1.猫に「生理」がない理由とは
我々人間の女性はもちろん、犬もメスであれば生理があるということは犬を飼っている方であればご存知の方も多いでしょう。ですが、猫には目に見える形での生理がありません。それは排卵のメカニズムが人間や犬とは違うからのようです。
人間の場合は、排卵の後に妊娠しなかった時に生理(出血)が始まります。そして犬は排卵する少し前に出血します。発情期を迎えるのはその後です。猫の場合は交尾の刺激によって排卵が起こります。こういった猫のような体の仕組みを持つ生き物は「交尾排卵動物」と総称されるそうです。
予めの排卵がなく、交尾の刺激によって排卵するという体の仕組みを持っているため、猫には「生理による出血」が見られないのだそうです。
2.子宮の病気の可能性
猫は生理がありません。そのため、もしも出血が見られる場合は病気の可能性が高いと言えるでしょう。
まず避妊手術をしていない猫であれば、子宮の病気も考えられます。「子宮蓄膿症」は多飲多尿の初期症状から子宮に膿や血が溜まりお腹が膨れ、嘔吐や下痢などの症状まで見られる病気です。
子宮や膣に腫瘍が出来てしまったために出血を起こすこともあります。腫瘍には良性と悪性がありますが、摘出した組織を検査することで確認できます。
もちろん避妊手術を済ませている猫であればこういった病気にかかってしまう確率はとても低いですが、ゼロとは言い切れません。また「子宮蓄膿症」は人間の年齢で中年を迎えた頃から見られるようになることがあるそうです。
3.泌尿器の病気の可能性
こちらはどの猫にも起こり得る病気です。「膀胱炎」や「尿路感染症」が挙げられます。
ただし「膀胱炎」にも原因はいくつかあり、特に猫の場合は原因不明の「特発性膀胱炎」、結石が出来たことが原因によるものだったりと様々です。
また「膀胱炎になると必ず血尿が出る」と思っている方も多いそうですが、ほんの初期の軽いものの場合は血尿と確認できない場合もあります。
筆者宅の猫2匹が一度だけ膀胱炎にかかったことがありますが、1匹に血尿が出てすぐに気づいたためもう1匹も血尿はありませんでしたが、念のため病院に連れて行ったら初期のとても軽いものだと診断されました。
まとめ
猫には生理がないため出血が見られた場合は経血という可能性はなく、何かの病気にかかっている確率が高いようです。
また避妊手術をしていないと年齢を重ねてから子宮の病気にかかってしまう可能性もあるため、子猫を望まないのであれば避妊手術を受けることを検討するのも大切でしょう。
もちろん愛猫に持病などがあって手術は受けられないなどのやむを得ない場合もありますが、そうでない場合には将来のリスクも考えてあげる必要があるのではないでしょうか。