パーソナルスペースとは?
「パーソナルスペース」とは心理学用語で、自分(この場合は猫)の周りにある見えないバリア領域を指しています。
猫のパーソナルスペースを調べてみると、猫を中心に半径0cmから数mの同心円の範囲が猫の心の親密度と距離を表わしていて、それを無視して踏み込むと、猫は不快感や恐怖から逃げたり戦ったりするようです。
チームを作らずひとりで狩りをする猫は、自分の体の安全と健康が全ての基本になっています。そのため猫は他者と争いにならないようできるだけ広いパーソナルスペースを持ち、無駄な争いを避けています。
逆にパーソナルスペースに侵入者がいないときや親しい他者しかいないときは、猫が安心できるとき。心おきなく毛づくろいしたりうたた寝したり、自分のことに集中することができるのです。
猫のパーソナルスペースで飼い主が気を付けるべきこと
ではここからは、猫のパーソナルスペースにおいて、飼い主が気を付けるべき点について解説いたします。
1.猫の距離感を大切にする
パーソナルスペースには個体差があります。パーソナルスペースの広い猫は慎重で警戒心の強い猫、狭いのはフレンドリーな猫ですが、性別や生まれつきの性格、さらには相手との親密度で変わります。
まずは、愛猫の距離感はどれくらいなのかを把握して、理解することが大切です。
2.猫の都合を考える
パーソナルスペースは時間やタイミングによっても変わります。
昼寝中など猫が放っておいて欲しいとき、つまりとてもパーソナルな時間帯に手を出せば、当然猫から嫌われます。まかり間違えば「嫌がらせが好きな人」とまで思われて、距離をおかれてしまうのです。
3.猫の「お願い」を無視しない
言いなりはよくありませんが、猫に「ちょっと待って」を繰り返すのもNGです。
せっかく歩み寄ってくれたところを断り続ければ、逆に猫が飼い主さんのパーソナルスペースに遠慮して、甘えることを控えるようになるからです。
4.猫の「嫌だ!」を無視しない
猫の「嫌だ」はもちろん「止めて!」の意味で、これも立派なお願いです。
例えば、抱っこが嫌なときに無理強いすれば猫との距離は遠のくばかり。逆に、すぐ放すよう心がければ、抱っこを許してくれるようになるのです。
5.猫からのアプローチを待つ余裕を
保護猫活動をされている方は、極度の人見知りを甘えん坊に変えるのが得意です。その最大のコツは、いつか慣れると信じてひるまず慌てず、猫に全てをゆだねること。
のんびりゆっくり待つ心が、猫のパーソナルスペースをいち早く縮めるのかもしれませんね。
まとめ
パーソナルスペースとは、心のバリア、穏やかに他者と過ごせる最低ラインの領域または距離のことです。愛猫と上手く行かない部分があるときは、もしかするとそのバリアを無視しているのかもしれません。
猫と仲よくするには、そのバリアをどこまで理解できるかにかかっています。時間はかかるかもしれませんが、理解が進めばきっと猫は分かってくれます。だってバリアの縮小を望んでいるのは、実は愛猫本人なのですから。