激怒症候群とは?
「激怒症候群」とは、なんの前触れもなく突然激しく人等を攻撃してくる原因不明の病気です。
もともと犬には確認されていた病名ですが、猫も最近になって発症することが認められました。
別名「特発性攻撃行動」とも呼ばれるこの激怒症候群では、以下のような問題行動が継続的に見られます。
- 急に噛みつく
- 暴れて引っ掻く
- パニックを起こす
発症すると、近くにいる人や同居している猫などに対して、これらのような行動でいきなり攻撃してしまいます。
犬の発症年齢が1~3歳がほとんどのため、猫も同じように3歳未満の若い猫に発症する可能性があると言われています。
激怒症候群の症状
激怒症候群は、猫の逆鱗に触れるようなことをして発作を起こすわけではありません。
原因は解明されていない病気ですが、可能性のひとつとして脳神経系に異常を起こす「てんかん」の発作が関係していると考えられています。てんかん症状でも見られる次のような行動が目立っていたら激怒症候群の疑いがあります。
1.豹変してしまう
多少の噛み癖がある猫でも、飼い主さんに対しては甘噛み程度に抑えてくれることが多いです。しかし、性格が変わったかのように突然凶暴になってしまい、本気で噛みついたり引っ掻いたりと攻撃をしてくる場合は注意が必要です。
2.怒っているサインを出さずに攻撃してくる
猫が嫌なことをされて怒る時は、耳や尻尾など体の部位にイライラの感情があらわれていたり、声を発しながら威嚇したりしますが、このような怒っているサインを全く見せることなく突然攻撃してきたら、激怒症候群の可能性があります。
3.きっかけも無く突然攻撃してくる
猫は環境の変化に弱いため、大きなストレスを抱えたときに攻撃的になってしまうケースも全く無いわけではありません。
しかし、猫の苦手なことや嫌がるきっかけなどストレスの原因になるようなことに覚えがないのに突然攻撃されてしまった場合には、激怒症候群の発症が考えられます。
激怒症候群の対処方法
突然起こす問題行動が継続的に見られる場合は、獣医師や専門医に相談することが何よりも大切です。
愛猫に激怒症候群の疑いが見られたら、以下のことを実践してみましょう。
- 猫の様子を記録する
- 猫の生活環境を見直す
猫が発作を起こした状況や頻度などの記録を正確に獣医師に伝えることで、スムーズなカウンセリングや診察ができるため、病気も特定しやすいです。「どのようなタイミングで発作が起きるのか」や「攻撃行動のパターン」などが分ってくれば、病気と向き合いやすくなります。
また、人への突然の攻撃や猫自身もパニック時にケガしてしまうのを防ぐため、今まで以上に猫の生活環境にも配慮することが必要です。
ぶつかってしまうと危ない物を猫がよくいる場所の近辺に置かないようにすることや、侵入してほしくない場所にペット用ゲートを設置するなど、飼い主さんができる範囲で環境を整えましょう。
まとめ
猫の性格とは関係なく発症してしまう「激怒症候群」。現状では不明な点も多いですが、前触れのない攻撃や気になる問題行動が見られたら猫の様子をよく観察し、まずは状況を把握することが大切です。
愛猫の行動に異変を感じたら、くれぐれも不安な思いを自分だけで抱え込んだり、自己判断したりしないようにしましょう。
問題行動の原因は激怒症候群に限らず、別の病気が隠れている可能性もあります。まずはかかりつけの獣医師に相談することを心がけていきたいですね。