猫の寿命と関連性があるのはどんな要素?
猫の寿命が関連している要素が分かれば、愛猫に長生きしてもらうためのヒントが得られるはずです。
「猫の性格は被毛の色や長さ、柄といった毛の特徴と関連がある」とよくいわれます。これは、多くの方の経験則から来ているようです。
また一部の色柄が発現する遺伝子は、性別と関連があることが科学的に分かっています。
同じように、猫の寿命も毛の特徴と関連があると分かりやすいでしょう。
しかしこれらの遺伝子と寿命との関連は、今のところ認められていません。
しかし、飼育環境や飼い主さんの飼養方針が、猫の寿命に大きく関連していることは分かっています。
飼い主さんが、愛猫を短命にしてしまいかねない要因を知ることで、愛猫に長生きしてもらうための対策も立てられるはずです。
今回は、愛猫を短命にしてしまう要因と、長生きしてもらうための対策をご紹介します。
愛猫を短命にしてしまう要因
1.病気に対する予防を怠っている
猫が命を落とす原因の多くが、「病気」です。
「ワクチンによる感染症予防やノミやダニ、フィラリア等の寄生虫予防を行わない」「のら猫などとの接触を容認する」といった行為は、愛猫を短命にするリスクを非常に高めます。
猫の求めに応じて、適量以上の食事やおやつを与えて肥満にさせるのも問題です。
肥満は、糖尿病や関節炎、腎臓病などのさまざまな病気の原因となります。
2.事故に対する予防を怠っている
病気と同じく猫が命を落とす原因の多くを「事故」が占めています。
事故の内容はさまざまです。自由に外出できる猫にとっては、最も大きい事故が交通事故でしょう。
また、のら猫との喧嘩による怪我、拾い食いによる中毒なども考えられます。
事故は、室内飼育であっても起こります。
猫が口にすると危険な食材や植物は、私達の身近に溢れています。
また、布やボタンなどを誤飲して腸閉塞を起こすといった事故もあとを絶ちません。
3.日々のお手入れを怠っている
短毛種か長毛種かによって頻度は変わりますが、ブラッシングは猫にとってとても大切なお手入れです。
これを怠ると、セルフグルーミングで飲み込んでしまう抜け毛の量が多くなり、毛球症を引き起こします。
また、室内での事故予防や飼い主さんご自身の身を守るためにも、爪切りも必須のお手入れです。
特に気を付けたいのは、毎日の歯磨きです。
猫の口内は、とても歯周病になりやすい環境です。
猫の歯垢は2〜3日で歯石に変わってしまい、歯みがきでは取り除けなくなります。
歯垢も歯石も歯周病菌の巣窟です。
4.飼い主さんが喫煙している
飼い主さんの喫煙は厳禁です。
副流煙を吸い込むのはもちろん、煙に含まれる有害物質は床や壁などに蓄積されます。
飼い主さんの衣服についた有害物質をなめてしまうこともあります。
タバコの有害物質により、猫の悪性リンパ腫リスクが非常に高まります。
5.猫の習性を無視した飼育環境
猫は縄張りをとても大切にする動物です。縄張りの中にいる間は、安心して過ごせます。
また病気や事故を予防するためにも、完全室内飼いは理にかなった飼育方法といえます。
ただし猫の習性を十分に理解した環境づくりが大切です。
以下のような環境だと、猫はストレスから精神面が不安定になり、問題行動を起こすようになりますので注意が必要です。
- 猫が自由に使える立体的な住空間がない
- 安心して過ごせるお気に入りの場所や寝床が十分にない
- 頻繁に部屋の模様替えや引っ越しを行う
- 暑すぎる寒すぎるというような極端な環境
愛猫を長生きしてもらうための対策
ご紹介してきた愛猫を短命にしてしまう要因を考慮して、長生きしてもらうための対策をまとめると、下記のようになります。
年に1回以上の健康診断を受けさせる
かかりつけの動物病院で定期的に健康診断を受けることで、愛猫の健康状態を数値として把握することができます。
健康状態の遷移が把握できるため、ご家庭の健康チェックでは気付きにくい病気の早期発見に繋がります。
完全室内飼育の徹底
感染症や事故の予防のためにも、完全室内飼育を徹底しましょう。
禁忌な食材や植物等の誤飲対策
猫にとって禁忌とされている以下のものは、家の中に持ち込まない、もしくは猫の口に入らないように管理しましょう。
- ネギ類
- ブドウ
- アボカド
- キシリトール
- コーヒー
- ユリ科の植物や多くの観葉植物
おもちゃや衣類等も含めて口の中に入るものは誤飲事故の元です。
歯みがきやブラッシングの実施
歯みがき、ブラッシング、爪切りなどのお手入れを必要なタイミング、頻度で実施しましょう。
禁煙
飼い主さんが愛煙家の場合、愛猫とご自身のためにもぜひ禁煙をご検討ください。
まとめ
猫の毛の特徴からその猫の寿命を予測できれば分かりやすいのですが、残念ながら毛の特徴と猫の寿命には関連性はないようです。
しかし、愛猫を短命にしかねない要素がたくさんあることが分かりました。
その内容をベースに考えれば、愛猫に長生きしてもらうために必要な対策も見えてきます。
ご自身と愛猫の生活環境や愛猫との関係を見直し、もしも愛猫の健康にかかわるよくない要素があれば、ぜひ改善をご検討ください。