぽの付け根には臭腺があり、しっぽを絡ませることでにおいを交換し、愛情を表現しています。
4.遊ぶ
仲良しの若い猫では、激しいじゃれあいを行うことがあります。取っ組み合いをして、ときどき相手に噛みつくこともありますが、すぐに止めずに様子を見ましょう。
その他に、追いかけっこをしたり、待ち伏せて驚かせる遊びをしたりします。
猫の遊びのケンカと本気のケンカの違い
仲良しの猫同士は、遊びでケンカもします。激しいじゃれあいがケンカのように見えるので、見ている側としては心配になるかもしれません。
遊びのケンカでは噛みつくことがあっても、甘噛みなので血が出ることはありません。ケンカのときは強く噛みつくので、噛まれた猫がケガをしたり悲鳴のような鳴き声をあげたりします。
また、「シャーッ」「ウー」など威嚇の鳴き声をあげたり、強い猫が弱い猫を一方的に追いかけたりします。
遊びのケンカは、終わるとお互いに近くでくつろぐなど、穏やかな様子が見られます。この点が本気のケンカと違うところです。
まとめ
仲がいい猫同士ではお互いに毛づくろいをしたり、体をこすりつけたりして親愛のサインを送っています。
ケンカのように見えるじゃれあいも、仲良しだからこそしているのです。
多頭飼育している飼い主さんは、愛猫たちの行動を観察してその関係性をチェックしてみてはいかがでしょうか。