猫が肥満か分かる『BCS』とは? 5段階の評価基準と肥満だった場合の対処法

猫が肥満か分かる『BCS』とは? 5段階の評価基準と肥満だった場合の対処法

猫の健康管理として、常に適切な体重でいることは非常に重要です。ぽっちゃり体型の猫はとても可愛らしいですが、肥満は病気の元となるもの。猫の病気を防ぐためにも、飼い猫の体型がどのような状態かを把握すべきでしょう。では、どうやって猫の体重や体型が適正であるかを判断すれば良いのでしょうか。今回はその判断基準と、肥満と判断された場合の対処方法をお伝えします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の肥満度を判断する『BCS』

メジャーを巻き付けた猫

猫の適正体重と一口に言っても、様々な種類や体格の猫がいるため数値で表すことは難しいです。そのため、「BCS(Body Condition Score:ボディコンディションスコア)」という評価基準から見極めます。

BCSとは、お腹や腰回りの脂肪の付き方やくびれ具合などから、その猫の体重が適正なのかを判断する基準のこと。全部で5段階の評価基準があり(9段階のものもありますが今回は5段階のものをご紹介します)、猫の体格や種類に囚われずに肥満度を判断することができます。

今回は、このBCSの評価基準について解説します。

1.BCS1「痩せすぎ」

肋骨や腰椎、骨盤が見た目からもはっきりと見える、首が細い、腰回りが、上から見た時深くくびれているなどの状態は、「痩せすぎ」の状態です。長毛種など見た目でわかりにくい場合は、肋骨や背骨を触って骨張っていないかを確認してみてください。

猫が痩せすぎている場合は、食事を十分に取れていない、食事の量以上に運動をしてカロリーを消費してしまう、何かの病気で食事ができていない、痩せてきているなどが考えられます。

まずは、かかりつけの獣医に相談し、病気などでなければ食事の量を少し増やしたりして、適切な体重になるようにしていきましょう。

2.BCS2「やや痩せ」

肋骨や腰回りを触った時に、骨が容易に触れる状態であること、腰のくびれが少し見られる場合は、「やや痩せ」気味の状態です。

この場合も、痩せすぎの状態と同様に、お医者さんに相談しながら食事の量を見直していきましょう。

3.BCS3「理想的体重」

体重計に乗った猫

肋骨を触ることはできるけれども、見た目ではわからず、腰のくびれも確認でき適正で理想的な体重と言えます。

この状態をキープできるよう、決められた食事量やカロリーを守っていくと良いです。

4.BCS4「やや肥満」

肋骨に触れられるけれども、やや脂肪が沈着していて横からみた時の腹部の状態がやや丸みがあり、動くとお腹の揺れに気が付く状態は「やや肥満」と言えます。

この段階になってくると、今度は食事量を減らすといった対策が必要です。

5.BCS5「肥満」

肋骨や背骨が厚い脂肪に覆われて簡単に触れない、上から見て腰のくびれがほとんど見られない、歩くとお腹の脂肪が大きく揺れている場合は「肥満」の状態です。

この状態になってしまった場合は、猫の食事をしっかりと見直していきましょう。

猫が肥満だった場合の対処法

肥満の猫

BCSが4、5だった場合は、次の原因が考えられます。

  • 食事量が多い
  • 運動量が少ない
  • おやつの与えすぎ

人間も肥満の時は食生活や運動習慣を見直していきますが、それは猫も同じです。与えるフードの量を食事ごとにしっかりと計り、フードもダイエット用に変更するなど対処していきましょう。また、おやつを与えすぎていた場合は、そちらも少しずつ減らしていくと良いです。

さらに、適度な運動をさせることも大切です。もともと猫は運動に適した体をしているため、運動によってカロリーを消費することはありませんが、今以上の肥満を防止させ健康な状態を維持するためにも取り入れることをお勧めします。

ただし、もしすでに食事には気をつけていて、日頃から体を動かしているにも関わらず肥満になっていく場合は病気の可能性があるため、動物病院に相談をしてみてください。

まとめ

体重計と太った猫

今回は、猫の肥満の評価基準である「BCS」と猫が肥満だった場合の対処法をご紹介しました。

いきなり自分で愛猫を判断することは難しい場合もあるため、まずは獣医師に教えてもらうと良いでしょう。

BCSは、猫の体重が適正かを体重計無しで確認をすることができます。猫が肥満にならないように、常日頃から身体の状態をチェックするようにしてみてくださいね。

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