『ボブキャット』ってどんな猫?その特徴や生態・飼育可否など6つ

『ボブキャット』ってどんな猫?その特徴や生態・飼育可否など6つ

現在生存している野生のネコは、飼いネコの1%程度だといわれています。その大部分が、広い地域に分布し、適応力の高い小型のボブキャットやベンガルヤマネコです。今回は、このボブキャットに焦点を当て、ボブキャットの特徴や生態、愛玩動物としての飼育可否などについて解説します。

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現存するネコ科の系統

ボブキャット

現存するネコ科には38種のネコがいます。

共通の祖先は1100万年程前のスティリオフェリスで、そこから枝分かれをして8つの系統が生まれました。

枝分かれをした時期の古い順に並べると、ヒョウ、ベイキャット、カラカル、オセロット、オオヤマネコ、ピューマ、ベンガルヤマネコ、イエネコです。

世界の飼いネコは10億以上といわれていますが、野生ネコの個体総数は飼いネコの1%の1000万頭程です。

そしてその大部分を占めているのが、ボブキャットやベンガルヤマネコです。

今回は、このボブキャットに焦点を当てて、その生態や特徴などについてご紹介していきます。

1.基本情報および分類

ボブキャット

基本情報

学名:Lynx rufus
英名:Bobcat
頭胴長:オス=60.3〜105cm/メス=50.8〜95.2cm
尾長:9〜19.8cm
体重:オス=4.5〜18.3kg/メス=3.6〜15.7kg
IUCNレッドリスト(2021):軽度懸念(LC)

分類

ネコ科8系統の中のオオヤマネコ系統に属しています。

この系統には、他にカナダオオヤマネコ、ユーラシアオオヤマネコ、スペインオオヤマネコがいますが、ボブキャットが最も古い時期に種として分岐しました。

カナダオオヤマネコとは生息地が重なっており、両種の間で交配することが知られています。

長い間、交雑した個体には生殖能力がないと考えられていましたが、少なくとも2頭の交雑個体のメスは出産していることが知られています。

2.外見

ボブキャット

ボブキャットはイエネコの2〜3倍程度の大きさです。

がっちりとした体格で脚が長く、尾が短いのが特徴です。頭は小さく、長く垂れ下がった頬ヒゲと耳の先端の黒い房毛が特徴です。

体のサイズが緯度と標高に従って大型化する傾向があり、分布地域の最北端である米国のミネソタ州、カナダのブリティッシュコロンビア州などの個体が最も大型です。

性差も激しく、オスは同じ個体群のメスの25〜80%も大きくなります。

短く柔らかい被毛が密生していますが、その毛色や斑紋は変化に富んでいます。

北部の個体は色が薄く、斑紋も少ない傾向にあります。

ボブキャットの尾は上側に3〜6本の濃い縞があり下側と先端が白いのが特徴です。

3.生息環境

ボブキャット

ボブキャットは、カナダの南部から米国本土を経てメキシコの北東部までを連続的に分布しています。

現在では、メキシコはオアハカ州まで、米国はデラウェアを除く全ての州、カナダも南部の全州に生息しています。

ボブキャットは極めて高い適応力を備えており、密生した茂みや地面の亀裂などの隠れ場さえあれば、あらゆる環境で暮らせます。

森林、草原、低木地、雑木林、半砂漠、砂漠、湿地帯、海岸、岩礫地などのさまざまな環境で生息しています。

農地を含む人為的な環境にも適応できますが、開けた広大な農作地や牧草地は避けます。

都市部に近い地域でも、緑地や川べりなどの身を隠せる場所であれば生息できます。

4.食性および狩猟能力

ボブキャット

肉食獣で、ウサギや齧歯類などの小型脊椎動物を主に捕食しています。

特に北部や標高の高い地域で暮らしているオスのボブキャットは、シカのように大きな獲物を捕食することも多いです。

体重が68kgにもなるオジロジカの成獣を捕食したという記録も残されていますので、非常に体力のある優秀なハンターだと言えるでしょう。

狩りは地上が中心ですが、木の上に逃げたリスや水面の水鳥なども襲います。

狩りを行うピークは明け方と夕暮れ時ですが、地域や季節によって大きく変化するようです。

冬場や人間に危害を加えられない地域では、日中の活動が増える傾向があるともいわれています。

5.生態および繁殖・寿命

ボブキャットの子猫

ボブキャットは基本的に単独行動です。そのためオスもメスも、共に縄張り意識が強いです。

コアエリアは独占的に利用し、周辺エリアは他の個体の縄張りと共有します。

オスの縄張りは、一般的にメスの縄張りの2〜3倍になります。

繁殖は一年を通して可能です。主な交尾期は12月〜7月。出産のピークは春か夏です。

温暖な環境に生息している場合は、一年の早い時期に出産すると同じ年に2度めの出産をすることもあります。

発情期は5〜10日。妊娠期間は62〜70日。平均的な産子数は2〜3頭ですが、例外的に6頭産むこともあります。

生後2〜3ヵ月で離乳、生後8〜10ヵ月で独り立ち、生後9〜24ヵ月で親元を離れます。

ちなみに、野生下における最長寿命は23年ですが、通常は10〜12年程度といわれています。飼育下での最長記録は32.2年です。

6.保全状況および飼育可否

ボブキャット

ボブキャットは非常に広範囲に分布しており、人為的な圧力への耐性もあり、分布地域の大半における保全状況は良好です。

正確な個体総数は不明ですが、米国本土の個体総数は235万〜357万頭と推定されています。

ワシントン条約の厳重な規制の下ですが、国際取引が認められています。

そのため米国とカナダでは、娯楽や毛皮を目的に年間約5万頭が、メキシコでも家畜を襲うとして年間2000〜2500頭が、合法的に殺されています。

現在日本では、ボブキャットを愛玩目的で飼育することは認められていません。

日本でボブキャットに会いたい場合は、ボブキャットを飼育している動物園に行くしか方法がなく、現在は神戸市立王子動物園の一園のみです。

まとめ

ボブキャット

今回は、野生のネコの中でも比較的数の多いボブキャットをご紹介しました。

日本でボブキャットに会えるのは、王子動物園のみとなってしまいました。

行く機会のある方は、ぜひボブキャットにも会いに行ってみてください。

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