1.カフェイン飲料
カフェインの入った飲み物と言えば、真っ先にコーヒーを思い浮かべる方も多いかと思いますが、カフェインはコーヒーだけに含まれる成分ではありません。
緑茶・抹茶・玉露・紅茶・ウーロン茶・コーラ・栄養ドリンク・エナジードリンク・ココアにもカフェインが含まれています。
またココアには、カフェインと同じメチルキサンチン類である「テオブロミン」という成分が含まれています。テオブロミンは猫のチョコレート中毒の原因物質で、カフェインと同様に猫に摂取させてはいけません。
飲み物の種類や濃さ、猫の体調や体質、年齢や体の大きさなどにもよりますが、少し舐めた程度でも摂取してしまったカフェインの量によっては命に関わることになります。このようなものを保存している時や飼い主さんが飲んでいる時は、猫が飲んでしまわないように気を付けなければいけませんね。
因みに、お茶やコーヒーなどは飲み物だけではなく茶葉や豆、粉の状態でももちろん猫にとって毒性を持ち、そのような状態のお茶やコーヒーを食べてしまった場合はカフェインの摂取量がより多くなってしまいます。
そのため、コーヒーやお茶を淹れる際にこぼれてしまった粉や茶葉はすぐに拭き取り、絶対に猫が口にしないようにすることが大切です。
カフェインは心臓や血管に作用するので、カフェイン中毒では嘔吐や下痢、速い呼吸、多飲多尿、心拍の異常、けいれんなどの症状が見られます。
2.アルコール
お酒は猫にとっても危険な飲み物です。猫の体はアルコールを分解する酵素を持っていないと言われ、少量のアルコールでも中毒症状を起こす可能性があります。
前述のカフェイン飲料同様、こちらも中毒によって命を落としてしまうケースがあります。もちろん、アルコールを含んだお菓子なども間違って食べてしまうと危険です。猫のアルコール中毒では、嘔吐や下痢、運動失調（ふらつき）、呼吸困難、けいれんなどが見られます。
食事や晩酌をする時に猫が近くにいるという方も多いとは思います。しかし、飼い主さんがトイレに立った数分の間に、興味を示した猫がうっかり舐めてしまう…ということも考えられるため、出来るだけ猫の手の届く場所にお酒を放置しないよう気を付けましょう。
3.野菜ジュース
「野菜ジュース」と言っても様々なものがありますよね。例えば、トマトジュースなどは「トマト100％」であり「食塩無添加」のものならば少量を猫に与えても問題ありません。
しかし「野菜ジュース」には、「数種類の野菜や果物がブレンドされているもの」も多くあります。このようなジュースには、猫に有害な玉ねぎやぶどうなどが含まれていることがあります。
猫に無害な野菜や果物だけを使ったジュースであれば舐めても大きな問題はないでしょうが、色々な野菜や果物が含まれたジュースは猫にとって危険になるかもしれない飲み物と言えるでしょう。
野菜ジュースによる中毒では、どの野菜や果物に対する中毒を起こしているかによって異なります。もしネギ類による中毒が起これば、下痢や嘔吐の他に溶血性貧血による症状が見られます。ブドウによる中毒では、下痢や嘔吐の他に震えや落ち着きのなさ、腎不全による症状などが見られます。
もし愛猫が危険な飲み物を飲んでしまったら
猫が危険な飲み物を口にしてしまったら、まず動物病院に連絡をして受診してください。その際には「何を口にしてしまったか」「どのくらいの量を口にしてしまったのか」「口にしてからどのくらいの時間が経っているか」を伝えるとよりスムーズに治療が進みます。
猫に危険な飲み物であっても、ほんのちょっとだけ舐めたり飲んだりしてしまった場合には特に問題が起こらないこともよくあります。しかし、飲み物の種類によっては少量でも猫が中毒を起こすことがありますので、「少しだけだから大丈夫かな？」と思ってもやはり動物病院に相談した方が良いでしょう。
飲んでしまったものを無理やり吐かせようとする飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、そのような行為は素人が行うとかえって危険です。病院で薬を使って吐かせたり、場合によっては胃洗浄を行う必要も出てきますので、絶対に病院での処置を最優先としてください。
まとめ
飼い主さんが普段飲んでいるものの中には、猫が口にしてしまうと危険なものもたくさんあります。
『人間にとって良いものであれば猫が口にしても問題ない』と考えるのは非常に危険です。猫と人間では体質や体の大きさなどが全く違います。猫を飼うのであれば、どんな食べ物・飲み物が猫にとって危険であるかという知識を身に着けておくことが必要です。
筆者宅でも猫を迎えてからは、どんな飲み物を飲んでいる時でも、途中で離席する場合は一旦飲み物を片付けるように心がけています。
大切な愛猫の命を守れるのは、飼い主さんだけです。そのことを念頭に置いて「猫ファースト」で生活するように心掛けてあげたいですね。