1.虫がいる
猫が何もない宙を見つめていて一番確実なのは、猫の視線の先に虫がいるときです。それは小さなクモかもしれませんし、ハエやムカデかもしれません。
子グモは風に乗って旅をしますし、ハエや蚊はエレベーターで、ムカデは野菜の箱に入ってやって来ます。ゴキブリも何かに紛れて侵入するので、マンションの高層階でも虫が出ないわけではないのです。
2.何かが聞こえている
猫は人よりはるかに耳がいいので、目線の先のかすかな物音を聞いているのかもしれません。ちなみに耳が動いているときは音の出所を探しているとき、耳の動きがほぼないときは音の正体を探っているときです。
考えられるのは壁の向こうのネズミや虫の気配、家のきしみ、いつもと違う車や風の音など、危険は感じないまでも不思議だなぁと思う音が聞こえてきているのでしょう。
3.光などが見えている
猫の目は人と違って、青や緑や黄色は見えても赤い色は見えません。また視力も0.1以下なので、ものの形を人のようにくっきり鮮やかに捉えることができません。その代わり動体視力(動くものを見つける能力)が優れているので、動くものに大しては人の数倍目ざといのです。
紫外線まで見えるといいますから、室内のほこりに反射する光など、かすかな空気の動きを見ているのかもしれませんね。
第六感で何か見ている?
猫が宙を見る行為には「フェレンゲルシュターデン現象」という立派な名前が付いています。ナチスドイツの科学者シュターデンが研究し、立証したとされていますが、実はこれが真っ赤な嘘!
確かにナチスの台頭した20世紀初頭は霊の研究が盛んに行われており、こういう研究があっても全くおかしくありません。しかし当時の研究技術は未熟でしたし、実際マジシャンや詐欺師たちの独壇場でした。
それでなくてもナチの研究は都市伝説に使われやすく、案の定これも2010年に某サイトに突然出てきた単なるデマだということです。
とはいえ、猫が何を見ているのか分からないとき、とっさに思うのはやはりお化け(幽霊)がらみですよね。ただ、今のところ霊の存在や猫の霊視能力は立証されておらず、個人の判断にゆだねられています。
しかし中には「亡くなった猫が来てるかも」と思う方もいるようです。知らない人が立っているのは嫌ですが、そういう霊ならぜひ遊びに来て欲しいと思います。
まとめ
猫が宙を見つめている理由がよく分からないのは、ほとんどの場合人と猫に大きな能力差があるせいです。しかしそんなことが起きたときにはお化け話で終わらせるより、一緒に見たり聞いたりしてみる方が得策です。
なぜならその理由が、壁の向こうのネズミや雨漏りのせいかもしれないからです。
もしそうでなくても、愛猫に寄り添って一緒に宙を見ていれば、きっと喜んでゴロゴロいってくれるでしょう。