猫好きな人ほど猫に懐かれづらいって本当?
20016年頃を境に、国内における飼育頭数は猫が犬を上回り、猫ブームだといわれています。
そんな中でよく耳にするのが、「自分は猫が好きなのに近寄ると逃げられる。でも、猫に興味のない友人には猫の方から近寄ってくる。どうしてだろう?」というお悩みです。
これは決して笑い話ではありません。筆者も同じ体験をしたり、身近で同じような光景を目にしてきました。この事実と理由を理解できれば、猫が好きなのに懐いてもらえない方も、きっと猫から懐かれるようになれるでしょう。
猫に懐かれる人と懐かれない人の違い
まずは、猫に懐かれる人と懐かれない人の違いについて見ていきましょう。
1.立ち居振る舞い
猫に懐かれたいのなら、猫の習性をきちんと理解しましょう。
森の中で群れを作らずに単独で狩りをしながら生活していた習性は、人と一緒に暮らす今の猫たちにも受け継がれています。自分で自分の身を守らなければならなかった猫は、縄張り意識と警戒心がとても強いです。そのため、猫を怖がらせない立ち居振る舞いができるかどうかがポイントになります。
猫に懐かれる方は、猫を怖がらせません。常に気持ちが安定して穏やかです。猫に心地よいトーンでやさしく話しかけ、動作もゆったりとして、予測不能な行動はしません。まるで小柄でおとなしいおばあちゃんのような方なのです。
一方懐かれない方の典型は、いつ何をするかわからない方です。猫が苦手な低めで大きな声で怒鳴るように話し、目を睨みつけられ、感情的でヒステリックなことが多いです。まるで元気があり余り、時として感情を爆発させるわがままな子どものような方です。
2.思考の中心
猫が好きな方は、時として「好き」という気持ちが大きくなりすぎてしまい、自分本意に猫に接してしまいがちです。いま猫が何をしているのかなどお構いなしになってしまうのです。
しかし、猫にも毛づくろいに勤しみたい、ゆっくりと眠りたいなど、猫なりの事情があります。また時には「かまってほしいな」と思うこともあります。そのため猫は、普段はあまり自分に関心がなく、でも自分が近づいた時には適度にかまってくれるような人に懐くのです。
自分本位な人よりも、相手を優先してくれる人の方が好まれるのは、猫でも同じなのです。
3.信頼できるか
野生の猫は自分で自分の身を守り、食事も自分で調達します。しかし人と一緒に暮らしている猫には、そうしたくてもできません。猫の世話は、一緒に暮らしているご家族が行うしかないのです。
したがって、まず大前提は「この人は信頼できる」と思われる人であることです。自分勝手に寝坊をしていつ食事を出してくれるのかわからないような人、トイレが汚れていても平気で放っておくような人では、なかなか信頼してもらえません。
猫に懐かれるために気を付けるべきポイント
ではここからは、猫に懐かれるために気を付けるべきポイントについて検証していきましょう。
穏やかな気持で静かに暮らす
もしご自身が感情的だと自覚をされているのであれば、意識して行動を変えてみましょう。カッとなってもそのまま怒鳴ったり大声を出したりせずに、まずは大きく深呼吸してみましょう。
ご自身の感情をコントロールでき、穏やかな気持で暮らせるようになると、猫も安心して過ごせるようになるものです。
猫が好む声質や話し方
猫の聴覚はすぐれていますが、その中でもよく聞こえるのが、獲物となる小動物の鳴き声によく似た波長の音だといわれています。
猫に話しかける時には、意識して高い声、いわゆる猫なで声を使うと良いかもしれません。また、必要以上に大声は出さないように意識しましょう。
目をじっと見つめない
どんなに猫が可愛くても、猫の目をじっと見つめ続けることは避けましょう。目を見つめるのは、猫同士の「攻撃のサイン」になるので警戒させてしまいます。時々視線を外すようにしながら話しかけると良いでしょう。
猫を迎え入れてすぐの頃は、ご自身の視線を猫の視線の高さに合わせると良いでしょう。上から見下されると、猫は脅威に感じます。筆者も愛猫を家に迎え入れた頃は、床に腹這いになりながらコミュニケーションをとっていました。
追いかけ回さない
猫のお世話をするためには、猫を捕まえなければならないことも多々あります。しかし、猫を追いかけ回したり追い詰めたりしないでください。恐怖体験をしっかりと記憶し、怖い思いをさせられた方を見かけると逃げるようになってしまいます。
動物病院に連れて行くためのにキャリーバッグも、普段から部屋の中に出しておき自由に出入りさせるようにしておくことをおすすめします。
まとめ
猫に懐かれるためには、自分の気持ちではなく、猫の気持ちを優先することが大切です。そのためには、猫のことを学び、習性や感情表現などについて理解することが求められます。
猫のことを学び、知ろうとすればするほど猫の気持ちに立って考えられるようになり、猫からも信頼され、懐かれるようになるはずです。一緒に頑張りましょう。