猫が人を噛む理由
1.本能が刺激されている
肉食動物の猫は動体視力に優れていて、動く獲物を捕獲しようとします。この狩猟本能は室内飼いの猫でも備わっていますので、人の手足が動くと同時に猫の体が反応し、飛びかかって噛みついてしまう猫も少なくありません。
2.歯の生え変わる時期でかゆい
動くものを見ると、狩りがしたくなるのは仔猫の時からです。とくに3ヵ月~6ヵ月頃は永久歯に生え変わるタイミングで、歯が「むずむず」すると人の手や近くにあるものを噛みたがります。
飼い主さんの指などを頻繁に甘噛みさせてしまうと、噛み癖の原因にもなるので注意が必要です。
3.自分を守るために強く警告
猫の年齢に関係なく、防衛本能で人を噛んでしまう事もあります。たくさんの神経が通る「しっぽ」や急所である「お腹」に触れたことを不快に感じ、自分の体を守ろうとします。
ブラッシング中や猫とのスキンシップの際には、猫の様子にも配慮してあげましょう。
4.飼い主さんにアピールしたい
ストレスが溜りやすい環境で過ごしていたり、体を十分に動かせられない状況が続くと、猫の不満は募ります。飼い主さんに構ってもらいたかったり、ときにはイライラをぶつけるかのように噛みつく事もあるでしょう。
猫が人を噛むときの対処法
猫が人を噛むのは、上手に不満が解消できていないからかもしれません。
このようなときの効果的な対処法は、猫とおもちゃを使って遊ぶこと。猫が本来必要な狩猟時間を作ることで、下記のようなメリットも得られます。
- 猫の狩猟本能を満たせる
- 噛みつく対象物を正しく認識
- 運動不足によるストレスを発散
もしも噛み癖が強い場合は、予め飼い主さんの手足にしつけ用のローションを塗っておく方法があります。教えるのに根気も必要ですが、噛むと辛くて苦い味に「人を噛んではいけない」と徐々に学習していくでしょう。
猫に噛まれた時の処置の仕方
成猫の歯はとても鋭利な形になっているので、場合によっては飼い主さんが怪我をしてしまうかもしれません。この時に飼い猫だからといって傷を放置することはとても危険です。
気をつけたいのは「感染症」で、猫が保有している口腔内常在菌が傷口の部分から人に感染する可能性があります。短時間で傷口が腫れたり、痛みを感じるなど、とくに免疫力が低下している人がかかりやすい傾向にあります。
猫に強く噛まれたら、まずは石鹸などを使って入念に傷口を洗い流しましょう。消毒をしてから傷の大きさによって絆創膏やガーゼを肌に当てます。何か不安があれば病院で適切な検査を受けるようにして下さい。
まとめ
猫が獲物を捕えようとして噛みつくのは本来自然な行動ですので、猫が人を噛んだとしても大きな声で怒ったりするのは禁物です。警戒心を持たれてしまえば、今後のコミュニケーションも取りづらくなってしまいます。
猫が人を噛むのは様々な理由がありますが、愛猫のストレス発散がうまくできていないと噛み癖も悪化しやすいです。
猫の習性や気持ちに寄り添い、おもちゃで遊ぶ時間を作るなど、猫の噛みたい欲求を満たしてあげれば徐々に改善に向かっていくでしょう。