猫に危険な『夏野菜』を解説 重篤な症状がおきる可能性も

猫に危険な『夏野菜』を解説 重篤な症状がおきる可能性も

夏野菜には、疲労回復や食欲増進などの作用を持つ栄養素が含まれ、私達人間にとっては暑い夏を乗り切るために欠かせない食材です。そのため、大切な愛猫にも積極的に食べさせたいと思われる飼い主さんもおられるようです。しかし肉食動物の猫にとって、本当に必要なのでしょうか。猫にとっての野菜の必要性や、食べさせると危険な夏野菜をご紹介します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

そもそも猫に野菜は必要か

猫と野菜

夏野菜とは、夏に旬を迎える野菜のことです。夏野菜には疲労回復や食欲増進などの作用があり、私達にとっては暑い夏を乗り切るために欠かせない食材の1つです。

代表的な夏野菜は、きゅうり、トマト、ピーマン、ゴーヤ、オクラ、ズッキーニ、なす、枝豆、さやいんげん、かぼちゃ、トウモロコシ、ニラなどです。食卓によく並ぶ食材なので、一緒に暮らしている猫も、興味を持つ子がいるかもしれません。また、愛猫にも積極的に食べさせたいと考える飼い主さんもおられるでしょう。

ところで、人と一緒に暮らす中で肉食動物から雑食動物に近づいてきた犬とは異なり、猫は今でも完全肉食動物のままです。そんな猫にとって、野菜は必要な食材なのでしょうか。

愛猫の食事のメインがキャットフード(総合栄養食)だという場合、答えはノーです。しかしメインは飼い主さんの手作り食だという場合は、イエスになります。なぜなら、猫が捕まえて食べる獲物と同じ状態の食事を、手作り食で作ることは難しいからです。

市販の切り身のお肉だけを食べていては、必要な栄養素が不足してしまいます。獲物と同じように、胃や腸も含めてまるごと食べる必要があるのです。

つまり、猫が植物を直接食べることはなくても、必要な栄養素を摂取させるためには野菜も必要なのです。

猫に危険な夏野菜

レバニラ炒め

1.ニラ

猫に危険な野菜の代表格であるネギ類には、長ネギ、玉ねぎの他に、にらやにんにくが含まれます。これらの食材には、アリルプロピルジスルフィドという成分が含まれていて、これが猫に下痢、嘔吐、元気消失、発熱、貧血、血尿といった症状を引き起こします。

この成分は、加熱しても毒性がなくなりません。摂取量が多いと命に危険が及ぶ場合もある食材なので、食卓に置きっぱなしにしたニラ入りのおかずなどを舐めさせることも危険だと考えてください。

2.なす

なすにはアルカロイドという毒性の成分が含まれており、猫に対して下痢、嘔吐、血便といった中毒症状を引き起こします。

なすの実よりも葉や茎に多く含まれていますので、食事だけではなく、ご自宅で栽培している場合にも注意が必要です。

3.ピーマン

猫とピーマン

ピーマンには、ビタミンA、ビタミンCが豊富に含まれています。特に猫は、ビタミンAを自分で作り出せないため食事から摂取する必要があります。ピーマンは猫にとっても必要な栄養素を持った食材です。

しかしピーマンもナス科の野菜なので、皮や茎にアルカロイドが少量含まれていて、食欲不振、下痢、嘔吐などの中毒症状を引き起こす可能性があります。。そのため、必ず茹でて茹で汁を捨ててから使いましょう。茹でるとソラニンが茹で汁の中に流れ出ます。

そのため、1回に与える量を少量にとどめ、毎日与えることも避けましょう。

4.枝豆

枝豆は、有害ではありません。しかし食物繊維が豊富なため、猫によっては食べると下痢を起こす場合があります。

下痢を起こさない猫には与えても問題ありませんが、2粒程度が目安です。

5.さやいんげん

さやいんげんも、有害ではありません。しかし、食べすぎると腸内で発酵しすぎてしまい、お腹を壊すことがあります。胃腸が弱い猫には与えない方が良いでしょう。

与える場合は、茹でてから細かく刻み、小さじ1杯までを目安にしましょう。

6.トウモロコシ

トウモロコシも、有害ではありません。ただし、与えすぎると消化不良で下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。

また、特に注意したいのが芯です。誤飲してしまい、のどに詰まらせたり腸閉塞を起こしたりする事故が多発しています。

くれぐれもトウモロコシを猫の手が届くところに置きっぱなしにしないように注意しましょう。

7.かぼちゃ

かぼちゃは食物繊維やビタミン類が豊富なため、便秘解消や栄養補給として猫に良い食材です。

ただし、皮や種、ワタの部分は消化されづらいので取り除き、実の部分を柔らかく加熱してから与える必要があります。また高カロリーなので、与えすぎは肥満の原因になります。

猫に野菜を与える場合の考え方

食事をする猫

猫に野菜を与える場合に注意しなければならないのが、与えてもよい野菜、危険な野菜があることと、与え方にも気をつける必要があるということです。

猫に与えると危険な野菜の筆頭は、ネギ類です。他にも、リスクの高い野菜、部位によっては危険な野菜、与え方に注意が必要な野菜等があります。その都度事前に調べてから調理することが基本になります。

また、猫によってはアレルギーを持っている場合がありますので、基本的に初めて与える食材は、ごく少量から始めて、アレルギーの可否を見極める必要があります。

さらに、完全肉食動物である猫の体は、植物を消化するのが不得意です。野菜を与える場合には、基本的には「加熱する」ことと「少ない量で与える」ことを意識しておきましょう。

まとめ

トウモロコシを見上げる猫

今回は、猫に与えると危険な夏野菜をご紹介しました。

猫は完全肉食動物なので、体の構造も植物を消化するようにはできていません。そのため、キャットフードをメインに与えている場合には、野菜を与える必要はありません。

普段手作り食をメインに与えている場合には、必要な栄養素を摂取するために、野菜も必要な食材になります。

ただし、人間にとっては普段よく食べる野菜でも、猫には中毒症状を引き起こす成分を含んだ野菜もあるため、与える際には十分な注意が必要です。

愛猫に、愛情のこもった手作り食を食べさせている飼い主さんに参考にしていただき、厳しい夏を元気に乗り切る一助になれば幸いです。

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