猫に『またたび』は危険も?注意すべきリスクや正しい与え方5つ

猫に『またたび』は危険も?注意すべきリスクや正しい与え方5つ

ことわざにもなっている「猫にまたたび」。ライオンなどの大型猫ですら酔ってゴロゴロするのですから、その威力は計り知れません。ここではまたたびの効果・効能、危険があるならどう避ければいいのかを、最新情報と共にご紹介します。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫がまたたびに夢中な理由

マタタビの枝をかじる黒猫

昨年、日本の研究者チームが「猫がまたたびにゴロゴロする本当の理由」を突き止めました。

その答えはなんと「虫除け」!

またたびに含まれる「ネペタラクトール」という成分が蚊を寄せ付けなくなる力を持っており、猫はそのにおいを付けるため身体をこすりつけているというのです。

さらにそのとき猫がウットリしているように見えるのは、鼻から入った成分が「幸せ神経」を刺激するため。

見た目だけでなく猫は本当にハッピーになっていたのです。

またたびの効果・効能

枝のマタタビの実と葉っぱ

またたびの猫に対しての効果・効能は、具体的には蚊の忌避剤。

草陰で長時間待ち伏せをする猫たちにとって、それはありがたい植物だったのでしょう。

もちろん幸せ神経が活性化すれば、ストレス解消にも役立ちます。

経験的にも昔から猫にはまたたびが使われてきました。

ストレス解消だけでなく、食欲増進や運動不足解消、飲み水に入れて脱水予防にも一役買っています。

またたびを与えない方がいい猫たち

見上げる子猫5匹

ネペタラクトールという成分はいわば猫にとってのアロマオイル。

鼻から入ったにおい分子が脳を直接刺激するので、効果が高いと考えられます。

しかし、この強い刺激に弱い猫もいます。

  • 病気(特にてんかんや心臓病などの持病)を持つ猫

またたびの刺激で発作が出たり、持病が悪化したりすることがあります。

  • 子猫や高齢猫

嘔吐や下痢をしたり倦怠感が出たり、逆に興奮し過ぎて攻撃的になったりすることがあります。

  • 妊娠中の猫

またたびによく似たキャットニップには、子宮刺激作用があるといわれます。妊娠中は念のために避けた方がいいかもしれません。

またたびの正しい与え方5つ

仰向けで熟睡中の茶トラ白

1.弱い猫には与えない

前項に挙げた身体の弱い猫たちにも平気な猫はいるでしょう。

しかしリスクを冒す必要はありません。マイナス要素があるのなら、猫のために避けましょう。

2.与えるときは監視下で

またたびは隠れた病気(てんかんなど)を誘発することがあるといわれます。

与えるときは監視下で。また留守中にまたたびを勝手に舐めないよう、保管場所にも注意が必要です。

3.はじめは少しずつ

またたび初心者の猫なら、原形に近く効果の穏やかな枝や実がおすすめです。

最初から効果が高いといわれる粉末タイプを使うのは避け、もし使うなら少量から始めましょう。

4.不調が出たらすぐに病院へ

元気な猫でも体質に合わないこともありますし、その日の体調もあるでしょう。

不調が出たらすぐにまたたびを取り上げ、病院へ直行しましょう。

5.またたびはご褒美で

またたびは慣れると反応が鈍くなります。

与えるときは飼い主さんがお休みなど特別な日を選べば効果も期待できますし、愛猫との絆も深まります。

まとめ

マタタビをかじる猫

ざっと1000万年以上も前から猫科動物に好まれ続けてきたまたたび。

しかし効果の高い粉末などを必要以上に摂取すると、デリケートな体質の猫には不調や病気のトリガーになることがあるようです。

とはいえ本来またたびは猫科動物の虫除け剤であり、彼らを幸せにしてくれた古くからの友だちです。

どうせなら上手に使って愛猫をたくさん幸せにしてあげたいですね。

スポンサーリンク