猫の『寿命』と『毛の特徴』の関係性とは?

猫の『寿命』と『毛の特徴』の関係性とは?

猫の平均寿命は15~16歳といわれ、かつてより猫の高齢化が進んでいるイメージがあります。しかしたとえ同じような飼育下でも、20歳以上生きる長寿猫もいれば、平均よりも短命な猫もいます。猫の寿命を左右する要因には、一体どのようなものがあるのでしょうか。本記事では、猫の個性のひとつでもある「毛の特徴」が、寿命とどのような関係があるかについて紹介します。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の寿命が伸びている主な理由

日向ぼっこする猫

猫の寿命が伸びている理由には、室内飼いの猫が増え、安全な環境下で猫の健康管理がしやすくなったことが大きく関係しています。外猫の場合は、行動制限がなくストレスフリーにも見えますが、「病気の感染」「猫同士の縄張り争い」「交通事故」といった危険なリスクといつも隣合わせです。

室内猫は行動範囲が決まっていても、適した環境を整えればストレスもなく安全に暮らすことができるため、外猫よりも寿命が比較的長いと言われています。

他にも、良質なフードで栄養を補える、飼い主さんが猫の体調の異変に気付き、病気の早期発見や治療に繋がりやすいなども寿命に影響しているのでしょう。

猫の「寿命」に「毛の特徴」が関係する?

3匹の猫

猫の寿命の長さは、過ごす環境によって左右されることが多いですが、生まれつきの容姿や血統などで寿命に影響はあるのでしょうか。

猫の寿命と「毛の色」

猫の毛の色は、寿命の長さを左右するほどの関係性はありません。しかし、猫の生まれつきの性格は毛の色によって分類されることがあります。

例えば、白猫は少し繊細な面があったり、茶猫は人懐っこい子が多かったりします。
これはあくまで一つのパターンですので、白猫さんでも人懐っこい子がいたり、個体差がありますので参考までにとどめておいてください。

猫のそれぞれの性格によって、同じ環境で過ごしていてもストレスの感じ方や日々の行動パターンは異なるでしょう。

猫の心身の状態は健康にも影響を及ぼす可能性があるので、もしかしたら「毛の特徴の違い=性格の違い=寿命の違い」というように、もしかしたら寿命とも関係してくる面もあるのかもしれませんね。

猫の寿命と「毛の模様」

三毛猫

猫の寿命は、毛の模様と関係性があるというよりも、猫の血統や遺伝的な部分が寿命の長さと関係しています。

猫の種類は「純血種」と「混血種」に大きく分けられますが、日本猫のような混血種は、体も比較的丈夫で過ごす環境にも適応力があることから「長生きしやすい」と言われています。

猫の毛の模様は個体ごとにさまざまで、全く同じ模様の個体は存在しません。もちろん純血種であっても体が弱いというわけではなく、平均以上に長生きする猫も多いため、遺伝的な要素もあるのでしょう。

猫の寿命と「毛の長さ」

猫には毛の短い「短毛種」と毛の長い「長毛種」がいます。毛の長さが寿命に直接的に関係しませんが、お手入れ不足が原因で皮膚トラブルや病気のリスクが高まると、寿命に影響を与える可能性はあります。

毛が長い長毛種は、抜け毛やホコリなどが体に付着しやすいため、短毛種よりもブラッシングやシャンプーなどのお手入れが必要不可欠です。

とくに気をつけたいのは換毛期で、毛の長さに関係なく余分な被毛が大量に抜け落ちます。

グルーミング時に過剰に飲み込んだ毛が胃の中で大きな塊となると「毛球症」となり、排出できなくなってしまいます。腸が閉塞すると、場合によっては命に関わる恐れもあります。

そのため、猫の日々のお手入れは、飼い主さんのフォローがとても大切です。

まとめ

猫とハート

猫の寿命は生活環境や遺伝子疾患の影響が大きく、毛の特徴から寿命の長さが決まるわけではありません。

しかし、生まれつきの毛の色や模様で猫のおおよその性格がわかるので、行動パターンの違いやストレスの軽重などが猫の生涯の寿命に影響していることも考えられます。たとえば、猫がストレスになりやすい環境下では、心身に負担がかかると病気を引き起こすことも少なくありません。

飼い主さんがそれぞれの猫に合った適切な環境を整え、健康面に配慮しながら愛猫の長寿を目指していきたいですね。

スポンサーリンク