猫にとって危険な『暑さ対策』3つ!適切な対処法とは?

猫にとって危険な『暑さ対策』3つ!適切な対処法とは?

熱中症は真夏というイメージがあるかもしれませんが、実は例年5月頃から増え始めています。また、暑さに強いというイメージの猫にも、高温多湿の日本の夏は過酷です。飼い主さんはそれぞれに暑さ対策を施しておられますが、間違えた対策をされている方も少なくありません。危険な暑さ対策や正しい暑さ対策をご紹介します。

1785view

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

日本の夏は猫にも過酷

夏の猫

身体の芯から高温になり、脱水症状が起きて生じるのが熱中症です。猫の祖先はアフリカで暮らしていたため、「猫は暑さに強い」というのが一般的なイメージですが、日本とアフリカでは暑さの質が違います。高温多湿な日本の夏は、猫の体温を上昇させて熱中症のリスクを高めやすいのです。

熱中症は5月頃から増え始めます。重症化すると、多臓器不全で死亡する場合もあります。下記のようなサインが見られたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

  • ぐったりして元気がない
  • 食欲がない
  • ハァハァと口で呼吸をする
  • よだれを垂らしたりふらついたりする
  • 身体が熱い
  • 嘔吐や下痢、血便をする
  • けいれんする

大切なのは日頃の対策です。危険な対策や正しい対策、発症してしまった時の対処法などをご紹介します。

気を付けて!猫にとって危険になりかねない暑さ対策

食事する猫

1.栄養をつけないと!

「暑い夏を乗り切るためには栄養をつけないと」という親心から、食事の量を増やしてしまう飼い主さんもおられますが、これはおすすめできません。猫は、体力の消耗を抑えるために自分で活動量を低下させるからです。

夏でもきちんと栄養を摂らせたいのなら、量を変えずにきちんと消化させることを意識しましょう。下痢や嘔吐などの消化器症状が見られるなら、病院で診てもらうとともに、消化の良いフードを選ぶ等の工夫をしてみましょう。

またご飯を一気に食べてしまう傾向の子は、食事回数を増やして1回の量を減らす、知育玩具や早食い防止機能のついた食器を利用するといった方法で、一気食いを防止するのも良いでしょう。

2.食事から水分補給しないと!

缶詰を食べる猫

「熱中症予防には水分補給が大切」だからと、夏になると食事を全てウェットフードに切り替えてしまうという極端な対策もおすすめしません。

ウェットフードよりもドライフードの方が消化性の良いものが多かったり、いきなり全てのフードを切り替えることで、猫が食べてくれなくなったりすることもあるからです。

また、ウェットフードなら何でも良いというわけではなく、主食として与える場合は「総合栄養食」を選ぶことも忘れないでください。あくまでも食事のメインは猫に必要な栄養の摂取です。

極端な対策は、肝心の猫がついて来られなくなることもあります。特に食事は大切なものなので、一気に極端な切り替えはしないようにしましょう。

3.良い対策は徹底しないと!

寒がる猫

「熱中症対策をしっかりと」という考えは間違ってはいませんが、「良い対策は徹底しなければいけない」と思い込み、家中の水飲み皿に氷を浮かべたり、家中どの部屋も全てエアコンで室温を下げたりといった極端な徹底ぶりは考えものです。

猫は自分で、現在の自分に最も適した状況を選択できます。エアコンの効いている部屋もあれば効いていない部屋もある、常温の水もあれば氷を浮かべた冷水もあるといった選択肢を用意しておき、自由に選ばせることが大切です。

例えば全ての部屋の温度が下がり過ぎてしまうと、低体温症を発症してしまうリスクもあるわけです。暑すぎたら涼しい所へ、寒すぎたら温かい所へと、猫が自分の意志で自由に避難できることが大切です。

熱中症かなと思ったときの適切な対処法とは

濡れた猫

ここからは、愛猫に熱中症の疑いがあるような症状が見られた際の対処法を解説します。

身体を冷やす

氷水や保冷剤は使わずに、常温の水で身体を冷やします。濡れタオルで身体をくるみ風を当てる、直接水を掛けるといった方法があります。特にお腹、首、股の付け根を重点的に。

濡れタオルはこまめに濡らし直しましょう。冷やすと同時に冷やしすぎないことも大切です。

水を飲ませる

自分で水を飲める状態なら、飲ませましょう。うまく飲めない場合は、誤嚥のリスクがあるので無理に飲ませないことです。

動物病院に連れて行く

熱中症の症状が出てから90分以内の治療開始が目安です。対処が遅れたために命取りになることもあり得ます。徴候が見られたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

まとめ

猫と温度計

「夏は熱中症が怖いから日頃の対策が大切」と考える飼い主さんがほとんどでしょう。この考え方は間違っていません。しかし、極端な対策はかえって危険な場合があります。

対策に「絶対」はありません。特に、猫は自分の意志で今の自分にとって最も適している環境を選ぶ能力に長けています。対策を行った上で、愛猫に複数の選択肢を自由に選ばせられる環境づくりが、猫にとって最も効果的な対策になるのです。

スポンサーリンク