猫が『急に冷たい態度』になるワケ5つ!機嫌を直してもらうための方法とは

猫が『急に冷たい態度』になるワケ5つ!機嫌を直してもらうための方法とは

自分から甘えて擦り寄ってきた愛猫を撫でてまったりとしていたら、急にシャーッと威嚇して離れて行ってしまったという経験をされた飼い主さんも多いのではないでしょうか。よくツンデレと称される猫にありがちな行動です。今まで甘えていたくせに、急に冷たい態度になってしまうのにも、理由はあります。猫が急に冷たい態度になる理由についてご紹介します。

猫の心の中はどうなっている?

窓の外に反応する猫

動物に関する多くの著作や監修などで有名な動物学者の今泉忠明氏は、自身の著作の中で猫の心の中を解説されています。

猫は4つの気分を持っているそうです。

1つ目は「野生猫の気分」です。猫の脳は人間の脳の構造とよく似ていますが、人間と異なり大脳辺縁系が多くを占めているため、生き残るための本能が色濃く残っています。猫の警戒心や狩猟欲がとても強いのも、そのためです。

2つ目の気分は「飼い猫の気分」です。人と一緒に暮らしているということは、人に守られて安心できる環境にいるということです。そのため、非常にリラックスして身も心も無防備な状態だといえるでしょう。

3つ目の気分は「子猫の気分」です。野生で暮らしている猫は、おとなになれば子猫の気分に戻ることはありません。しかし人に守られている猫にとって、飼い主さんは親猫同然なので、いつまでも子猫の気分が残っているのです。

最後の気分は「親猫の気分」です。猫の身体能力には、人間には到底及ばない点が多いです。そのため猫は、人間のことを(体は大きいけれど、のろまなやつだなぁ)などと思っているようです。そのため、飼い主さんのために捕まえた獲物を持ってきたりするのです。

猫は、この4つの気分を入れ替えながら暮らしています。しかもその切り替えは瞬時に行われます。特に、本能的な感情は最優先にされるため、野生猫への転換はあっという間です。この瞬時の切り替えが、猫を気分屋に見せている原因なのでしょう。

猫が急に冷たい態度になるワケとは

爪切りで怒る猫

ではここからは、前章で説明した素早い切り替えにより、愛猫が飼い主さんに対して急に冷たい態度に変わる理由について考えてみましょう。

1.怒っている

猫に限りませんが、嫌なことをされたり怖いことをされたら、当然怒ります。爪切りや歯磨き、通院、お気に入りの場所で爪とぎができなくなったなどが、猫にとっての怒りの対象になります。

一緒に暮らす上で必要なことが多いため、大抵の場合は怒りが収まるまで待つしか方法はないでしょう。ただし通院やお手入れなどは、我慢できたらご褒美におやつをあげるといった方法で、「通院(お手入れ)は楽しい」と思ってもらうこともできます。

2.構いすぎ

冒頭の例にも挙げたように、甘えてきたので構っていたら急にプイッといなくなるといったような急変は日常茶飯事です。撫でている途中で急に冷たくなる理由については、学術的に究明されてはいません。

しかし、イギリスのリンカーン大学の研究チームが行った調査では、『知らない人に撫でられるよりも、飼い主さんから撫でられる時の方がネガティブな行動が多く見られた』ということなので、それだけ飼い主さんには素直に感情を示しているのかもしれません。

とにかく構いすぎて冷たくなった場合は、愛猫の気分が変わるまでしばらくそっとしておきましょう。

3.放っておかれた

キャットタワー上で呆然とする猫

いつもよりも長い時間留守番をさせた、他の同居猫ばかり構っていた、外で知らない猫のニオイをつけてきたなどで、愛猫が飼い主さんから「放っておかれた」「愛情が減った」と感じた場合に寂しくなり、すねて急に冷たくなることもあるようです。

心当たりがある場合は、積極的にコミュニケーションを図る時間を増やし、関係改善に取り組みましょう。

ただし、愛猫のパーソナルスペースを踏み越えると逃げられますので、適度な距離感を探りながらというのがポイントです。

4.飼い主さんがいつもと違う

知らない猫のニオイだけではなく、飼い主さんのニオイや見た目、態度がいつもと違う時にも、愛猫の態度が冷たくなることがあります。

猫は視覚の他にも嗅覚や聴覚など、いろいろな情報を使って飼い主さんを認識しています。そのため、ちょっとした変化でも(飼い主さんのような、でも違うような…?!)と戸惑っているのかもしれません。

シャンプーや洗剤を変えたなど、元に戻せる場合は戻してみましょう。またイライラしていても、それを表には出さない方が良いでしょう。どうしても元に戻せないような変化の場合は、「やっぱり飼い主さんだ!」と認識してもらえるように慣れてもらいましょう。

5.他に気になることが起きた

飼い主さんと一緒に遊んだり甘えている最中でも、窓の外に鳩がやって来たなど、気になることが起きたら愛猫の気持ちはそちらの方に向かってしまいます。特に狩猟本能や警戒心を呼び覚ます刺激は、瞬時に野生猫の気分モードに切り替えてしまいます。

こうなったら飼い主さんが何をしても、愛猫の注意は新しい対象に集中してしまいます。気が済んで戻ってきてくれるまで、ひたすら待つしかありません。

猫の気持ちは移ろいやすい?

パンチする猫

「猫になりたい」と言っている人をよく見かけます。理由を尋ねると「猫は自分の気持ちに正直に、自由に生きているから」といったような返答が返ってくることが多いです。しがらみにまみれて暮らしている人間は、勝手気ままに見える猫に憧れるのかもしれません。

確かに猫の行動を見ていると、自分の気持ちのままに自由で正直に生きているように見えます。その理由は、気持ちのままに行動しているだけではなく、切り替わりの速さにもあるようです。

例えば猫が甘えてきたので作業を中断して撫でていたら、突然猫パンチをして去って行ったなどということが、日常茶飯事に行われます。飼い主さんとしては「なんで急に冷たくなるの?」という気持ちになって当然です。

まとめ

怒っている猫

今回ご紹介した上記の他にも、ストレスを感じると突然グルーミングや爪とぎやあくびをしたりと、「急にどうしたの?」と思うような行動をとることがあります。

このような切り替えの早さも、猫が今まで生き延びてきた強みの一つのはずです。

猫の習性を学びながら、一緒に長く楽しく暮らしていきたいと思います。

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