猫の『被毛』は暑くないの?2つの種類と特徴や役割を徹底解説!

猫の『被毛』は暑くないの?2つの種類と特徴や役割を徹底解説!

ふわふわで滑らかな毛並みは、猫の可愛さをさらに引き立てますよね。しかし常に毛で覆われている猫は、気温が高い日に暑さを感じることはないのでしょうか?本記事では猫の被毛の種類と特徴、猫の健康を守る重要な役割についてご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の被毛の種類と特徴

幸せそうに寝る猫

猫の被毛といえば、短毛や長毛、カールがかった巻き毛や毛が生えていない猫など、猫種によっても違いがあります。長さや毛質には違いがあるものの、猫の被毛は大きく二つの種類に分けることができます。

1.シングルコート

猫の被毛には「一重構造」と「二重構造」と呼ばれている生え方の種類があります。
シングルコートは一重構造の被毛のことをいい、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)のどちらかの単毛になっています。

もともとは気候が暖かい国の猫種が多く、「ベンガル」「シンガプーラ」「シャム猫」などがシングルコートの猫種として有名です。毛質には張りがあり、抜けにくいので換毛期がないといった特徴があります。抜け毛は少ないので比較的お手入れしやすいですが、短毛で寒さを感じやすい、皮膚が汚れやすいといった面がある被毛なので部屋の温度やお手入れは気をつけてあげましょう。

2.ダブルコート

シングルコートとの大きな違いは、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の2重に分かれた被毛になっていることです。シングルコートに比べると、多くの猫種が二重構造になったダブルコートになっています。ボリューム感のある見た目にも優雅な長毛種はもちろん、日本猫などの雑種に多い被毛です。

ダブルコートの被毛をもつ猫は、掻き分けてみると表面の毛とは質の違うふわふわの毛が生えています。年に2回の換毛期を迎えると、暑い時期には多くの下毛が抜け落ちたり、寒い時期は毛が密集したりして季節に適応した毛が生え変わります。ダブルコートは長毛種だけでなく、短毛種の猫にも多い被毛の種類です。

猫の被毛にはどんな役割がある?

上品なラグドール猫
  • 水を弾く
  • 紫外線防止
  • 衝撃から身を守る
  • 体温調節を行っている等

もともと猫の皮膚はとても薄いといった特徴があります。そのため、被毛があることで猫の体にかかる様々なダメージを抑えることができるのです。例えば太陽からの紫外線、病原菌などのウイルスの影響を直に受けることや外部からの衝撃で皮膚が傷つくのを防いでいます。

他にも猫は鼻で呼吸をしたり、汗をかいて体温を下げることができないため、被毛で体温をコントロールします。換毛期で毛量を増減させて季節の変化にも対応する、被毛を舐めた時の唾液の蒸発によって体の温度を下げたりして体温をコントロールすることができます。

まとめ

前足を揃える猫

今回ご紹介したように、猫の被毛は「シングルコート」と「ダブルコート」のように被毛の生え方に違いはありますが、どちらも健康を維持するための重要な役割をもっています。

なお、それぞれの被毛はお手入れや体温調節のしやすさなどが異なるため、愛猫の被毛に合わせて対応してあげることが必要不可欠になるでしょう。

どの種類の被毛だったとしても、定期的なケアと適切な温度管理を十分に行うことで、愛猫の健康をサポートしてあげたいですね。

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