1.ぶどう
秋になるとスーパーにシャインマスカットや巨峰などのおいしそうなぶどうが並びますが、猫にとってはNG食材です。
犬がぶどうを食べてはいけないというのは知られているかもしれませんが、猫にとっても有害と言われています。猫と犬は身体の構造が似ているため、同じ食材で中毒を起こす可能性が否めないからです。
ぶどうを与えると下痢や嘔吐、腎機能障害や尿毒症になることがあります。生のブドウだけでなく、レーズンやぶどうジュースも同様です。
少量であっても中毒症状を起こすことがあるため、もしペットの猫が食べてしまった場合は、すぐに病院を受診してください。
2.生の青魚
秋はサンマ、イワシ、サバなどの青魚が旬な食材です。野良猫がサンマを丸ごとくわえている昔ながらのイメージがあるかもしれませんが、生の青魚は猫にとってリスクがある食べ物です。
生の青魚には「アニサキス」のような寄生虫がいることがあり、加熱しなければ死滅しません。また、鮮度が落ちた魚を与えるとアレルギー反応を起こすことがあります。
また、青魚には「不飽和脂肪酸」が多く含まれているため、火を通したとしても与えすぎには気を付けてください。
3.いちじく
美容効果もあり、秋に人気の果物であるいちじくですが、ぶどうと同様に実は猫には食べさせてはいけない果物です。
「フィカイン」は、いちじくの実や葉に含まれている物質です。フィカインの影響で皮膚炎症や唾液の過剰分泌、嘔吐を引き起こす可能性があります。
触るだけでも炎症が出ることがあるので、猫の手が届く場所にいちじくを置かないようにしてください
まとめ
ペットの家族化が進み、愛猫においしいものをあげたいという気持ちになることがありますが、食べたら致命的な食材もあるため、正しい知識が必要です。
一般的に果物は身体に良いイメージがあるので、今回ご紹介したぶどうやいちじくについて知らなかった飼い主さんは特に気を付けていただければと思います。
食欲の秋だからこそ、健康に気を付けながら楽しい食事の時間をお過ごしください!
執筆者
アニホック往診専門動物病院
総獣医師長/株式会社TYL 取締役
藤野 洋(ふじの ひろし)氏
日本大学生物資源科学部(旧 農獣医学部) 獣医学科卒業後、獣医師としてペットの総合商社に入社。主に獣医師として小動物臨床に従事しながら、ペット用品及び生体販売、フランチャイズ展開の知見を深める。2007年3月に株式会社フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。2017年3月に株式会社フジフィールドをファンドに株式譲渡。動物病院のグループ化とIPOの土台を築くために、譲渡先であるファンド出資の会社にて代表取締役としてM&A推進と既存グループ動物病院及び店舗の運営全般を行う。2021年2月TYLに取締役として参画。