1.鳥の声を真似している
猫が「ケケケ」と鳴く理由の中で一番斬新で面白いのは、「猫が小動物の鳴き声を真似している」という説です。一見ありえなさそうなお話ですが、実は猫にとってこの鳴き声を出すメリットがあるのです。
猫の獲物の小鳥やネズミなどの小動物は、すばしっこい一方で見慣れないものを見たり聞いたりすると、その正体を探ろうと一瞬立ち止まる習性を持っています。このとき猫がクラッキングをすると、逃げるタイミングが一歩遅れ、そこを猫が襲うという説です。
実は猫は鳴き真似上手
「猫が鳥の声を真似するなんて?」と思うかもしれませんが、実は猫は鳴き真似上手。その証拠に飼い主さんの口真似をして、「ごはん」や「牛乳」と鳴く猫がたまにテレビに登場します。動画には鳥や虫の音そっくりに鳴く猫がたくさん出てきますし、中には「コケコッコー」と鳴く猫も!
他にも、米大陸の野生猫マーゲイがサルの鳴真似をして狩りをするという報告や、野良猫が鳴きながら狩りをするという記録もあります。
2.思わず声が漏れてしまう
窓に鳥の姿が見えただけで、あるいは天井のクモやおもちゃにまで、猫はクラッキングしています。その姿はどう見ても「あれが欲しい!」「あれ取りたい!」という意思表示。つまり第2の説は「獲物かなと思った瞬間アドレナリンが湧き出して、思わず口に出るのでは?」です。
鳥やネズミの鳴き声を聞いたことがなくても、あの独特な「ケケケ」が本能的に出てしまう。標的を凝視しながらうろうろイライラ歩き回る姿を見ていると、この説にも大きく肯けてしまいますね。
3.不快感や不安を現す
猫は普段鳥などに向かってクラッキングしますが、ある動画の猫は飼い主さんに叱られ、飼い主さんに向かって鳴いていました。
実は不快なときや怖いとき、猫はクラッキングに似た声を出します。もしかすると鳥や虫に似た声は、危険回避に有利に働くのかもしれません。しかし室内猫に命の危険はありませんから、不快感や不安を表す言語として、クラッキングを利用している可能性がありそうです。
まとめ
猫がなぜクラッキングをするのか、実際のところは分かっていません。愛猫の様子を見ている限り、狩りには絶対不利そうです。しかし近年獲物の鳴き真似説を裏付けるようなケースが、まざまな猫種で観察されています。
そのベースとなっているのは、フィールドワークとネット動画。もしかするとあなたの今日の動画投稿が、将来クラッキングの解明に一役買うかもしれませんね。