猫が『毛づくろい』をしなくなったら要注意!2つの原因と病気の可能性

猫が『毛づくろい』をしなくなったら要注意!2つの原因と病気の可能性

毛づくろいは猫にとっては毎日欠かすことのない行動ですが、毛づくろいが極端に減ってしまったら注意が必要です。本記事では、毛づくろいをしなくなる理由や飼主さんが愛猫にしてあげられることをご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

毛づくろいの効果

毛づくろいする茶猫

いつも日常行動としていた「毛づくろい」を、突然愛猫がしなくなってしまったら…。飼い主さんとしてはとても心配になってしまいますよね。

猫の毛づくろいは、猫の体の健康を保つために大切な役割がたくさんあります。

  • 体を清潔に保つ
  • リラックス効果
  • 体温調節
  • アローグルーミング(猫同士の毛づくろい)など

猫のする毛づくろいは、健康な皮膚や被毛を保つために、ザラザラした舌で汚れや抜け毛などを絡めとって清潔な体を維持することはもちろん、猫は肉球以外に汗をかかないため体温調節をする役割もあります。

被毛を舐めて唾液の水分を蒸発させることで体温を下げるので、体の健康を維持するためには欠かせない行動です。

他にも、猫同士での毛づくろいはコミュニケーションをとる目的で行っていることもあります。多頭飼いであれば、自分では届きにくい部分を他の猫に毛づくろいしてもらうことによって信頼関係を高めたりしています。

今回は、そのような猫にとって大事な「毛づくろい」を、愛猫がしなくなった場合に考えられる原因と病気の可能性について考えてみました。

1.高齢による体の衰え

毛づくろいをする仔猫

猫は高齢期に入ると体や行動に変化が少しずつあらわれてきますが、毛づくろいをしなくなるのも老化で見られるひとつのサインになります。

高齢猫の場合は動きが鈍くなり、体を動かすこと自体が億劫になるため、毛づくろいの回数は若い猫と比べればどうしても減ってきてしまうでしょう。毛づくろいをしようとしても、その日の体調によっては体を動かせないこともあり、難しい場合も多いです。

飼い主さんが意識しないと気付きにくいこともありますが、高齢によって毛づくろいが減ってきたら、ブラッシングなどのお手入れを増やしてあげましょう。

2.肥満による体形の変化

肥満の猫

柔軟な体を持つ猫は器用に体を曲げて毛づくろいをしていますが、太って体形が変わってくると思うように体が曲げられず、体のお手入れも減りがちです。

肥満は毛づくろいが難しくなること以外にもあらゆる病気を引き起こしてしまうので、少しずつでも適正体重に近づけるように運動や食事をコントロールする必要があります。

お腹周りに脂肪が多いと毛づくろいしたいところまで届かず、清潔な体を維持することができなくなります。そのため飼い主さんが定期的なブラッシングをしてあげたり、ペット用のボディタオルで拭いたりするサポートが必要です。

病気の可能性

伏せている猫

健康な猫であれば毛づくろいは毎日欠かすことのない日常的な行動ですが、今まで行っていた毛づくろいを突然しなくなってしまった場合、もしかしたらなんらかの体調不良が原因となっているのかもしれません。

まずは、愛猫に起きている症状が他に無いかを確認しましょう。食欲の低下や嘔吐や下痢といった異常などがある場合は、猫の体に病気が潜んでいる可能性を疑って早めにかかりつけの獣医師に相談することが大切です。

一方で必要以上に同じところを集中して舐めていたり、毛づくろいを過剰にしてしまうような逆の行為も、ストレスによる異常行動や痛みなどの体調不良の可能性があります。

いずれの場合でも、猫が過ごす環境の変化やストレスの原因となることがなかったか、今一度見直しをする必要があります。

まとめ

猫の毛づくろい

猫が毛づくろいをする理由には「毛並みを整える」「体を清潔に保つ」以外にも「精神的な安定」などといった様々な意味があり、猫にとって心身共に健康を保つためには欠かせない行動のひとつです。

いつもより頻度が少ないなどの多少の違いは問題ありませんが、毛づくろいしている様子がほとんど見られなくなってしまった場合には、その原因を突き止め、すみやかに対処する必要があります。

毛づくろいをしなくなってしまった理由に肥満や高齢が当てはまらない場合は、病気などによる体調不良で毛づくろいができない場合もあります。

元気のない様子や食欲や排泄に関する異常などの異変が見つかったら、早急に動物病院を受診することが何よりも大切です。

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