猫の偏食の原因と対処方法とは
猫にとってとても危険な偏食の原因と、改善するための対処方法について解説します。
1.体調不良の可能性
体調が優れないときは、人でも口当たりのいいものに目が向きます。猫がおやつばかりを食べたがるのは、もしかすると体調が優れないのかもしれません。
何となくでも気になるときはまず検査をして、体に異常がないかを確認しましょう。
2.小さい頃の食習慣
猫は、子猫時代に食べていたものをソウルフードと考えます。これは母猫が食べていいものを教えるという自然界の決まりがあるからで、生後数ヵ月間についた嗜好性を変えるのはなかなか難しいといえるでしょう。
とはいえ、猫は新しいものを食べる柔軟性がないわけではないのです。
そのため、最初は食べさせたいフードを、ほんのちょっぴり混ぜ込むことから始めましょう。切り替えたいフードを粉にして振りかけていく方法もあります。そして様子を見ながら量を調節し、数ヵ月かけるつもりで焦らずゆっくり量を増やしていきます。
3.おやつをあげ過ぎる
おやつの量が多かったり、家族がそれぞれ別のタイミングでおやつをあげていたりすると、猫は満腹でごはんをあまり食べなくなります。そんなときは、おやつタイムの回数と量の記録をとると、問題点がはっきりします。
また、同居の家族が複数いる場合は、愛猫の偏食癖について問題提起してしまいましょう。改まった雰囲気で偏食の危険性をきちんと伝え、その場でおやつのルールを決めてしまえば、必ず家族は分かってくれます。
4.おねだりに根負けする
これは飼われている動物の共通あるあるかもしれません。しかし、人が猫に根負けしてはダメなのです。
猫の健康を守るためなのですから、猫のおねだりは猫のために徹底的に無視しましょう。そして猫パンチなどの強硬手段に出た場合には、きちんと叱らなければなりません。
しょげる姿は少し可哀想なのですが、一番可哀想なことは何なのかを考えて頑張っていきましょう。
偏食で起こりやすい健康被害
では、偏食のせいで起こる健康被害にはどのようなものがあるのでしょうか。状況別に確認してみましょう。
栄養バランスの偏り
おやつばかり食べてしまう猫がいますが、おやつと呼ばれる一般食は、いわば猫用スナック菓子です。
お菓子メインの食生活は当然栄養バランスが偏り、肥満を始めいつどんな不調が起きてもおかしくありません。
黄色脂肪症
「黄色脂肪症」は体の脂肪が変質し炎症などが起こる病気で、主に魚に偏った食生活に起因します。
原因は魚に多い不飽和脂肪酸が代謝不良を起こすからですが、ビタミンEを十分含む総合栄養食の普及でかかる率は激減しました。しかし今でもごく稀に見られる怖い病気の1つです。
肥満や腎臓病等の成人病
人の食べ物を与えられて、それしか食べなくなってしまった猫もいますが、人の食べものは総じて脂肪や塩分、糖分が多すぎます。
これを日常的に猫が食べていると、肥満・心臓病・高血圧・腎臓病・糖尿病など、人でも大変な成人病にかかるのです。
栄養不足
ドッグフードを与えていたらそちらしか食べなくなってしまった猫もいるようです。
この場合、すぐに問題が起こるわけではありませんが、ドッグフードは犬用ですから、やはり猫に必要な栄養素が欠けています。
そのため、ドッグフードばかり食べる猫は、アラキドン酸やタウリンなど、猫に必須の栄養不足で体調不良を起こすのです。
まとめ
猫の偏食癖を矯正するのは、なかなか骨の折れる仕事です。しかしずっと元気で楽しくいてもらうには、ダメなものは諦めてもらい、少しならセーフなものは回数制限を受け入れてもらわなくてはなりません。
「ノー」の場合は毅然とした態度で臨み、フードの変更なら気長に少しずつやっていくしかないでしょう。
ただし、そもそも体調不良が原因の場合もありますので、一見元気そうだとしても1度獣医さんに相談してみることをおすすめします。