1.わらび
春の味、山菜の王様ともいえる「わらび」。実は家畜を飼う農家の間では、危険な中毒植物として有名です。2つある原因物質は人体にも有害ですが、日本人は灰汁で茹でたり塩漬けしたりして上手にアクを抜き、おいしく食べてきました。
原因物質1.チアミナーゼ
「猫がイカを食べると腰を抜かす」という言い伝えがありますね。これは「生のイカにはチアミナーゼが含まれるため、食べると猫が脚気(かっけ)になって足腰が立たなくなる」という意味です。
チアミナーゼとは、チアミンつまりビタミンB1の分解酵素のこと。わらびには馬の腰が抜けるほど大量のチアミナーゼが含まれており、猫にとってはイカと同じくらい相性の悪い植物です。
原因物質2.ブタキロサイド
もう1つ、わらびには牛の中毒がきっかけで発見された「ブタキロサイド」という発がん物質も含まれています。粘膜に影響し、出血性の膀胱炎などを起こします。急性中毒を起こせば数日で命を起こすことも。
牛や山羊、モルモットなどでも症状が出ているため、生食・食べ過ぎは人間も、そしてもちろん犬や猫にも危険とされています。
2.ぜんまい
ぜんまいも代表的な春の味覚の1つですが、こちらもわらび同様「チアミナーゼ」が含まれます。
実は「猫はビタミンB1を犬の5倍必要とする」といわれています。そのためチアミナーゼの量が少しでも影響し、イカや貝類、わらび同様ぜんまいにも注意が必要なのです。
まとめ
外にいる野良猫たちが山菜に興味を持つ心配はなさそうですが、人に飼われる猫たちは、出された食事に入っていれば抵抗なく口にします。また完全室内飼いの猫たちは植物自体が珍しく、山菜に限らずおもちゃにしてかじる事故が絶えません。
猫にとって危険な植物はたくさんありますが、山菜にも注意が必要だと心に留めておきましょう。