『がん(癌)』になりやすい猫の生活習慣とは?5つの危険要因

『がん(癌)』になりやすい猫の生活習慣とは?5つの危険要因

人にとっても猫にとっても、常に死因の上位にあがる病気が「がん」です。早期に発見して早く治療を開始することで寛解できる場合も多いですが、強い副作用による辛い治療など、できるだけ避けたい病気の筆頭でもあります。猫ががんになりやすい生活習慣を知り、愛猫の発がんリスクを下げる工夫につなげましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

がんは遺伝子変異で生じる

手術中の猫

動物の身体は、常に全身の細胞が分裂を繰り返すことで維持されています。生きていくためには、細胞分裂は避けて通れません。しかし、細胞分裂の際の遺伝子情報複製時に、何らかの原因で変異が生じるとがん細胞が生じます。

年齢を重ねれば重ねるほど細胞分裂の回数は累積されていき、変異が起こる可能性が増えていきます。その結果、加齢とともにがんの発症率が高まるのです。

がんの発症要因となる遺伝子の変異は、偶然の産物です。そのため、こうすればがんにならないという予防策はありません。とは言え、発症率を下げる可能性がある方法も分かってきています。

癌になりやすい習慣を知ることで、愛猫の発がんリスクを抑えるための工夫につなげていきたいものです。

がんになりやすい猫の生活習慣

喫煙者と猫

1.受動喫煙

人間の場合、がん予防として真っ先に言われるのが「禁煙」です。また、受動喫煙による発がんリスクも非常に高いため、人間社会では限定された場所でしか喫煙できなくなりました。

しかし、猫の場合はどうでしょうか。飼い主さんが喫煙している側で、一緒に煙の行方を目で追っているような猫はたくさんいます。「三次喫煙」といって、喫煙現場にいなくても飼い主さんの手や衣服に付いた発ガン性物質をなめてしまい、がんを発症している猫がいるのも事実です。

猫の飼い主さんは、愛猫の健康のためにも、ぜひ禁煙してください。どうしてもできないという方は、副流煙を吸わせない、外で喫煙した場合も飼い猫と触れ合う前に手を洗い、洋服もすべて着替えるといった対策を行ってください。

2.偏食や過食などの乱れた食生活

おやつをねだる猫

食事は身体を作る基盤になる大切なものです。猫の食性に合わせたバランスの良い栄養を、適切な量だけ摂取させることが、健康の基本になります。

ポイントは「バランスの良い栄養」と「適量」です。猫の身体に必要な栄養素を過不足なく摂取させれば、健康な身体を作れます。そして、摂取と消費のカロリーバランスがとれれば、太り過ぎや痩せすぎではない理想的な体形を維持できます。

特に、最近の飼い猫には肥満が目立ちます。人間の場合、肥満は多くの病気を引き起こす原因とされ、厳しく指導される対象になっていますが、猫も同様です。

ねだられるままにねだられるものを好きなだけ与えている飼い主さんは、まずその習慣を改善する必要があるといえるでしょう。

3.運動不足

怠け者

愛猫を肥満にさせないためには、適度な運動をさせることも必要です。特に、猫は生まれながらの名ハンターで、狩りをするために必要な能力を備えた身体をしています。その能力を維持させることが、猫の健康維持に必要なのです。

1回15分程度の狩り遊びを、可能であれば1日3回は行いましょう。猫じゃらしのようなおもちゃを利用して、飼い主さんがネズミや鳥、へび、昆虫の動きを再現します。狩猟本能が刺激され、猫は真剣に狩り遊びに取り組んでくれるはずです。

1日に3回も一緒に遊べないという飼い主さんは、寝る前に1回は一緒に遊ぶ時間を作り、昼間の留守番時には、キャットタワーや棚などを利用して、自然に上り下りできる環境を用意する、知育玩具や窓から外の景色を見られるようにするといった方法で、刺激のある時間を過ごせるようにしてあげましょう。

4.ストレス

ストレスを受けている猫

ストレスも色々な病気を引き起こす要因の一つだと考えられています。正直ストレスと腫瘍の因果関係はわかりません。しかし身体には、異常を自ら解決しようとする「免疫」という機構が備わっていますが、強いストレスが続くことで免疫力が低下し、がん細胞の増殖を抑えられなくなってしまう可能性があります。

飼い猫のストレスは、飼い主さんとの関係に起因することも多いです。人や犬と接する時と同じような感覚で接すると、ストレスを与えることが多いです。猫の習性をよく知り、猫との接し方を知ることも大切です。

5.我慢強い

猫はとても我慢強いです。体調が悪くても、それを見せようとはしません。飼い猫の健康管理に大切なのは、日々のお手入れやお世話はもちろんですが、飼い主さんによる愛猫の観察です。

愛猫の様子がいつもと違う、食事の量や飲水量、排泄量、排泄物の様子が変わったなどと感じた場合は、できるだけ早く動物病院で診てもらうようにしましょう。

猫の生活習慣はそのまま飼い主さんの生活習慣

猫と遊ぶ老人

ここまでお読みいただいてお気づきになったと思いますが、猫の生活習慣とは、そのまま飼い主さんの生活習慣です。なぜなら、飼い猫は飼い主さんが与えてくれる環境の中で、与えてくれる食事を摂って暮らすことしかできないからです。

愛猫をがんにさせたくないと考える飼い主さんは、ぜひご自身の生活習慣を振り返って、愛猫の生活を改善できるように工夫してあげてください。

まとめ

食べ過ぎの猫

がんは、細胞分裂時に偶然起こる遺伝子の変異により発生します。全身の細胞は常に細胞分裂を繰り返して再生します。そして年を取れば取るほど、遺伝子変異が生じる可能性が高まり、がんになりやすくなるのです。

しかし、若い頃からがんになりやすい生活習慣を排除することで、がんの発症リスクを下げることが期待できます。そして、愛猫の生活習慣の責任は、飼い主さんが負うべきものです。

がんになりやすい猫の生活習慣を知り、飼い主さんが愛猫にそのような生活習慣を与えてしまっていないかどうかを振り返ってみましょう。もし改善の余地がみつかったなら、改善して愛猫の発がんリスクを抑えてあげたいですね。

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