1.てんかん
「痙攣」とは、自分の意思とは関係なく、発作的に身体が激しく動く症状のこと。何らかの原因で神経が異常に興奮し、コントロールが利かなくなった状態です。
猫に多い「てんかん」には、脳の病気が原因で起こるものと、原因がよくわからない「特発性」と呼ばれるものの2種類があります。いずれも根治は難しいのですが、適切な治療と予防薬で発作を抑えたり軽くしたりすることが可能です。
2.中毒
「中毒」では、一般的に嘔吐を繰り返すことが多いですが、痙攣性の発作を起こすこともあります。しかし中毒は唯一予防が可能です。中毒を起こす野菜や果物、薬品などを知ることから始め、猫から遠ざける工夫をしましょう。外に出る猫は、毒になるものに触れたり、食べてしまう恐れがあります。外に出さないのが一番の予防でしょう。
3.脳腫瘍
高齢猫に多いといわれる「脳腫瘍」は、てんかんの一要因ともいわれます。良性悪性を問わず予防は難しく、治療は他の腫瘍と同じく、外科手術、放射線治療、化学療法などです。脳の手術は困難です。理由としては、脳が小さく手術の難易度が高いということと、腫瘍ができている場所が脳の表面ではなく内部の方であればさらに難しいという2点があげられます。
初期症状として視覚障害や粗相など「年のせいかな?」と思われる症状が出るため、変化にいち早く気が付くことが治療への近道です。
4.水頭症
「水頭症」は脳に髄液がたまる病気です。子猫によく見られ、先天的なものだといわれています。しかし事故に遭った場合にも起こりますので、外に出さない、室内では高所から転落しそうな場所に行ける足場を作らないことで、予防することが可能です。
発作が起きたらどうすれば?
「痙攣発作を見ても冷静に!」などということはまず無理な話ですが、それでも愛猫のためにもこれだけはやっておきましょう。
猫の安全確保
- ぶつかって怪我するものはないか
- 上に落ちて来るものはないか
- 高い場所から落ちないか
発作が落ち着くまで猫が無事でいることが、何より大事なことだからです。
病院へ連れて行く
激しい嘔吐など中毒が疑われる場合は、一刻を争いますのですぐ病院へ。
その他の発作では、病院に着く頃ケロリとしているかもしれません。しかし次に起きるかもしれない発作に備え、必ず検査とアドバイスをしていただきましょう。
可能なら記録をとる
発作の様子はドクターには分かりません。
- 何時ごろ始まり、何時ごろまで続いたか
- 発作中、前後の様子はどうか
これプラス、ほんの5秒でもいいので、愛猫の様子を映した動画があれば診断の助けになるはずです。
まとめ
我が家の猫は1年半ほど抗てんかん薬を服用し、その後1度も発作を起こさないまま3年後に天寿を全うしました。また友人の猫は、小さな発作を繰り返しつつ、元気いっぱい過ごしています。
発作を起こしたときの衝撃は今も忘れられません。しかし治らない可能性は高いものの、薬で穏やかに暮らせる可能性も高いのです。
中毒はすぐの対処が必要ですが、その他は前向きに普段の我が子とその病気に向き合っていきましょう。
痙攣を起こす原因として4つ解説しましたが、それ以外にも痙攣が起こる原因があります。
腎不全と低血糖です。腎不全は高齢の猫に多い病気で、腎不全の末期には尿毒症という状態になることが多いです。尿毒症は、排泄されなければならない老廃物が腎機能の低下により排泄できなくなる状態です。毒となる老廃物が体内に貯まることで中毒症状を起こし痙攣が起こります。
低血糖は、食事が十分に取れない場合や子猫が嘔吐や下痢を繰り返すことで起こりやすい状態です。血糖値がさがってしまうと、意識がもうろうとする、体温がさがる、よだれが大量に出るなどの症状が起こり、最終的に痙攣を起こしてしまいます。
いずれにしても対処が遅れると命にかかわります。
様子がおかしいと思ったら、早目の対処が必要です。