猫は気まぐれ?
猫というと犬とは異なり、飼い主さんの言うことなど聞かずに気まぐれでわがままなイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかしそう見える猫の行動にも、きちんと理由があります。
猫は単独行動が基本故にわがままなイメージが先行しているようですが、飼い主さんに甘えたい子猫のような気分のときも。その時々の猫の気分をしっかりと察知できれば、愛猫とより一層濃密な時間を過ごすことができるでしょう。
猫の「そばにいてOK」サインとは
猫は人間の言葉を話すことはできませんが、さまざまなサインで自分の気持ちを飼い主さんに伝えています。自分が子猫の気分で飼い主さんに甘えたい、一緒にいたいという気分のときには「そばにいてOK」のサインを送っているのです。
今回は、猫が飼い主さんに対して出している「そばにいてOK」サインをご紹介します。ぜひ愛猫からのサインを見逃さないでくださいね!
1.自分から近づいてくる
ひとりでいたいときの猫は、人が近づいてくるとすっとその場を離れてしまいます。しかし猫の方から近づいてくるという場合は、そばにいて欲しいというサインだと考えて良いでしょう。
猫にも各々のパーソナルスペースがあるため、ベッタリと触れ合うことを好んだり、少し離れた距離で静かに過ごすのを好んだりと、その猫によって「そばにいる」の基準は異なります。
愛猫の性格や好みを見極めながら、その子に合った「そばにいる時間」の過ごし方をみつけてください。
2.体をスリスリと擦り寄せてくる
帰宅した際など、飼い主さんの足元に来て頭や体の側面、しっぽなどを飼い主さんの体に擦り寄せてくることがあります。この行為は、愛猫が飼い主さんに親愛の情を示しながら自分のニオイをつけたり、飼い主さんと愛猫の仲間同士のニオイを作り出しているといわれています。
愛猫が擦り付けている部分を優しく撫でるなど、しばらく一緒に過ごしてあげると喜んでくれるでしょう。
また、猫はニオイで個体を判別しますが、このように大好きな相手と自分のニオイを混ぜて仲間のニオイを作ることで安心できる場合があるので、ぜひ協力してあげましょう。
3.膝やお腹の上に乗ってくる
猫が自分から飼い主さんの元にやって来て、膝やお腹など体の一部に乗ってくる場合も、飼い主さんと一緒にいたいというサインです。このように自分から体を密着させてくる場合は、「そばにいてOK」からさらに進んで、気持ちは「甘えたい」でしょう。
やさしく撫でてあげても逃げることなく、飼い主さんに乗った状態でまったりとくつろいでくれることが多いはずです。ただし、愛猫の気持ちの変化をしっかり察知して、しつこくしすぎないことがポイントです。
4.少し離れた所からそっと見つめている
まだあまり慣れていない、臆病な性格など、猫によってはなかなか自分から飼い主さんに近寄れない猫もいます。そんな猫が飼い主さんのそばで甘えていたい場合、飼い主さんから少し離れた場所からそっと見つめていることがあります、
まだその猫にとっては、その距離が精一杯なのでしょう。その猫にあった距離感を保ちながら少しづつ縮めていけるように、しつこくしすぎないように気をつけて過ごしましょう。
5.視界の先に割り込もうとする
飼い主さんの意識が長く自分から離れていると、「ここにいるよ!」とでも言いたそうに、飼い主さんの視界の先に割り込んでくることがあります。愛猫にパソコン作業や読書の邪魔をされたことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
そんなときも、愛猫は「飼い主さんから注目されたい、甘えたい」という気分になっています。台所で調理中などの危険な状況でなければ、直ぐそばに愛猫の居場所を作ってあげて、やさしく撫でながら一緒に時間を過ごしてあげると良いでしょう。
こんなサインのときは近寄ってはいけない
「そばにいてOK」のサインがある一方、猫は近寄ってはいけない時のサインもあります。このような時は、猫をしつこく付け回さないようにしましょう。
猫が「近づかないで」と言っている近寄ってはいけない時のサインもあわせて把握しておきましょう。
耳が横にピンと張った状態のとき
猫が耳を横にピンと張った状態にしている「イカ耳」は、猫が警戒しているときのサインです。
猫はとても臆病で警戒心が強いので、無理に近づかずに警戒の対象をなるべく排除したり遠ざけたりしてあげましょう。
しっぽを大きく振っているとき
猫は自分の感情を、耳、ひげ、しっぽなどで表現します。中でも分かりやすいのがしっぽです。
バタンバタンと床に叩きつけるようにしたり、左右に強くバタバタと振ったりしている時は、イライラしているサインです。そばに近寄らずにそっとしておきましょう。
耳やひげを一点に向けて瞳孔を真ん丸にしているとき
耳やひげを一点に向けている時は、その方向に興味の対象があり、情報を収集しようと集中している状態です。大抵興奮気味なので、瞳孔も開いてまん丸になっていることが多いでしょう。
興味の対象に集中できるよう、近寄らずにそっとしておきましょう。
まとめ
猫の気分は、たしかにコロコロと移り変わりが早く、自分から甘えてきて気持ちよさそうに撫でられていたのに、急にプイッと離れていってしまうことも珍しくありません。
しかし猫は、「甘えたい」「イライラしている」「注目して」といった自分の気持ちを、サインで素直に示してくれているのです。
愛猫のボディランゲージを理解し、愛猫から飼い主さんに向けられたサインを察知して、楽しく豊かな生活を楽しんでください。