一緒に暮らす猫との相性
突然猫と一緒に暮らすことになった場合、その子の性格などを吟味して選ぶことはできないかもしれません。しかし、猫との生活を計画的に始める場合は、事前にパートナーとなる猫を選ぶことができます。
猫の平均寿命は15歳程度です。20歳過ぎまで長生きしてくれる子もたくさんいます。それだけの歳月を共に生活するわけですから、生活スタイルに見合ったや相性の良い猫を選びたいと思うのは当然のことでしょう。
特に、集合住宅で留守番時間が長い中、猫を迎え入れたいという方も増えてきています。そこで今回は、おっとりとしたおとなしい猫種をご紹介し、その特徴や性格、飼い方のポイントなどをご紹介します。
1.スコティッシュフォールド
基本情報
- 原産地:イギリス
- ボディタイプ:セミコビー
- 被毛:短毛種および長毛種
- 体重:約3.0〜6.0kg
特徴と性格
特徴的な、前方に向かって折れ曲がった耳が有名ですが、垂れ耳は優性遺伝による軟骨の奇形が原因で、出現率は全体の3分の1です。進行性の奇形なので、歩き方の変化などには気をつけましょう。また丸い顔や体型、太くて長くよく曲がるしっぽも特徴的です。
愛嬌のある顔から連想される通り、非常に温和で愛情深い性格をしています。落ち着いており、穏やかでおとなしいですが、人と一緒にいることや遊びも大好きなので、できるだけ多くの時間を猫との遊びに充てたいという方に向いているでしょう。
飼い方のポイント
比較的新しい環境に慣れやすく、賢くてしつけもしやすいです。そのため、猫が初めての方にも向いている猫種だといえるでしょう。
ただし、骨や関節への負担を減らすため、床の滑り止め対策などを施しましょう。
2.ラグドール
基本情報
- 原産地:アメリカ
- ボディタイプ:ロングアンドサブスタンシャル
- 被毛:長毛種
- 体重:約4.5〜9.0kg
特徴と性格
ラグドールとは、ぬいぐるみのことです。とてもおとなしく、抱かれているとまるでぬいぐるみのようだということから名付けられました。
小さなお子さんがちょっかいを出してもあまり怒らないほど、おっとりとした性格の子が多いです。ただし、非常に大きな体に見合うくらい堂々とした、怖いもの知らずな面も持っています。
飼い方のポイント
怖いもの知らずが災いして怪我をすることがありますので、注意しましょう。
また、猫自体はおとなしいのですが、体重があるため床に着地したときの振動が階下への騒音として問題になることがあります。
3.メインクーン
基本情報
- 原産地:アメリカ
- ボディタイプ:ロングアンドサブスタンシャル
- 被毛:長毛種
- 体重:約4.0〜8.0kg
特徴と性格
ジェントル・ジャイアントという別名があるほど、穏やかな性格の大型猫種です。大きくて堂々とした見た目とは異なり、温和で優しく、人懐こい性格です。
普段はとてもおとなしいのですが、じゃれた時の愛情表現はまるで犬のように愛嬌があります。
飼い方のポイント
外交的で活動的なため一緒に遊ぶと楽しい猫ですが、やはり大型猫種なので、集合住宅の場合は階下への騒音対策が必要です。
4.ロシアンブルー
基本情報
- 原産地:ロシア(イギリス)
- ボディタイプ:フォーリン
- 被毛:短毛種
- 体重:約2.5〜4.0kg
特徴と性格
ロシアが原産の自然発生種であるといわれていますが、その後イギリスや北欧に連れて来られて人気となり、第2次世界大戦中に絶滅の危機に陥りました。その後イギリスなどで交配を重ねて回復が図られ、現在のロシアンブルーになったとされています。そのため、原産地がイギリスとされることもあります。
アッシュブルーの美しい被毛と、エメラルドグリーンの大きな瞳が美しくて特徴的です。見た目はクールですが、ご家族を信頼し、よく懐いて深い愛情を示します。鳴き声がとても小さく、ボイスレスキャットとも呼ばれます。
飼い方のポイント
鳴き声も体型も小さいので、集合住宅での暮らしにも向いているといえるでしょう。初めて猫を迎える方にも飼いやすいですが、品種の平均寿命が13歳程度と、通常よりも短命な傾向があるようです。
5.ブリティッシュショートヘア
基本情報
- 原産地:イギリス
- ボディタイプ:セミコビー
- 被毛:短毛種
- 体重:約3.0〜9.0kg
特徴と性格
骨太で筋肉質な、中〜大型の体型です。ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』に出てくるチェシャ猫のモデルとしても有名です。
性格はおっとりしており、神経質な面が見られません。そのため、小さな子どもや他の動物がいる環境にも適しています。鳴き声が穏やかで、人懐こく甘えん坊な遊び好きです。
飼い方のポイント
自立心が強くひとりで過ごすことにも寛容なため、留守番があまりストレスになりません。ご家族が長時間留守にすることの多いご家庭でも暮らしやすいでしょう。
ただし、体が大きくて活発なため、集合住宅の場合は階下への騒音対策を工夫しましょう。
まとめ
猫種による特性を元に、おっとりした性格の猫種をご紹介しました。ただし、個体差も大きいため、猫種で一括にせず、迎え入れた子としっかり向き合いましょう。
どんなにおっとりした性格の猫種でも、飼い方によっては警戒心が強く神経質になってしまいます。逆にどんな猫種であってもきちんと健康管理を行い、その猫が本来持っている自然な行動を自由に引き出せればおっとりとした性格になり、穏やかで快適に共生できるはずです。
おっとりした猫種だからと安心せず、心身ともに健全に暮らせるよう、ご家族としてのサポートも忘れないようにしましょう。