猫が『まずい・おいしい』と感じている時のサイン4つ

猫が『まずい・おいしい』と感じている時のサイン4つ

毎日ご飯を食べているけれど、愛猫が「まずい!」と思っているのか、それとも「おいしい♪」と感じているのかわからないとお悩みの方!猫がどんなサインで「まずい・おいしい」を表しているのか、チェックしていきましょう。

SupervisorImage

記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.食べない

ご飯をムシする猫

猫は、まずいと感じる食べ物は、素直に「食べない」ことが多いでしょう。せっかく用意しても、とりあえず匂いは嗅ぐもののそ食べずに立ち去ったり、ちらっと見ただけでのまま素通りしたり。ご飯に砂かけ仕草を行うのも、お腹がいっぱいだったりそのご飯が気に入らないサインだ、とも言われています。飼い主さんとしては、ちょっとイラッとすることもあるかもしれません。

猫はまず、匂いでおいしそうかどうかを判断するそうです。同じ食べ物でも、匂いがたっているかいないかで猫の食欲をどの程度そそるかが変わります。ご飯を人肌程度に温めると、匂いがたって猫の食欲を刺激できるでしょう。ドライフードの場合は、お湯や味つけなしのチキンスープなどで温めてもよいでしょう。

また、猫によってはいつも同じキャットフードだと飽きて食べなくなる子や、決まったキャットフードしか食べない子もいます。同じキャットフードが続くと飽きて食べなくなる子には、トッピングをして少しみたり、数種類のフードをローテーションして与えてみたりすると良いでしょう。

ただ、猫も体調不良でご飯を食べない時もあります。猫がご飯を食べなくなった時には、そのご飯が好きではない可能性を考える前に、どこか体の調子で悪いところはないのか、確認しましょう。

2.目を閉じる

目を閉じる猫

猫にアミノ酸を含んだ液体(おいしいものとして)とキニン塩酸塩を含んだ液体(苦いものとして)を実験的に舐めさせて、猫の表情を比較検討した研究があります。その研究では、キニン塩酸塩をなめた時は、猫が完全に目を閉じることが多かったそうです。「ウェッ!」と思っているのでしょう。舌を出して吐きそうな仕草をすることもあります。

そこまでまずいと思ったのなら、もうそれ以上食べることはないでしょう。

3.うっとりした顔になる

美味しそうに食べる猫

猫が「おいしい♪」と感じているときは、うっとりとした顔になります。目が半分ほど閉じ、鼻を舐めることもあります。食べた後も満足げな表情になるでしょう。先ほど紹介した実験でも、アミノ酸を含んだ液体を舐めた時は、完全には閉じないけど目を半分以上閉じることが多かったそうです。

「おいしいものを食べた後は、いつもより食後の毛づくろいが念入りなように見える」と言う飼い主さんも。おいしいものを食べると幸せを感じるのは、猫も人も同じようです。愛猫にいつも満足してほしいというのは飼い主さん共通の願いでしょうが、くれぐれも食べさせすぎには注意です!

4.夢中で食べる

夢中な猫

おいしい食べ物を目の前にすると、ついつい脇目もふらずに食べてしまいませんか?それは猫も同じで、おいしいと夢中になってガツガツと食べる様子が見られます。その集中力たるや…。

たとえば好物のおやつを飼い主さんが手にしていると、めざとく見つけ一直線にかけよってくるでしょう。パッケージを開けようものなら、もう愛猫の目にはそれしか映っていません。多頭飼いなら、我先に食べようと競争が起こります。

その様子が何よりの「おいしい」サインでしょう。

5.キレイに食べる

完食

おいしい食べ物は「もっと食べたい!」と思いませんか?食べてなくなってしまうと、とても残念な気持ちになります。未練たらしくお皿の隅々までキレイにしてしまう場合もあるでしょう。

猫も同じようで、おいしいと感じている食べ物は、とてもキレイに食べます。好物を出した後のお皿は、いつも以上に輝いていませんか?もちろん食べ残しなどありません。

お皿がキレイでピッカピカになっていたら、おいしかったのだとわかります。

まとめ

ラムくん

猫は表情の変化があまりないので、感情の起伏がわかりにくいと言われることがありますが、実は意外とわかりやすい部分もあります。まずいと感じていれば食べないですし、おいしければ積極的に食べようとします。その行動が何よりの証拠となるでしょう。

《参考文献》
Michaela Hanson, Susan M. Jojola, Nancy E. Rawson, Melissa Crowe, Matthias Laska. Facial expressions and other behavioral responses to pleasant and unpleasant tastes in cats (Felis silvestris catus). Applied Animal Behaviour Science. Volume 181. 2016. 129-136.
https://doi.org/10.1016/j.applanim.2016.05.031

スポンサーリンク