1.縄張りのチェック
室内で飼われている猫にも自分の縄張りがあります。野生において縄張りとは餌の狩場や安心して休める居場所です。生き抜くために重要な場所だったため、猫は縄張りを周回する習性があります。
イエネコになった現在でも、その習性は変わらず室内のテリトリー内に侵入者がいないか、異常がないかを毎日見て回っているのです。室内で飼われている猫が縄張りとしやすいのはいつも食事をとるスペース、高い場所、窓際、飼い主さんの寝床などです。
猫にとっては平和な日々を送り続けるために必要不可欠なルーティンワークなので、ジャマをせず思う存分パトロールさせてあげましょう。
2.マーキング
猫が室内パトロールを行うのは、縄張りのチェック以外にマーキングを付け直す目的もあります。マーキングとは自分が分泌するフェロモンを擦り付けて、ここは自分の場所と主張する行動です。
家具の端に顔をすりすりと擦りつける、おしっこのようなスプレー行為なども猫のマーキング行為です。毎日、室内の安全をパトロールして回るついでに自分の匂いを付け直して、自分のテリトリーをアピールしています。
ちなみに、飼い主さんが帰宅した際に足元にスリスリ寄り添ってくるのもマーキング行為です。この人は自分の物と主張している親愛のサインですので、やさしく受け入れてあげてください。
3.ストレスのサイン
猫が室内をウロウロとするのは、ストレスを感じているサインかもしれません。たとえば、引っ越しで住む場所が変わった、室内の家具を新調し環境が変化した、いつもと違うフードやトイレに交換したなど日常の変化を猫は敏感に察知しストレスに感じます。
そうしたストレスに紐づく不安から、結果として念入りに室内をパトロールするようになります。その他、新入り猫や人間の赤ちゃんなど家族が増えた場合も猫が不安を感じストレスから室内をウロウロすることが多くなります。
4.病気の可能性
猫が室内をパトロールする理由として病気も考えられます。甲状腺ホルモンのバランスが崩れる甲状腺機能亢進症の場合、猫が活動的に動くようになります。甲状腺機能亢進症が発症している猫は食欲が増加しているのに体重が減る症状がみられます。
また、猫のパトロールに関連する病気として泌尿器疾患も疑わしいです。膀胱炎や尿路結石などを患った猫は残尿感と共に痛みを伴うため徘徊することで紛らわせようとします。病気の可能性が疑わしいと感じた際は、はやめに動物病院を受診しましょう。
まとめ
猫にとってパトロールは日常の平和を守る大事なお仕事です。ただウロウロしているように見えて、テリトリー内に異常がないか、安全かを厳しくチェックしてくれています。飼い主さん達が安全な暮らしを過ごせているのは、もしかするとこうした猫たちによる日頃のパトロールのおかげかもしれませんね。