猫は同居猫や人の名前を認識できる!
言葉を話せない猫ですが、飼い主さんの言っていることをなんとなく理解しているように感じることはありませんか?「ごはん」や「おやつ」などの単語に目をキラキラ輝かせる姿を見ると、猫はどのくらい言葉や物の名前をわかっているのか興味がわきますよね。
なんと猫は自分の名前だけでなく、同居する猫や人の名前を認識していることが判明したそうです。猫が家族の名前を理解していることが明らかになったのは、京都大学が上智大学や麻布大学と行った共同研究の成果によるもので、2022年4月25日に 「日常生活の中でネコは友達のネコの名前を学習する」 と題した研究結果が発表されました。
発表によると猫は家族の名前を認識しているばかりか、名前を聞くとその顔を思い出しているとのこと。猫への理解が深まった実験の内容と結果をご紹介します!
猫の名前に関する理解度を調査する2つの実験と結果
人間や動物は期待と異なる事象が起きると、その事象を長く見るという性質があるそうです。つまり猫に家族の名前を聞かせた後で名前と一致しない人や猫の写真を見せると、名前と一致した写真を見せた時よりも長時間写真を見るはずだということですね。この前提をもとに、同居している猫や人の名前に対する猫の理解度を調べる2つの実験が行われました。
実験1
猫カフェの猫と3匹以上で飼育されている家庭の猫を対象に、同居猫の名前を呼ぶ声を4回再生した後でモニターで写真を見せるという実験が行われました。名前と一致する写真を見せた時と不一致の写真を見せた時で、モニターを見る時間の長さに違いがあるのか調査したところ、猫カフェの猫では差が見られなかったそうです。
一方、家庭の猫は名前と顔が不一致の場合に、モニターを見る時間が長くなるという結果になりました。家庭の猫は家族として同居猫とより親密な関係を築いているからなのか、お互いの名前と顔を一致させて覚えているようですね。
実験2
家庭の猫のみを対象に、同居する人間の名前と顔を理解しているのかを「実験1」と同じ方法で調査しています。「実験1」では同居猫の名前と顔を理解できているようでしたが、人間の家族の名前と写真の顔が不一致でも、モニターを見る時間に差はないという結果になったそうです。
「ということは、飼い主である私の名前と顔は愛猫に覚えてもらえていないのだろうか?」とガッカリしてしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし飼育期間が長い猫や同居家族の人数が多い猫では、名前と不一致の写真を見せた時にモニターを長く見るという結果になったとのこと。
日常的に愛猫の前で名前を呼ばれる機会が多い場合は、飼い主さんのお名前をしっかり覚えてくれているかもしれませんね!
まとめ
研究により、猫は家族として一緒に暮らしている同居猫の名前と顔を認識していることがわかりました。人間の家族については、今までどれくらい家族の名前を聞く機会があったかによって理解度が異なるようです。現段階で家族の名前を覚えていない猫でも、家族が名前を呼び合っているのを聞いて過ごすうちに、名前を覚えてくれる可能性があるでしょう。
今後も、猫にまつわる興味深い研究が進んでいくことに期待したいですね。なお研究の対象となった48匹の猫のうち、1匹が「実験2」を行う前に部屋から逃走するというハプニングもあったそうです。名前や言葉を理解する賢さはもちろんのこと、人間の実験に大人しく付き合ってはくれない自由気ままさも猫の魅力のひとつですね♪