1.牛レバー
「貧血」とくればやっぱり「レバー」ですよね。体に吸収されやすいヘム鉄を含み、断トツの鉄分含有率を誇ります。しかしレバーは、食べ過ぎると体調を崩すという難しさも持っています。
原因はビタミンAの過剰摂取。手作り食を食べさせている飼い主さんでも、レバーご飯は週に1回程度です。まして日常的にキャットフードを食べている猫なら、あっという間に摂り過ぎてしまいます。
キャットフード派の猫に食べさせたいときには、ビタミンAが少なめな牛のレバーがおすすめです。それをほんのひと口からふた口程度、月に数回ご馳走するといいでしょう。さらにレバーには食中毒の心配がありますから、必ず火を通してくださいね。
2.鶏もも
次におすすめなのが「鶏もも」です。レバーより鉄分の含有量は落ちますが、もともと猫が好む味ですし、ビタミンAの過剰摂取も心配ありません。
日常的に食べても平気な肉ですが、ササミなどに比べるとカロリーは高めです。そこが鶏ももの美味しさではありますが、沢山食べれば肥満につながりますし、おやつは少なめが鉄則です。
鶏ももを食べさせるときは、茹でて油をできるだけ落とし、低カロリーにしてあげましょう。
3.カツオ、イワシなどの海の魚
三番目は、鶏ももと同じくらいの鉄分を含む海の魚たちです。カツオやイワシがその代表で、マグロは少し劣ります。晩酌のようにお刺身を食べる猫がいるように、多少食べ過ぎても大丈夫です。
ただし生魚にはアニサキス虫の危険性がありますし、骨をのどに詰まらせたり、アレルギーが出たりなど、問題の起こる原因が沢山あります。またイワシなどは油の含有量が高いので、食べ過ぎは肥満につながります(※)。
もし魚を食べさせたいときは、生で食べられるような新鮮なものを選び、必ず火を通しましょう。
※青魚の食べ過ぎが原因の「黄色脂肪症」は、摂り過ぎた魚の不飽和脂肪酸(油の1種)が原因でビタミンE不足を引き起こす病気です。しかしきちんと総合栄養食を食べている猫は十分なビタミンEが摂れており、よほど異常な条件でなければ起こらないといわれています。
まとめ
猫に特別に鉄分豊富な食べ物を食べさせたいときは「牛のレバー」「鶏もも肉」「カツオやイワシなどの海の魚」がおすすめです。しかしそれぞれの肉・魚には独特の成分・特徴があり、それを知っていないとよくない結果になってしまいます。
そして覚えておきたいのは、キャットフードを食べている限り、普段は特に鉄分を増強する必要がないことです。さらに病的な貧血になったときには、食べ物では改善しないこと、病院での治療などが必須であることも頭の隅に入れておいてくださいね。