猫バンバンとは
猫バンバンって何?
- 猫バンバンとは車のエンジンルームなどに猫が入っていないか確認する事
- 車をバンバンと叩くので『猫バンバン』
猫バンバンとは、車に乗る前にボンネットを叩いて、猫がエンジンルームなどに入っていないか確認する事を言います。猫をバンバンするのではなく、猫のために車をバンバンする、ということですね。
猫バンバンをする理由
- 猫バンバンをするのはエンジンルーム内にいる猫に出ていってもらうため
- 猫バンバンで猫と人の事故を未然に防ぐ目的
猫バンバンする理由は、寒くなると猫が停車している車のボンネット内や、タイヤと車体の間などに潜り込み、暖を取ろうとします。猫は狭いところを好みますし、さらに暖かくて暗いとなれば、車内や車の下は、猫にとって心地良くくつろげる場所だと言えるでしょう。
特に警戒心の少ない子猫は、狭い場所にも入りやすいので、エンジンルームに入ってしまうことが多いと言われています。猫に気づかないで、運転手が車のエンジンをかけてしまうと、猫が大怪我したり、命を失ったりする可能性があるのです。
猫が、エンジンルーム内の機器のベルト周辺にいる場合は、そのまま回転部分に巻き込まれるかも知れません。エンジンをかけた一瞬の出来事になりますので、運転者がその後に気づいたとしても手遅れになっている場合も多いのです。
事故が起きてしまうと、猫の命にかかわるだけでなく車の故障の原因にもなります。そのような事故が起こらないように、ボンネットなどをバンバン叩いて、猫に車から出て行ってもらおうというのが猫バンバンです。
猫バンバンのやり方
猫バンバンの方法①車の周辺を確認
車に乗る前に、車の周りを一周します。ボンネットの上やタイヤの上、車体の下に入り込んでいる猫であれば、人が近づいた時点で逃げて行ってくれることもあります。
猫バンバンの方法②車体を軽く揺らす
その後、車体を軽く揺らしてみます。振動が車に伝わる程度で良いでしょう。猫はタイヤと車体の間に隠れている場合も多いので、タイヤまわり、フェンダーをたたいてみます。
猫バンバンの方法③ボンネットを叩く
さらに、ボンネットをたたきます。猫バンバンとは言いますが、トントン、とかパンパン、コンコンといった感じで、強さは加減すれば良いでしょう。中に猫がいたら気づくだろうな、という強さで大丈夫です。
猫バンバンの方法④ボンネットの中を確認
そして、ボンネットを開けて中を確認します。面倒かもしれませんが、これが大切です。もし猫がエンジンルームの中に入っていたら、猫バンバンでびっくりしてさらに奥に入ってしまい、怖がって隠れて出てこない、という事になっている可能性があるからです。
猫バンバンの方法⑤確認が取れたらエンジンを回す
隠れて出てこない時には、猫を見つけて逃がさなければなりません。驚いた猫が車の狭い部分に隠れたり、出られなくなったりすることもありますので、人の手助けが必要になることもあります。猫がいないことが確認出来てから、車に乗り込み、エンジンをかけましょう。
猫バンバンは効果あるの?
猫バンバンの効果
人が車に近づいただけでは猫が気づかないこともあります。エンジンをかける前に猫に気づかせるためには、猫バンバンは効果的だと言えるでしょう。
猫は寒さのためにエンジンルームに入ります。そのまま狭いところに入り込み、眠ってしまうこともあります。音を立てて、猫に人が来たことを気づかせるだけでなく、眠っているのを起こすという意味もあります。
JAFでも猫バンバンを推奨
JAFロードサービスでも、寒い時には猫バンバンをすることは、有効な対策の一つとしてあげられています。運転者が運転席に乗っただけでは、エンジンルームやタイヤの上に隠れている猫は、人が来たことに気づかないかも知れません。
警戒心が強い野良猫であれば、エンジンルームにいたとしても、ボンネットを叩けば外に逃げて行く可能性が高いでしょう。また車の外に出てこないとしても、猫バンバンすることで、車の中で動く気配を感じたり、猫が鳴き声をあげたりすることで、猫の存在がわかります。
猫バンバンだけではダメ?
猫バンバンに加えて、猫が車に入りこまない、近づかないようにする工夫も、トラブルを防ぐために効果があります。猫が嫌がる匂いの忌避剤を車周りに置いたり、猫よけグッズを使用したりしてみましょう。
猫が普段から近所にいるという環境であれば、いつ猫が車に入り込んでもおかしくないと思っていたほうが、トラブルを防ぐことができます。猫は車の下から中に入り込むので、カバーをかけていても入り込んでしまうことがあります。
エンジンをすぐにかけずに、ドアを一度バタンと閉めてみたり、車の下を見てみたりするなどを、猫バンバンと合わせてやってみましょう。
ボンネットを開けてみる
猫バンバンを実行したとしても、猫が必ず逃げ出してくれるとは限らず、車に入り込んで出てこないこともあり得ます。そのような時には、まずボンネットを開けて確認しましょう。エンジンルームが見えるようになれば、猫も逃げ出しやすくなります。
車の違う所を猫バンバンしてみる
猫の気配がしたり、鳴き声が聞こえたりしたのに、逃げた様子がなければ、エンジンルームのどこかに隠れていたり、出られなくなったりしているのかも知れません。車のボディ横部分や、バンパーなど、違う部分を叩いてみることも効果があるでしょう。
猫がエンジンルームからどうしても出て来れない時の対処法
猫が出てこないで、自分ではどうしようもない場合には、すみやかにJAFやディーラー、修理工場などに連絡しましょう。当然ですが、そのままエンジンをかけて発進してしまうことは、絶対にないようにしてください。
車を使う際には、通勤などで時間がない場合が多いかも知れません。だからといって猫がいるのにエンジンをかけてしまうと、猫が怪我することはほぼ避けられませんし、命にもかかわります。猫を巻き込んでしまえば、車も無事では済まず、故障の原因にもなります。
猫が出てこない場合には決して焦らず、JAFなどが到着して、確実に猫を社外に出してから車に乗りましょう。
猫バンバンの始まり
猫バンバンの始まりは、2014年の冬に、日産自動車が公式TwitterやFacebookで、寒い朝は猫などの動物がエンジンルームに入り込んでいることがあるので、ボンネットやフードを叩いてみましょう、という注意喚起の投稿をしたことです。
この投稿に、多くのインターネットユーザーから大きな反響がありました。そして2015年に「#猫バンバン」のハッシュタグをつけてツイッターに同じ内容を投稿したところ、さらに大きな反響があったとのことです。
また、ソーシャルメディアやお客様相談室を通して、猫バンバンステッカーの要望や、もっと広めて欲しいとの声があったため、特設サイトが作られました。サイトのトップでは「のるまえに#猫バンバン Knock knock cats」として、猫バンバンプロジェクトの動画が見られます。
猫バンバンの動画YouTubeより
また、実際にかわいらしい猫バンバンステッカーが作られており、データをダウンロードして、自分で利用することができます。
動画サイトYOU TUBEにも「#猫バンバン PROJECT MOVIE by NISSAN #KnockKnockCats」として動画がアップされていて、160万回以上再生されています。
2016年にはHonda(本田技研工業)が、自動車日産の猫バンバンプロジェクトをTwitterでシェアしました。JAFロードサービスのサイトでも、車のトラブルのひとつとして、猫がエンジンルームに入り込むことを注意しており、対策として猫バンバンを勧めています。
大切な猫の命を守るため、車での生活を安心して楽しむために、猫好きの人はもちろん、猫を飼っている方にも車が好きな方にも、ぜひ知って実行して欲しいプロジェクトです。
乗る前に、#猫バンお花 Ohanaさん(@utamaruru)がシェアした投稿 -
猫バンバンまとめ
日産から始まった猫バンバンは、今では多くの猫好きや車に乗る人に広まっている行動です。車に乗る前、エンジンをかける前に、猫バンバンをすることが大切です。
エンジンをかけてしまった後では、手遅れになってしまう場合があります。急いでいるからこそ、毎日必ず実行することとして、猫バンバンを取り入れて下さい。
猫が車の中や下に入り込むことは、冬以外でも、1年を通してありうることだそうです。猫バンバンをすることは、猫を守るだけでなく、大切な車を守り、運転者の安全を守って事故を防ぐ事にもつながります。
猫バンバンと合わせて、乗る前の点検もする習慣をつければ、よりいっそう安全に車の走行が出来ますね。猫バンバンをいつもの習慣にして、さらに猫にも思いやりを持ち、車での生活を楽しんでいきましょう。