猫の「わがまま」は本来の姿
猫に対してわがままなイメージを持つ人が多いようです。
突然甘えてきたと思えば、いきなり知らんぷり。人が触ろうとすると逃げるくせに、撫でて欲しいときはところかまわず乗ってきます。人間の感覚で「なんて自分勝手なの!?」と言われてしまうのも、うなずけますね。
しかし、猫のマイペースやツンデレはわがままとは異なり、猫本来の習性です。
猫は犬のように集団行動はせず、単独行動の動物。そもそも本能のなかに協調性をもちあわせていません。基本的には、上下関係や気遣いもなく生活しているので、自由きままに見えてしまうようです。
ここで述べる「わがまま」とは、猫の要求のことです。
猫は、ご飯が欲しいときや、撫でて欲しいときなど、自分の主張を伝えるときに「要求鳴き(ようきゅうなき)」をします。「にゃ~」と鳴かれると、かわいくてつい要求に応えてしまいませんか?
猫は要求が叶ったことを学習するので、猫のわがままはエスカレートしていきます。要求に応じすぎると、どのようなデメリットがあるか、紹介していきます。
1.鳴きやまなくなる
要求や不満があるときに猫は鳴きますが、言うことを聞きすぎるのはよくありません。過剰にお世話をすると、猫は主張が通るまで鳴き続けるようになってしまいます。
飼い主の姿勢として、小さくても主従関係をもっておくのがおすすめ。時には「鳴いても無駄だ」と、猫に教えることも必要なので、あるていど無視する場面も作ってみましょう。
2.攻撃的になる
猫は自分の要求が通らないとき、噛むことや爪でひっかくなど、攻撃的にもなります。
- わざと物を落とす
- カーテンをひっかく
- クッションに噛みつく
猫のわがままが日常的になっていると、少しでも対応が遅れただけで、猫が攻撃的になってしまうこともあるのです。また、猫が欲求不満やイライラを八つ当たりする「転嫁行動」に繋がることも…。
猫が悪さをしたときこそ、すぐに要求に応えてはいけません。猫は、攻撃をすることで、欲望が満たされたことを学習。問題行動が改善されぬまま、わがままは加速するばかりです。そんなときは、悪さをしたその場で水をかけたり驚かせたりなど罰を与え、その後、要求を満たしてあげましょう。
また罰を当たえると言っても、体罰は禁物ですよ。
3.肥満になる
猫の要求で最も多いのが「ご飯」です。
1日に必要なキャットフードの量は、猫の月齢と体重によって目安があります。要求されるたびに必要以上にフードを与えてしまうと、猫は肥満になってしまうのです。
またドライフード(通称カリカリ)以外で、猫が夢中になっているのがウェットタイプのおやつ。猫にとって魅力的なので、1日に何度も欲しがる猫もいます。これも与えすぎはカロリー過多。ご飯は決められた量を決められた回数で与え、おやつは当たり前のようにあげず、ご褒美の感覚であげるのがコツですよ。
まとめ
愛猫の「にゃ~!」というカワイイ鳴き声でおねだりされたら、飼い主さんはつい甘やかしたくなるものです。要求を受け入れてあげれば、猫も喜びますし、「良い人」として認定されるかもしれません。
でも、わがままに応えすぎた末路には、デメリットがあることもお忘れなく。猫は愛してやまない家族ですが、必要な距離感をたもつことが大切ですね。